木口木版日記:線は好きですが、飽きてもくる

画像1 5年前に絵の学校に通ったときに課題で描いたもの。
画像2 線の緊張感と先生から言われて、衝撃を受けたことを覚えています。今見ると、緊張感足りないと思うけど、絵の喜びの扉を開いたときが思い出深い。
画像3 版画も同じく線の喜びに近いと感じます。特に木版画は、もちろんハッチングで描くこともできるけど、線でものを捉えようとするのが好きです。ただ、目の横に傷がついてしまって、版木というのは大事に扱わなくちゃいけないんだということが分かりました。飽きてくると扱いがぞんざいになるんです。
画像4 昨日の刷りは10枚以上刷って、うまくいったのは最後の1枚。経験のないわたしは大体そうです。インクを何回ローラーで転がしたらいいか、コツが掴めた頃には終わりの時間になっています。また来週忘れているだろう・・ 背景の砂粒みたいなものの形を来週までに見直ししようとパソコンで点々を打っては確認してます。
画像5 新しい版はまた研磨し直すことにしました。下絵を見直すたびに墨汁を塗ればいいか、とやっていたら、表面がざらついてしまった。ちょっとおでこを彫り始めてるけど、消し去ってしまっていい。人の肌をどう彫るか、前回は肌をぐるりと回る糸のように彫ったけれど、今度は風の動きをそのまま肌に載せることができるのか、風が肌を通った跡を線にして彫れるのかやってみたい。後ろにいるのはお姉さんなんですが、お姉さんは風や光を受けて消えかかっていて、木の割れ目に命を吸われていて、なんてというのが描けるだろうか。