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家のコスパを高めるベストな屋根材の選び方

屋根材は雨や風からご自宅を守る大切な機能を持っています。
屋根材を選ぶ際には、見た目や価格のほかに、これから紹介するポイントを判断材料に加えることで、ご自宅にピッタリな屋根材を選ぶことができるようになります。
新築または屋根のリフォームをお考えでしたら、ぜひ参考にしてみてください。

この記事のまとめ

屋根材選びで大切なポイントは「気候」と「居住予定期間」

屋根材を選ぶときに必ず考えておきたいのは、「住んでいる地域の気候」と「居住予定期間」です。

■住んでいる地域の気候


住んでいる地域の気候によって、最適な屋根材は異なります。
例えば、太平洋側の比較的温かいエリアでよく見かけるスレート瓦は、雪の多いエリアでは割れやすいことから使用されることがほとんどなく、代わりに粘土瓦(一般的な瓦)やガルバリウムが使用されます。
※屋根材の種類については次の章で詳しくご紹介します。

風雪害や凍害(とうがい)など、地域の気象条件に合った屋根材を選ぶことで、破損のリスクを最小限におさえることができます。

■居住予定期間


屋根材は、その種類によって施工費用やメンテナンスにかかる費用が異なります。

例えば、瓦と板金屋根をくらべてみると、板金屋根(ガルバリウム)は初期費用が瓦に比べて安くおさえられます。
その代わり、一定周期での塗装、瓦よりかなり早いタイミングでの葺き替えなど、将来的に掛かるコストとしては瓦よりも高くなります。
反対に、粘土瓦は施工費用は板金屋根よりも高くなるかわりに、一度施工してしまえば長期間にわたり定期的なメンテナンスが不要。
もし破損があったとしても、瓦一枚の差し替えだけで修理できるなど、長期的なコストをおさえることができます。

上記を簡単にまとめると、「次の葺き替えまで住む予定がないなら板金屋根」「長く住むなら瓦」がコスパがよいということになります。

初期費用だけでなく、屋根を葺いた後、どの程度住むかをふまえて屋根材を選ぶことが大切です。

基本的な屋根材の種類と特徴

この章では、一般的な屋根材を紹介します。
屋根材は大きく4種類に分かれています。

①粘土瓦(和洋)

粘土瓦とは、天然素材の粘土で作られた瓦で「釉薬瓦(ゆうやくがわら)」と「無釉瓦(むゆうがわら)」の2つの種類があります。

「釉薬瓦」とは、釉薬をかけて焼いた瓦で、 水がしみ込みにくく、長い年月が経ってもそのまま美しい状態を保ち、耐久性に優れていることが特徴です。

「無釉瓦」とは、釉薬を使用していない瓦です。経年によって瓦表面が剥がれ落ちて変色してきたりします。また水が浸透しやすく地域によっては塩害や凍害などに注意しなければいけません。

耐用年数は50年〜60年、メンテナンス周期はおよそ25年~30年と非常に長いです。
さらに、廃棄後は細かく砕いて瓦や舗装材としての再利用が可能です。
SDGsをかかげる現代社会において、瓦の特性はとてもマッチしていると言えます。

粘土瓦

メリット
・耐久性が高い
・部分的な葺き替えが可能 
・夏は日中涼しく、冬は温かい
・遮音性が高い
・メンテナンスがほぼ不要

デメリット
・重いため、家の間取り、デザインに制限がある
・他の屋根から変更しづらい
・施工費用が高い

粘土瓦は、維持費や修繕費を抑えたい、初期費用が高くても、屋根の耐久性を高めたい方におすすめの屋根材です。

②セメント瓦


セメント瓦とは、セメントと川砂を混ぜ、型に入れて成形し塗装したものです。
価格が安く製造しやすかったため、1970年〜1980年代に広く普及していました。

耐用年数は25年〜30年、メンテナンスは10年〜15年ですが、定期的な再塗装が必要です。

セメント瓦

メリット
・デザイン(形状やカラー)が豊富
・耐火性に優れている
・防音性に優れている

デメリット
・定期的な再塗装が必要
・高重量のため耐震性が低下

セメント瓦は、デザインを重視した屋根材をお探しの方におすすめです。

③スレート瓦


セメントに繊維質を混ぜて5mm程度の厚さにした板状の屋根素材のこと。
「カラーベスト」や「コロニアル」と製品名で呼ばれることもあります。

耐用年数は25〜30年、メンテナンスは異常が無くても5年を目安に点検することをおすすめしています。

スレート瓦


メリット
・価格が安い 
・色やデザインが豊富 
・施工できる職人が多い

デメリット
・割れやすく耐久が低い
・メンテナンス頻度が多い
・2004年以前の商品はアスベストを含むおそれがある

スレート瓦は、施工費用を抑えながらデザインが豊富な屋根材をお探しの方におすすめです。

④金属(ガルバリウム、トタン)


金属にはガルバリウムとトタンの2種類があります。
近年、住宅用の金属屋根材は、おもにガルバリウムが使用されています。

ガルバリウムとは、アルミニウムと亜鉛、シリコンによってメッキ加工された屋根材で、耐用年数は25〜30年、メンテナンスは15年〜25年です。

ガルバリウム

メリット
・屋根が軽いため、家の間取りやデザインに制限が少ない
・錆びにくい 
・防水性が高い 
・安価で工事ができる

デメリット
・キズが付きやすい
・防音性が低い

ガルバリウムは施工費用を安く抑え、雨漏り対策を重視している方におすすめです。

トタンとは、亜鉛でメッキ加工した薄い鉄板素材で、耐用年数は10年〜20年、メンテナンス7年〜10年と屋根材の中では最も短いのが特徴です。

トタン

メリット
・施工価格が安い ・屋根が軽いため、家の間取りやデザインに制限が少ない

デメリット
・耐用年数短い
・ 錆びやすい
・ 断熱性が低い
・ 防音性が低い
・メンテナンス費用が高くなる

トタンは耐用年数が短くても、施工費用をとにかく安く抑えたい方におすすめです。

ベストな屋根材選びが安心につながる

いかがだったでしょうか。
屋根は見た目だけでなく、住宅を健全に保つ重要な役割を持っています。
記事で紹介した情報を参考に、ご自宅にあったベストな屋根材を見つけてくださいね。


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