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悪い男ばかり好きになる私って

「良い恋をしてほしい」友達にそう言われた。今までの恋愛について深く語ったことはない、最近友達になった女の子に、そう言われた。でも、すごく、なんだろう、嬉しかったというかハッとしたというか、なんだか救われたような気持ちになった。

前回の記事を書いたとき、次に自分がどんな文章を書くか楽しみだなと思いながら投稿をして、そのときのモヤモヤを含めた諸々の自分の気持ちを一旦手放したような、整理できたみたいな気持ちになっていたけれど、今日という日が自分を洗いざらした。

その友達は、数ヶ月以内に出会ったばっかりの女の子で、同じ趣味(カメラ)があってTinder経由で仲良くなって数回遊んだ程度の同い年の子で、恋愛の話はお互いサラサラと話したくらいだった。でもなぜだか、その子に今の自分のモヤモヤを聞いてほしくなって、コメダで期間限定のピスタチオ味のシロノワールを食べながら、事細かに語って、どう思う?私ずっとモヤモヤしてるって素直に話した。

「必要としてないのに繋ぎ止めておかなくていいし、楽しくないなら一緒にいても意味ないよ。今ままで自分がかけた時間だけ惜しく感じてるなら、一日も早く手放さなきゃね。」と言われた。そうか、私は彼のことをもう必要としていないんだ、と気付かされて、少し寂しくて、少し嬉しかった。

「すごい、なんで?」と私は驚いた。なんで分かったの?って不思議だったから。そしたら「自分で言ったんだよ(笑)」とその子は笑った。自覚していなかっただけで、私の中にはもうその人と一緒になる選択肢は無かったらしい。私のどんな発言から彼女がその気持ちを汲み取ってくれたのかは解らず終いだけど、どうやらそういうことだったらしい。

約1年の間ずっと好きで憧れだった人に、友達として仲良くいたいと言われて、友達として見るようになったら、その人はそんな私のことを好きになって、好きだと言ってくれた。そこから私はずっとモヤモヤしていたんだけど、私にとってはただもう必要でなくなっていた。必要って?って改めて自分に問いかけて考えてみれば、ちょっと前までは自分のことを好きになって欲しい相手だった(それが叶えば私自身がもっと自分のことを好きになれるような相手だった)けど、私はもうそれがなくったって今の自分のことを好きになっていた、そういうことなんだろう。

今まで自分がその人を想い続けた時間の分だけ、その人を失うことが惜しかった。でも、その人を失っても大丈夫だと自分の中で決定することが明日、明後日と1日でも後回しにするほど、その人にかけた時間は増える一方だという当たり前のことに、今になって気づかされた。

私が彼のことを好きだったとき、彼は私のことを好きにならなかったのに、私が彼を好きになることをやめた途端、彼は私のことを好きになった。だから私は彼のことをまた好きになっていいのかどうか、ずっと不安だった。どうしたらいいんだろう、彼はどうしたいんだろうとずっと考えて、答えが出なかった。でも今日スッキリしたのは、そもそも私にとってはもう「彼じゃない」という答えが出たからだった。

正直、だからといってもう今後一切関わらないとか、彼が私のことを好きじゃなくなってもいいなんて心の底から思えるほどはすぐに切り替えられないと思う。でも、必要ではないんだな、それが分かってすごく腑に落ちたし、安心してしまった。

今までの恋愛のこともその友達に話したら「やね氏(私)ちゃんは悪くないでしょ、選ぶ相手が悪いよ(笑)」とあっけらかんと笑った。私が付き合う相手に嫉妬してしまったり、付き合った途端に多くを求めてしまうことを話したら、そういって笑い飛ばしてくれてしまったのだ。彼女は、解散した後にLINEで「良い恋をしてほしい」と言ってくれた。良い恋。どんな恋だろう。

今までの恋は、当時当時の私にとってはどれも良い恋だった。今思えば「うわあ」と思うようなものでさえも。選ぶ相手が悪かったというよりは、どちらかというと、そういう相手を選ぶような私だった。そして、今は違ってきているんだなと思った。

最近知り合ったばっかりなのに、私の名前を何度も呼んでくれて、「やね氏ちゃんは悪くないよ」とか言ってくれる彼女に私は今までにない安心感を抱いた。この子になら自分の弱いところも話していいんだなと思った。友達っていいなあって、改めて思った。友達の悩みを聞くことは得意で、自分の悩みは話せない私にとって、今日はすごく特別な日だった。代わりに、彼女の悩みは何一つとして聞けなかったんだけど、、。

クリスマスが来るから怖いよと話したら「先に予定入れちゃいなよ。肌寒くなると人っておかしくなるからさ(笑)」と、また笑った。「私は2ヶ月くらい前に中途半端な男全員切ったよ。寂しいときは飲みに行けばいいやって自分を言い聞かせてる(笑)」と言いながら、そんなケーキがコメダにあったのかと思うような初めて見るケーキをちびちび食べてた。(そういえば、シロノワール食べたいねって言ってコメダ入ったのに笑)

コメダを出た後、写真を撮りながら栄の街を歩いて、大須に移動して散歩してたらふと「私の今気になってる人は大須に住んでんだ〜」と言った。「呼び出してみてよ」って言ったら「返信こないからさ」と返ってきた。あまりにも私の悩みを笑い飛ばしてくれるから無敵だと思ってたけど、そんな子でも好きな人から返信が来ないことってあるんだと思ってなんかほっとした(今思えばほっとしてる場合じゃなくて今度は私が聞いてあげる番だったな)。屋上で写真撮ってるときに「ここから叫べばその彼にも聞こえるんじゃない?(笑)」と冗談言ったら、「そうかもね」って言ったけど叫ばなかった。そのちょっと前まで私のことを写真に撮りながら「く〜!最高!美女!」とか言って変質者並に叫んでたくせに。強い女の乙女な一面って可愛いな。

解散して帰ってきて、ストゼロかち込みながらこのnote書いて、これから自分を自分で大事にしなきゃなって思った。悪い男ばっかり好きになるのって、自分が悪い女だからだと思うんだよな。自分のことを好きになってくれる人は、自分の鏡みたいなもんで、やっぱり振り返って考えてみても自分に似た人が近くにいる人生だったし。自分が出会いたい人に、まずは自分がならなきゃなって思った。

とてもいい日だった。


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