B'z Treasure Land @幕張メッセ

2023/03/12

この日は午前・午後と2本のイベントへ。

午前中は幕張メッセで行われた「B'z Treasure Land 2023」へ。

端的に言えば、ライブ映像上映会にフードやフォトブースなどのフェスアトラクションをくっつけた企画。今回は会期3日中の最終日、初回上映の「LIVE-GYM'93 JAP THE RIPPER」を観に行きました。

このライブ映像には、個人的に結構思い入れがあります。当時、この渚園でのライブを一部収録した『LIVE RIPPER』というVHSがリリースされ、元々B'zファンだった姉が購入して居間で観ていました。

そこにたまたま居合わせて観ていた私(保育園児)は、ステージ中央に据えられた階段からがんがんジャンプを決めまくる稲葉浩志さんの姿を見て率直に「かっこいー!まねするー!」と思い立ち、居間に飾ってあった雛飾りに登って稲葉さんのモノマネをしながら飛び降り、後に親からこっぴどく叱られたのでした…。

でもそのくらい、子供心にもスゴさが伝わるライブでしたし、もしこの体験がなかったら、今いろんなライブに足を運ぶことも無かったかもしれない。そのくらい、私の人生に影響を与えたライブ映像といえるのです。

そして今回は、VHSではトータル3時間→70分間に編集されたため収録されなかった部分も含めてのフルサイズ公開、更には幕張メッセ1ホール丸々使っての大画面上映。これは観たい!30年前の記憶と感覚を呼び起こして更新したい!と思い、幕張へと赴くに至りました。

場内マップ
特製カクテル(prod. TAK MATSUMOTO)

B'zとはいえど、ライブ上映だけでは丸々1ホールは埋められなかったらしく、後方ブロックの座席には暗幕がかけられていました。でもご本人登壇回など、上映回によってはほぼ満席の回もあったらしい。やっぱりB'zすごい。

B'zからのメッセージ動画のあと、本篇スタート。30年前の映像だけに画質はやや粗いし、音も一緒くたにまとめてドーン!みたいな雑音響(まあそもそも技術的に無理)でしたが、それよりも初っ端の「JAP THE RIPPER」から迸りまくる2人のエネルギーに圧倒される。往年のミック・ジャガーでも及ばないレベルで動くは走るはの稲葉さん&松本さん、本当にすごい。

映像が進んでいくにつれ、色々と発見もありました。

発見① グッズ着用者がほとんどいない

Tシャツやタオルなども販売されていたようですが、観客の間で着用したり掲げている人がほとんどいませんでした。当時の物販はやはり「記念品」あるいは「お土産」としての意味合いが強かったんでしょうね。

代わりにみなさん、思い思いの服装で参加されていてこれはこれで自由で良いな、と思いました。中にはエナメル質の水色のハイレグ着て「太陽のKomachi Angel」で腰振りまくる、みたいなお客さんも。いま国内の有名アーティストでそんな服着てくる人、なかなかいないですよね(笑)

発見② 明石昌夫さんの存在感

派手なシャツとグラサンでキメつつベースをブリブリ鳴らしていた明石さんですが、同期も担当していたり曲間で稲葉さんと頻繁にやり取りしていたりして、ライブを全体的にコントロールしていたのはやはりこの人なのでは?と思いました。

明石さんといえば当時のB'zのアレンジャーですが、アレンジャーがバンドやライブの雰囲気を決めるのはすごくビーイングらしくて独特だなあと。そこを気に入るかどうかも、ビーイング系アーティストを好きになるか嫌いになるかの境目なのかもしれません。

発見③ そもそも、こんなに長かったんだ!

VHSでは70分だったので、フルだと120分くらいかな?と思っていたのですが、なんとトータル180分もありました。

アンコール待ちもかなり長くて、その間観賞魚の映像がスクリーンに漫然と映ってたんですが、あれって当時はスタンダードだったんですかね?ちょっぴり謎。

その間ずーっとパイプ椅子に座りっぱなしだったので、尻が痛くなりました(苦笑)。とりわけ、ライブが長くなる要因になっていたのが…

発見④ 次作に繋がるブルースの布石

特に長かったのが、中盤のブルースコーナー。Key.増田さんのソロから稲葉さんの「Need Your Love So Bad」(Whitesnakeもカバーしているブルーススタンダード曲)、続けて「愛しい人よGood Night…」のソロ独唱に「LADY NAVIGATION」のブルースver.、さらに「月光」と「Wanna Go Home」まで。このブルースコーナーだけで1時間近く演ってたんじゃないでしょうか。

この超ロングブルースコーナーがのちの『The 7th Blues』に繋がるんでしょうが、エキサイティングな流れの中にこれ挟まれて、当時のお客さんはよく耐えたなあと正直思いました笑。

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午後の予定もあったので、ライブ上映だけ観てすぐにメッセを離れましたが、入場無料エリアではグッズ販売やフード販売でなかなか賑わっていました。

技術進歩に加えてコロナ禍で「ライブアーカイブス」の公開が進んでいる昨今。私もRadioheadが2020年に設立した「Radiohead Public Library」の動画を何本か観たり、BLACKPINKのライブを映画館で観たり、ジャム系バンドがどんどんアーカイブ化している過去ライブ音源をDLしたりしていましたが、割とどれもネット内や狭いファンコミュニティ内で完結してしまうことが多いんですよね。

今回のTreasure Landのように、ライブアーカイブスの公開を誰でも来れる「お祭り」化する取り組みが進んでいけば、ライブの愉しさをより気軽に、よりリアルに発見する人も増えるのでは。そんなふうに感じました。ただそれで収益出すには、それなりの集客ないと難しいですが…。そういう意味でも、やっぱりすごいぞ、B'z。

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