サニーデイ・サービス×ミツメ @liquidroom

2022/07/06
本来はUnderworld×サカナクションの日でしたが、一郎さんダウンにより延期に。代わりに"第二候補"だった表題のライブへ。
（UW×サカナ延期発表時点でこちらも既にSOLD OUTでしたが、運良くぴあで1枚だけリセールが出たので、そちらを入手しました。溺れる者は藁をも掴む。）

先行はミツメ。前回行ったミツメのライブが公開レコーディングだった「Live "Recording"」で、その職人的イメージがどうしても抜けていなかったのですが、今日はガッツリとロックバンドしてました。
ほとんどの曲がやや速めのテンポ。ベースのnakayaan氏はストローハットを吹っ飛ばすレベルで熱演、ギターのまおさんも時折MATSURI STUDIOライクな研ぎ澄まされたソロプレイを聴かせてくれました。
特に熱かったのは中盤の「Disco」ですかね。例の「眠れないのは　目が合ってから〜」で始まる曲ですが、インディーライクな淡々とした演奏からアウトロで爆発する展開が見事。あとは「システム」も、音源にあった靄が取れてダンサブルなビートと流麗なギターの絡みが露わになったレア・バージョンって感じで、とてもハマりました。
「煙突」後のMCでは、川辺さんとnakayaan氏がサニーデイ・サービスの復活ライブを観るために青春18きっぷでRISING SUN ROCK FESTIVALまで鈍行列車で行ったエピソードを披露。そこまで憧れていたサニーデイ・サービスとの念願の対バンということで、一段と力が入っていたのだろうし、そのエネルギーは確実にこちらにもしっかり伝わってきました。

【セットリスト】
ディレイ
なめらかな日々
トニック・ラブ
Shadow
リピート
睡魔
Disco
スペア
システム
あこがれ
エスパー
煙突
クラゲ

後攻、サニーデイ・サービス。ドラムの大工原さん加入後、初めて観ました。
序盤から勢い全開。2曲目の「夏は行ってしまった」で、初夏のシーズンにも関わらずSUMMERを早くも遠くに行かせてしまう。曽我部恵一さんは長髪を振り乱しながらギターをひき倒し、歌いながら時折右腕を掲げる、まるでFoo Fightersのデイブ・グロールのような形相。おそらく元Qomolangma Tomatoの大工原さんが入ったことでそのパンキッシュなドラムがだんだんとバンド全体に浸透してきたのだと思いますが、久々に観た身としてはあまりに元気すぎて驚いてしまうレベルでした。
特に良かったのは中盤の「コンビニのコーヒー」。元々勢いのある楽曲ですが、この日のバンドのテンションによく合っていたと思います。一方で配信したばかりの「ライラック・タイム」も、リリース間もないながらもセットリストにスッと自然に収まっていて、ベテランバンドらしいスキルの高さも感じられました。
MCではベースの田中貴さんが先日51歳の誕生日を迎えたことが話題に。こんな元気にライブやってるけれど、フロント2人は50代なんですよね。そこにまず驚くし、ふと周りを見渡すと今日のフロアは決してミツメだけが目当てではない若いお客さんが多くて、そこで更に驚きました。でもミツメのことを「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドみたい」と評する曽我部さんには、一応ベテランのロックの先輩感も漂ってました。そこも若いリスナーにとっては"あこがれ"なんでしょうね。
終盤は「花火」「サマー・ソルジャー」で夏の空気を回収。ラストは「若者たち」、アンコールは「青春狂騒曲」と代表曲でしっかり締めて終演。ミツメに続いて、こちらもエネルギーをもらえる素敵なライブでした。

【セットリスト】
冒険
夏は行ってしまった
魔法
ライラック・タイム
シルバースター
コンビニのコーヒー
春の風
セツナ
花火
サマー・ソルジャー
若者たち
-en-
青春狂走曲

冒頭に書いたとおり、個人的には"代替ライブ"でちょっとしょんぼりした気持ちも抱えながら行ったこの日のLiquidroomでしたが、結果的にはそんな気持ちを吹き飛ばす一夜になりました。ありがとうミツメ＆サニーデイ・サービス！