見出し画像

GRAPEVINE好き歴22年、初めてワンマンに行く

2024.3.28

GRAPEVINEを初めて聴いたのは2001年の『Circulator』。それからリリースされるアルバムは全てチェックし、フェスでも観れたら必ず観てきたのですが、何故かワンマンだけは巡り合わせが悪く、この日まで一回も観ることができずにきてしまいました。

そして今回の『Almost there』リリースツアーの延長線にあたるextra show、年度末で忙しくて今回も厳しいかなあ…と思いきや、色々奇跡が起きてすっぽりこの日程この時間が空くことに!
KnowerやPuma Blue、group_inouにHALLEY等々良さげなライブが結構競合している日でしたが、ここはバインでしょう‼︎というわけで、迷わずチケットをポチりました。

会場のZepp Divercityに入ると、既にファン歴長そうな諸先輩方が良い位置にスタンバイ完了済み。自分もそこそこファン歴長いはずなんですが、予想以上の年齢層の高さに畏まりながらソワソワと中に入りました。まぁ中学生から背伸びして聴いてた私と、メンバーと同年代を歩んできた皆様とはリスナー歴は同じでもそりゃ年期が違うか。

延々とロー・ボルジェス(ブラジルのSSW)の楽曲が流れる中、19時を回ってメンバー登場。田中和将さん(アニキ)の威勢のいい「こんばんはー!」で、いよいよワンマンの長旅の始まりです。

冒頭は「雀の子」、それに続いて前曲に近いテイストを持つ「Neo Burlesque」。『Almost there』を冠に持ちながら、ツアー延長戦らしく収録曲をセットリストの中で工夫して配置していく意気を早速感じます。続いては「UB(You bet on it)」。田中のアニキのカッティングが格好良い。金戸覚さん(金やん)と亀井亨さんの作るグルーヴも安定していてノリやすい。

ここで最初のMC。田中アニキ、ワンマンだとガッツリ関西弁でベラベラ喋るんだ!すごい!と、こんなところでも感慨深くなってしまう私(笑)。
ところが本当の驚きはここからで、一気に10曲休みなく演奏。しかも一曲一曲テイストがかなり異なるのに何事もなくどんどん進行する。「EVIL EYE」と「マダカレークッテナイデショー」でフロアの熱量上げたかと思いきや「それは永遠」で泣かせにくるし、「アマテラス」はボーカルエフェクトバリバリなのに「Ophelia」のネオアコ感と「The Long Bright Dark」のブルージーな演奏は重厚で生々しい。そしてこのパートのトドメに、アルバム追加収録曲の「Loss(Angels)」で喪失の向こう側、遥か彼方の景色を見せてくる。すさまじい圧倒度、そして充実感でした。

一応ここで一息置いて、後半戦は「7百億曲やる」と田中のアニキらしい冗談飛ばして「Goodbye, Annie」で再スタート。
そして今回一番楽しみにしていた「実はもう熟れ」。よし踊るぞ!…と思ったのですが、ダンスビートがイマイチ弱くてそれほど踊れない。しかしそこで逆に気づくわけです。やはりGRAPEVINEは「ロックバンド」であると。思えばここまでもヒップホップやR&B等を呑み込んだ楽曲をプレイしてはいるものの、田中のアニキはその間も一切ギターを手放していない。そしてバンド全体のグルーヴはやはり「ロック」そのものだった。だからこそ「実はもう熟れ」も原曲ほど踊れず、しかしロックらしい演奏になるのではないか、と。期待していたものとは違うけれど、GRAPEVINEらしい矜恃が見えた気がしました。

終盤は田中×西川×高野のトリプルギターが沁みた「Glare」、(私のような)中長期のファンが歓喜した「Scare」、みんな大好き「超える」の旧曲3連打に、「Ready to get started?」からの「SEX」というフォークボール的選曲で締め。このパートはほんとにすごい緩急でした。こういうの毎回乗りこなすバインファンはえらい。

日替わりになっているアンコールは「阿」「God only knows」「Shame」「Arma」の4曲でした(つまり名古屋・大阪公演で3曲ずつやっていた内容のミックス。1曲増やしてくれてアリガットさーん!)。
個人的には特に「Shame」で大はしゃぎしてしまいました。でも周りの盛り上がりはそこまでで、ちょっと恥ずかしかったです(苦笑)。やはり皆さん大人。
最後の最後に大団円っぽさのある「Arma」に送り出されて、2時間超のバインの旅は終わりました・・・

やはりベテランらしく、一曲一曲を丁寧に、機材や音づくりにもこだわって(「アマテラス」のボーカルエフェクトとかホントに凄かった。西川さんのバイプレイヤー的ギターも)技巧を魅せていく一方で、絶対にギターロックからは離れないバンドとしての矜持も感じられた初バインワンマンでした。この辺りがGRAPEVINEの特異性というか、他のアーティストには無い素敵なところだと改めて思いました。
今回はあくまで『Almost there』のツアーだったので、他のアルバムの収録曲ももっとライブで聴いてみたいなあ…次はいつになるかなあ…と思ってたら、なんとこんな告知が。

野音!!そして割とすぐーー!!笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?