理想の名前

もし好き放題に自分の苗字/名前を変えられるとしたら、どんな名前にするだろうか。私はそんなことを考え続けてかれこれ5年くらいになる。
苗字については2年目あたりから既に固まっていて、「柳瀬(やなせ)」という苗字だ。柳瀬のいいところは、ズバリ情景が浮かぶことである。でっけぇ柳の木が一本がそびえ立つ側に川が流れる美しい情景が思い浮かばれる荘厳な苗字でありつつ、クラスメイトにイジられない程度に存在する苗字である。これぞ黄金比。最高の苗字だ。この苗字は随分と気に入っていて、ゲームのプレイヤーネームなんかは、大体これにしている。
ところが、下の名前というのは中々の曲者だ。苗字というのは、ある程度型みたいなものがあるため数も限られ決めやすいが、名前はそうもいかない。一郎みたいな古式ゆかしすぎるのもイマイチだし、かといって陽翔(はると)のようなホストの源氏名みたいなのもキツい。私は将来、安元洋貴みたいな渋いおじさんになりたいので、洋貴にしようかと思った時期もあるが、これがまた自分にしっくり来るかと言うとあんまりという具合だ。それに、男性声優の名前引っ張ってくるのとか中2女子のムーブなので絶対に避けたいところである。そんなこんなで、5年程考え続けていたある日、ピンと来た。「明久(あきひさ)」こんなのどうだろう。古式ゆかし過ぎる気もしないし、政治家のおっさんにもいる程度にはキラキラ感もない。主観上は自分に割と合わないこともない。なかなか良い名前だ。親しい人には省略されて「アキ」と呼ばれるなんてのも悪くない。

ふむふむいいなぁ。ん？ちょっと待てよ「明久」…。周囲の人間からは「アキ」…どこかで聞いたような……

こ、これは！！！！！！！
親友の島田美波からは「アキ」と呼ばれているでお馴染みの、バカとテストと召喚獣の主人公「吉井明久」じゃねぇかぁぁぁぁああああ

あーーーーーーー恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい〜〜〜〜〜

と、いうことでどこまで行っても2〜2.5次元の人間の名前から引っ張ってくることから抜け出せないキモキモヲタクなので、理想を求めるのは諦めていつか明久くんになった時のために、試験召喚獣をサモンできるように練習したいと思います。

完