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今月の野鳥(JB2016年6月号)

「神は羽をもってあなたを覆い/翼の下にかばってくださる。神のまことは大盾、小盾。」(詩編91:4)

そろそろ、梅雨の季節に入っているでしょうか。南から渡ってきた夏鳥もパートナーと営巣に入っているころです。写真の鳥は、鬱蒼とした森の中で営巣するサンコウチョウです。けなげにも、自分の体の3倍もある尾羽を持ちながらボルネオあたりから渡ってくるのです。目のまわりのスカイブルーがなんともエキゾチックですが、囀りも実にユニークで、”ツキヒーホシ、ホイホイホイ”(月、日、星なので三光鳥という名前になった)と鳴き、一時熱帯に来たかと錯覚を覚えます。昨年はある所で営巣中にもかかわらず、この鳥の巣を持ち去るという事件が起きました。人間の所業はなんと自己中心的なのかと改めて思わされています。(撮影2013/7/13神奈川県逗子市にて)

サンコウチョウは、カササギヒタキ属に属する小鳥ですが、この属は17種の野鳥がいるそうですが、日本に渡来するのは、サンコウチョウ1種のみです。杉林などの、少し薄暗い場所に営巣しますが、人間からの距離がそれほど遠くないので、減少している鳥の一つです。英語では、Paradise Flycatcherといいますが、春先に南から渡ってくる時オスは、その長い尾羽をひらひらさせながら、海を渡ってくるのです。この尾羽はもちろんメスに対するアピールに用いるわけですが、秋、南に帰っていくときはその尾羽を打ち捨てて戻っていくのです。


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