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NO22 資金調達アドバイザーのつぶやき!! 「こんなに借りて大丈夫?2億円の契約書にハンコを押す手が震える!!」

資金調達アドバイザーのヤナイナオトです。

皆さん、借金をどれだけしたことがありますか?

都心のツインタワーマンションを買われる方なら1億円の借入もあるかも。でもそれは、収入に見合ったものや担保があるから住宅ローンが組める。そして、この場合は自分だけの問題ですよね。

しかし、会社となるとそうはいきません。

まだ、30代前半で早々とお父さんが引退し会社を継がれた社長さんがいました。会社は、健康機器のブームで事業拡張のため設備投資をすることとなり2億円の融資を行いました。

契約の当日、金銭消費貸借書の説明が終わり、契約書のに会社のゴム印と実印を押印してもらい、連帯保証人としてサインも終わり、いざ捺印をしてくださいという時に事件は起こりました。

社長が個人の実印を印鑑ケースから出して捺印しようとする、その手が突然震えだしたのです

「社長、どうされましたか?」

「今日は、僕が社長になって初めての借入なんです。2億円も借りて大丈夫か、こんなに借りて万一のことがあったら、連帯保証人って返さなくちゃいけないんですよね?」

「連帯保証人は社長のおっしゃる通りです」

「潰れたら、なにわ金融道のように僕は借金取りに追い回されることになるですよね?皆さん怖くないのですか?」

「公庫はなにわ金融道のようなことはありませんよ。これだけの金額になると、個人保証というよりは、経営責任者としてしっかり経営してもらうために保証人になってもらっていることの意味あいの方が大きいんです。金額が小さいほど取り立ては厳しいのが現実かもしれませんね」

「おやじは、たくさんの借入にハンコを押してきたんですよね。僕は大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ!!社長の器はどれだけ借金ができるかだという方もいらっしゃいます。2億円の借金ができる器をお持ちだということですよ。」

「なんとなく震えが止まってきた感じがします」

ということでやっと捺印してもらい無事契約が終了しました。

当時は、なにわ金融道の漫画が多くの人に読まれていた時代です。闇金に追い回されたとこ、やくざを使って取り立てにあったとか厳しい回収が行われる時代でした。

今では会社が延滞をしたら、銀行はさっさと貸付債権をサービサーに売って処理をしてしまします。公庫も社長が個人資産も売却してサラリーマンで生活するのにやっとだという収入の場合は保証人を免除し債権償却をするケースが多かったと思います。

さらに今は、倒産しても再チャレンジができるように、公庫と商工中金の政府系金融機関は保証人をとらないようにしています。

実は、保証人や担保を取ると後々の管理が大変です。担保物件の競売手続きや保証人の資産調査や居所調査を行わなければなりません。冬の寒い中、警察の見張りのように、家の外で帰りを待つのは手足が凍えてつらかった記憶があります。

***『失敗しないで成長する』***

公庫勤務26年で1500社以上の融資を行い、その後中小企業に入り経理、労務、営業を行う。

古巣の公庫からだけではなく、政策投資銀行、商工中金信金、メガバンク、地銀、信金、JAから12年で100億円を超える資金調達を行う。

そのなかでの成功や失敗のなかから、財務・労務・営業戦略等をお伝えします。

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