見出し画像

【4】登ろうとしても辿り着けない夢を見た

夢はきっと現実の何かの投影であると信じている。

「今日はこちらへ遠征ですか?………バスは行っちゃったみたいですね」
ツイッターのお知り合いみたいだ、私もなんとなく知っている人、私がよく出かけているのをご存知らしい。

私は何故か願掛けか何かで御在所岳みたいな山へ登ろうとしていたらしい。
麓から中腹へ向かうバスの待合室はなるほど、軽装備の人達が思い思いに準備している。

小雨が舞い飛んでいた。

いつの間にか着込んでいたダウンジャケットのフードを慌てて被って、首をすくめてみる。

なるほど、確かに目的のバスはとうに出発していて、次のバスは午後らしい。
(どうやら"今"は午前中らしい)

『………困ったなあ………』
お昼過ぎには次のところへ行こうと思っていた(らしい)私は、途方にくれて辺りを見回していた。

「ライト点けないと」

ハッとして前を見る、
私は車のハンドルを握っていた、
確かに前方は真っ暗でおまけにエンジンも止まっている、
誰が声掛けてくれたんだろう、と不思議に思いながらもセルを回しライトを点けた。
暗い登り坂が目の前にある。
静かにエンジンの音が響く。
サイドブレーキを解除し、静かに登っていく……

『………あれ?止まってる……?』

私は車のハンドルを握っていた、
確かに前方は真っ暗でおまけにエンジンも止まっている、
誰が声掛けてくれたんだろう、と不思議に思いながらもセルを回しライトを点けた。
暗い登り坂が目の前にある。
静かにエンジンの音が響く。
サイドブレーキを解除し、静かに登っていく……

『なんかおかしい………………』

私は車のハンドルを握っていた、
確かに前方は真っ暗でおまけにエンジンも止まっている、
誰が声掛けてくれたんだろう、と不思議に思いながらもセルを回しライトを点け


私はスマホを握っていた。
三度目のスヌーズが手の中で響いていた。

無間地獄じゃなくてよかった………

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?