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故郷を離れる

長年過ごした故郷を離れる。3月はそういう季節。
桜が咲きつつあって、でも嵐で散っちゃって、日当たりのいいところはもう葉桜になってて、あーあまだ新学期始まってないのに。となる季節。

新しい生活に期待を膨らませながらも、後ろ髪をひかれて、無闇にハイテンションになったと思ったら感傷的になって。

そういう、微分値の大きい感情をあますところなく受け入れようと、2月に一旦引越しをして、新天地で諸々を落ち着けてから、追い出されに故郷に戻ってきた。

涙の10日間になるのかなと思ってたけど、蓋を開けてみたら、予定を詰め込みすぎてたからか、楽しい:寂しい=9:1だった。
新生活の不安やら愚痴やらを聞いてもらい、今までのおもひでに花を咲かせ、どんちゃん騒ぎをしてもらって。

あの子と目標を語り合ったこの川。何度も神頼みしたあの神社。ボレーの練習をしたあのテニスコート。内緒のお話をたくさん聞いたあの居酒屋。
そして徹夜明けに寝る実家のソファと頬を舐めてくる犬。
コンテンツが多すぎて、消化できてないくらい、楽しかった。よく観察すると、寂しい気持ちやら不安な気持ちやらがあるけど、概ね単色の明るい色。この気持ちを忘れたくないなあ。

今まで、自分に故郷があるだなんて知らなかった。新天地に行くことにためらいなんかないと思ってた。

今後、自分の核となるのはここなのかなあ。鼻を折られて、成長して、キャパ超えて、落ち込んで、認められて、自分を好きになって。いろんなことがあったなあ。これからもここに負けないくらい好きなロケーションを、いろんな拠点を作っていきたいな。好きになれるかなあ。

卒業おめでとう自分。新天地でも自分らしくいこうじゃないか。
GWに帰ってくるまで。


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