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深夜のマニキュアと起きる時間


深夜二時。ふと思い立って久々にマニキュアを引っ張り出した。ついでにペディキュアもしようかな。と足に100円ショップで買ったショッキングピンクの指抑えをはめる。(固有名詞は知らない)

この辺りかなあと、めぼしい色を2、3色摘んでベッドに座って、布団の上のケータイをお盆にして、その上に小さな瓶を並べて、塗っていく。まずはベースコートから。

さて、下地が終わった。と色をとって左手の親指に伸ばす。
「なんだか…いまいちかもしれない」
と思いながら塗り進めること、6本目、左手から右手に持ち替えた辺りで、気分が乗らなくてリムーバーを手に取る。

そして繰り返すこともう一回。

3回目にしてようやく、まあこれならいいか。という色に落ち着いた。
「いつもなら面倒で塗りなおさないのになあ」
と自分でも不思議に思いながら眠りについた。


そして翌朝。4時間寝たところで、すっと目が覚めた。
眠気も残ってない。文字通りすっとまぶたが開いた。
いつもは3時間刻みで目が覚めるのに、こんな中途半端な時間で目が覚めて、眠気も残ってないのはいつ以来だろう。と思った夜明けだった。


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というような内容を書き留めた日が比較的最近あって、なんでもないことをなんで書き留めたかといえば、それは今までの私にはない変化だったからで。きっとじわりじわりと変わっていたのだけれど、それがある夜、時計の短針が一気にカチリと動く時みたいに、目に見える形になっただけの話。

それなのに、自分の体も、思考も、感覚も変わっていたなんて、それまでまるで気がつかなかったんだなと思うと、自分の鈍感力に呆れるやら、自分のことなんて何もわかってないのかもしれないと思わされて、情けなくなるやらだ。

近すぎて見えないものばかりで、それでも毎日暮らしていけてしまうなんて、人間ていうのはなんて不思議な生き物なんだろうなあ。

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