すき焼きについて

すき焼きはポピュラーな料理だが ここ九州の田舎の街にはすき焼き専門店はない
たぶんすき焼きは家庭料理という位置付けだと思われる ところが京都当たりだと すき焼きや水炊きの専門店がある
水炊きは福岡の博多でも結構あるが すき焼きは寡聞にして知らない
昔 京都で食べたすき焼きは まずザラメと牛肉を炒め それから割り下をいれるというものだったが 地方の家ではそんな上品ななことはせず 牛脂で牛肉を炒めたら どばと白菜やねぎや豆腐や入れまくり それから醤油や砂糖で味を調整する 要はごった煮みたいなものだけど そこは牛肉 なんやかやで家族みんなで賑やかに食べる
フランスのロランバルトがすき焼きを評して 中心の無い食べ物だと言ったらしい
確かに フランス料理の前菜 からメインディッシュへ向かうトレンド料理に比べれば 途中から肉は足すは 野菜は足すはで 中心がないどころか終わりがない
フランス人にとっては すき焼きは料理に見えずに エサをがっついているしか見えないのかも 失礼
ところが 決してロランバルトは日本のすき焼きをけなしている訳ではない
むしろ 日本文化の本質をそこにみているのである
同じ釜の飯を食べるということは 強い結束を生む 
まあ 全てがそうでは無いにせよ フランス文化人の日本に対するシンパシーは結構強い
中国でも朝鮮でもなく 日本に対してのみあるようである
サルトルをコテンパンにした 人類学者のレビストロースも 日本びいきで自宅で米を炊いていたらしい
フランスのワインと日本の日本酒は世界で唯一の醸造酒である ビールは別にして
そういう意味では 今後ももっと親交を深めるべきかなと思う

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