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【中国動向観察】梁光烈元国防相が出没:汚職摘発からの健在ぶり誇示!ー徐才厚、郭伯雄、房峰輝、張陽摘発も回避

 中国のSNSウェイボーで27日、ある大柄の老人が歩く様子が動画にアップされた。四川省三台県潼川という古い街並みでのことだ。老人の名は梁光烈。2008年から2013年まで国防相を歴任した大物だ。

 梁光烈は1940年12月生まれの80歳。動画で見ると歩く速度はゆっくりではあるがしっかりしている。知る人ぞ知る大物だが、道ゆく人は一部彼を振り返ったり、写真を撮ったりしていたようだ。

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 梁光烈が2013年に引退したまさにその時、習近平政権が始まってからほどなく、軍の汚職取り締まりが激しさを増し、続け様に制服組トップ二人が逮捕された。徐才厚(のちに膀胱癌で死去)、郭伯雄、張陽(のちに自殺)、房峰輝と軒並みトップクスラスの軍人が逮捕されたのだ。

 軍の汚職で辣腕を振るった劉源は自分より格上の軍人たちの汚職を胡錦濤に直接ちくったのだが、その際、郭伯雄、徐才厚、梁光烈の三人は軍内の汚職で「避けられない責任を有する」と劉に糾弾されたのだ。 

 彼は在任中ずっと鷹派とみられていたという。「台湾は叩くしかない。遅く叩くぐらいなら早めに叩け」、「小さく叩くぐらいなら大きく叩け」、「台湾独立派を叩くなら、日本も一緒に叩け」、「第一列島線内なら解放軍はいかなる敵も殲滅できる」という具合だ。ナショナリストが蓋を開けたらただの貪欲な権力者だったというのがこの頃の軍指導部だったのだが、彼が健在だったのは口先だけではなかったからないのか。それとも同僚たちを売ったのか。南京軍区司令員も歴任した梁光烈。習近平は管轄地域が同じだった福建で長年仕事をしているから南京軍区の内情にも詳しかったはずだ。そうした経歴が汚職摘発に巻き込まれなかった可能性もあるかもしれない。摩訶不思議な政治の内情だ。


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