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【#スキな3曲を熱く語る】物語が浮かぶ私の好きな曲3選

好きな曲3つを選曲するのは難しくて悩みましたが、物語が浮かぶ曲というテーマで3曲選びました。
長くなってしまったので、目次をつけます。

「たんぽぽ」ツヅリ・ヅクリ

1曲目は、私が失業していた時期に、毎日のように聴いていた曲です。

澄んだ歌声に、「たんぽぽ」という曲名に似合う明るいメロディ。そして、歌詞に惹かれました。

私はこの曲は、応援歌だと思っています。

たんぽぽ 君を飛ばしにいくんだ
君は此処にいてはいけないよ
呼吸を整えてさ 今なら飛べるよ  
君の一歩を押してあげる

といった歌詞から、これから新しい一歩を踏み出そうとする者を「たんぽぽ」の綿毛(種)になぞらえて、それを送り出す「僕」。という、ひとつの物語が思い浮かぶ歌です。
この曲を聴いて、私は脳内連続ドラマをつくってしまったほど。それは、1度落ち込んだ者が再生していく物語。自分の失業と重ね合わせて再生を切望していたからかもしれません。

この曲の歌詞を応援歌と称したのは、「たんぽぽ」の目線ではなく、「たんぽぽ」を送り出す「僕」側の目線で描かれているからです。他者の幸せを願って送り出す者を描いた歌詞は、再生したいと願う者にとっては応援歌のように聴こえるからです。

君の笑顔が 僕のそばじゃなくても
大丈夫さ こがねに花咲く頃
僕も懐かしく笑うよ
もう此処に君はいない

と歌詞は締めくくられ、離れてしまう「僕」と「たんぽぽ」を示唆していますが、明るいメロディラインとテンポによって、寂しい感じではなく、前むきな印象になっています。

また、誰かを応援してあげなくては、という時にも似合う曲です。

例えば夢のために会社を辞めてしまう仲良しの同僚、
家を出て独立する我が子、
遠くへ引っ越してしまう友人等、
離れてしまうのは寂しいけれど、それが彼・彼女にとっての幸せである
ならば喜ばしいこと、といったシチュエーションはありませんか。

そんな時に、寂しさから拗ねてしまう気持ちになってしまうこともあるでしょう。この曲は、そういう時に応援する側の複雑な気持ちにもよりそってくれるかもしれません。

***

「ネコヤナギ」ツヅリ・ヅクリ

2曲目は、1曲目と合わせて聞きたい曲です。

この曲も別々の道を歩むことになった二人だけれど、選んだ道が幸せであるといいなと願う曲です。

僕はチケットを空に捨てたんだ
電車は君を 僕はこの道を
ふたりに 送られる花あらし
電車は君を 僕はこの道を

歌詞の中に二人の「僕」がいるとして、上記の部分だけを「たんぽぽ」の曲の中における「僕」として、ネコヤナギになぞらえたとすると、「たんぽぽ」側の目線とネコヤナギ側の目線から描かれた2つの物語が思い浮かびます。

こちらも明るいメロディで、爽やかな曲です。

***

「さよならなんて云えないよ」小沢健二

3曲目は、歌詞をちゃんと聞いた時に、とても好きな曲になりました。

まず、一番感動したのが、

そして静かに心は離れてゆくと

という歌詞です。その理由は後で書きます。
そこから、全部の歌詞をちゃんと聞いて、物語が浮かんできたのです。そして、脳内映画が1本できました。

舞台は海辺の街(神戸とか横浜とかお台場とか都会の海ではない)。主人公はこれといって目立たない、普通の高校生。たわいもない、どこにでもありそうなエピソードの数々、苦々しい思い出も、大人になってみれば懐かしい思い出・・・といった物語が脳内上映されました。

最も映像が浮かんでくる部分の歌詞が、

左へカーブを曲がると光る海が見えてくる
僕は思う この瞬間は続くと いつまでも

のところです。
作者がどの海を思って書いたかはわかりませんが、私が思い浮かべた光景は、坂道を自転車で下っていくとカーブを曲がったところで、ぱ~っと海が開けてみえる。水平線が見えるくらい広がる海の水面が、午後の光を浴びてキラキラと光っている。爽快感と感動の感情は目の表情でわかる。海を右手に風をきって走る自転車。というシーンを想像しました。

左へカーブを曲がると

のところは、本当にカーブをまがるって感覚を感じさせるリズムとメロディで、自転車がカーブをまがるスピードまで思い浮かべることができます。

最後に、一番感動した部分について、

そして静かに心は離れてゆくと

の部分に感動した理由は、こんな言葉の表現があったか!という驚きがあったからです。私の脳内映画のラストはこの歌詞で締めくくられます。

学生時代を共にした友人たちと、卒業してしばらくは続いた交流も、なんともなしに疎遠になっていくことはよくあること。何か決定的なことがあったわけでもなく、それぞれ別々の生活があって、大人になってかわっていく中で、なんとなく、いつのまにか疎遠になっていく。そんな状況を表すのに、ぴったりな言葉です。

この曲は、物語だけでなく、情景まで浮かぶ1曲です。



以上、物語が浮かぶ私の好きな曲3選でした。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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好きなものを語るのは、相槌をうつ相手におしゃべりで伝えると饒舌になりますが、文章でというのは難しかったです。
何度も書き直して時間がかかり、もう諦めようかと思ったりしました。
でも、フェスにちょっとでも参加した感を味わいたくて、投稿しました。

見出し画像イラストは、「甘いメロディ」by犬のしっぽヤモリの手です。

<© 2021 犬のしっぽヤモリの手 この記事は著作権によって守られています>

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