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短編小説 第二章 二百万

第一章の内容はこちら↓ https://note.com/yamiyami892/n/n7b6f6f33bb10 第二章 あれから一年半もの月日が経ち、貸した額は二百万にのぼっていた。気づいたら、彼は私と付き合うことになり、不安も無くなり、彼のことを信頼に足る人間としてみていた。 大学の教科書代と、食費、光熱費といった理由で 更に十万が必要になっている今の局面に頭を悩ました結果、借金をすることに決めた。さすがにきついので、彼のほうのバイトのシフトをもっと多く入れてもらえな

    • ユング心理学のタイプ論

      何もしていないと余計なことを考えてしまう未熟者なので、文字を書きます。最近ユング心理学のタイプ理論について学ぶ機会があり、自分自身のことを分析しました。良い機会に恵まれて幸せです。 MBTI診断をより細かくしたもので、私はINFJ、ユング心理学タイプ論でいうと、内向直感補助感情という分類でした。 例えば、「水持ってきて」と言われたらこの内向直感補助感情の人は、「水ってどこにあるんだろう、お湯のこと言ってたらどうしよう」などと考えてしまうそうです、まさしく私のことです。 自分

      • 久しぶりの投稿

        久しぶりに文字を書きたくなりました。近況は落ち着いた日々を過ごしています。うつ症状はよくなりました。去年は色々ありました。仕事も勉強も恋愛も悩みました。月並みに、今となっていい経験だといえるようになりました。 最近、「自分で自分のことを評価することより他人の評価があってこそ、自分のことがわかるのではないか」という哲学っぽいことを考えています。 自分のことを自分で評価している以上、「どうせ自分なんか」と制限してしまう。だから、他人からの評価を聞いてはじめて、気づくものがあった

        • 【詩】夏の本

          夏のにおいに青さを思い出す うつむいたまま 本を読み続けて 蒸した空に降るのは文字ばかり 青に伝えたいこの世の広さを

        短編小説 第二章 二百万

          【夢日記】蓮と緑

          私は緑をみていた。 蓮の葉が浮く大きな池のほとりを歩いていた。 私のそばには長年私に仕える執事がいたのだ。 それをうっとうしく思う私は、足早に歩みを進めた。 十分に離れれば離れるほど執事は小さくなっていった。やがて池の対角線上に執事を見るほどに離れたところでそうした様子を横目に見ながら私は祖父の家に向かっていた。 祖父は聡明な方で、威厳があった。 私は、少しこそこそとしながら祖父と会うことに、どうも高揚していたように思える。 祖父の家に入り、挨拶を済ませたところで、ゆっくり

          【夢日記】蓮と緑

          【短編小説】知らない約束

          神様がいました。 そこには今に倒れそうな神様がいました。 しかし神様は、厳かで、そこに佇みます。 そっと私にお近づきになり、じっと見つめます。 少しして、 神様は病気になり、私は、心配をします。 神様は恐ろしい何かに取り憑かれそうになってもがきはじめ、私は、心配をします。 神様は、傍にあった電柱に頭をぶつけ、悶絶し、私は、心配をします。 神様は、今度は猫を見つけて追いかけて、しばらくして寒さに凍え、私は、心配をします。 しかし神様は、万能でした。 この世のす

          【短編小説】知らない約束

          【短編小説】第一章 四十五万

          第一章 四十五万円という私にとっての大金を他人に貸した。 詐欺かもしれないわけだから帰ってくることはないと考え不安に陥った。況してや、贈与したという証明書もないし、無利子無期限で貸した。しかし、それほどのことをしてしまうほどに信用のある人間とでもいえる。兎に角、私は焦りさえ感じる行為をしたのはらしくないし、誰に公開するわけではないが、世間的にもどうなのか気になるところなのだ。 ◯ 貸した人間を、いわば監視とも思えるような連絡のとりかたを常日頃から行っていた。返してもらえ

          【短編小説】第一章 四十五万