芸人さんを知った話

私は今までなんとなくお笑いというものが苦手でした。もしかしたら同じように感じる人もいると思いますが、キツい言葉で大きい声で時には叩いて笑いをとる...何が面白いのかなと思っていました。
でも、本当はそうではなかったのかもしれません。

私はフリーターの女です。
本当はやりたい事があるのだけれど不器用なあまりバイトとやりたい事の両立というものが出来ず、バイトの方に集中してしまい本当はやりたくない方に体力もメンタルも持っていかれてやや抑うつ状態のまま数年間過ごしています。
情けないな、潔く諦められればいいのに、とも思いますが、もしこのまま死んだら後悔する人生になって成仏できんと考えてしまい諦められずにいます。しんどいな。めんどくさい性格だよな。 

そんなめんどくさい人間なので、仕事への緊張感とストレスを密かに感じたまま表情筋が終わっている生活を送っていました。そもそも笑いの沸点が低ければ愛想笑いも苦手な女です。顔の筋肉が終わってそう。

そんな時に出会ったのがYouTubeでのすゑひろがりずのゲーム実況動画です。去年たまたま見かけてその時にはこんな面白い芸人さんがいるんだなぁと時々動画を漁る程度でしたが、今年に入り年末年始のハードな仕事が終わったあと燃え尽き症候群のようになっていたところでまたなんとなく見はじめました。上記の理由もあって彼らの笑いの熱が私の疲弊した心に染みたのかもしれません。
すゑひろがりずのチャンネルには彼らの漫才やコントの動画もあげられています。久々に笑いました。
本当に面白いなこの方達は。

そこから、マヂカルラブリーや大宮セブンの動画も漁りだしました。ネタの中に面白さと同時に良い意味で狂気も感じてなんだかグッとくるものがありました。

大宮セブンとは腕はあるけれどなかなか日の目を見なかった芸人さん達が集められた彼らいわく暗黒集団らしいですが、夢半ばの私には良い意味で諦めの悪い酸いも甘いも苦いも知ったかっこいい集団に見えました。


そしてもう1つ、『お笑い能力測定会~南條編~』という舞台を動画配信で見た時、イベントが初まる前にMCの好井さんが、「初めて見る人には面白くない時間がずっと続く場合もありますが、彼らが笑っている時は面白いと思っているんだと思ってください」といったようなことを話していて、私はここでハッとしました。
芸人さん達は、そういうのも分かっているんだ。
何が面白いのかと斜に構えた見方をしていた自分は本当に失礼な見方をしていたなと。そりゃそうだ。
そもそもお笑いを知らないにわかが何を面白い面白くないと判断して見ているんだ、という感じですよね。
とある番組で有吉さんが言っていた、「インターネットで叩いてる人のアカウントを見に行くとそいつ全然つまんねぇの」って。そういう人と一緒なのかもしれません。
社会人になって歳重ねていくと自然と自分の価値観や感受性が凝り固まっていってどんどん視野が狭くなっていきそうで、本当にこういう見方は良くないや、と思いました。

アイドル、ゲーム、アニメや漫画が好きな根っからのヲタクの私には芸人さんの世界は新境地でした。ファンを笑顔にしたいというアイドルと人を笑わせたいという芸人さんは通ずるものがあるなと思いました。どちらも尊い仕事です。
久しぶりに腹から笑うと心が癒されて少し気持ちが楽になりました。私の人生に足りなかったのは笑いなのかもしれません。
そこから私はメンタルケアをするような気持ちでお笑い番組や芸人さんのYouTubeチャンネルを見るようになりました。

きっとたぶん本当は必要だった存在なのかもしれません。すゑひろがりず、ありがとう。











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?