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インムに人生壊されました

インムって何?ってのは多分この記事を見ている時点である程度理解しているはずなので省く。
このインターネットミームの悪い所は山ほど書かれていると思う。ただ自分の場合はこれとの触れ合い方が多少独特だと思ったのと、そのうち忘れてしまいそうなので書き残そうと思った次第。

①インムは悪くない
まずはヤジュセンの一言から。
 イキスギ
こんなしょうもない一言を取り上げてこれを面白いと茶化した奴が悪い。それを他の視聴者に広めた奴も悪いし、一連の流れを見てふとした瞬間ゲイポルノビデオって面白フラッシュ倉庫に近いかもしれんと気付いた奴も悪い。成り立ちや順序はどうであれ、インムをインムたらしめたのは我々の方なのだ。そんで自分はインムに魂売った人間の『きっっったない素材を調理して美味しく見せる魔術』にどっぷりハマっていたわけ。気が付けば動画サイトで例のアレタグを巡回する異常者の出来上がり。インムを恨むな、インマーを恨めと常々自分に言い聞かせている。

②インムサーバー
自分の場合はこれが発端で脳を壊され始めた。
今の時代インムサーバーと言えば「discordでインムについて語ろうぜ!」という実に前向きなお茶会が開かれていたりするらしいが、PCゲーム界隈でのインムサーバーはそれとは別。
ここでのサーバーとは、有志によって作られたゲーム上のマルチプレイ用の箱庭。家庭用ゲーム機で言う"部屋"の概念に近いが、大きな違いがある。PCで遊ぶゲーム(のちょっと古めなタイトル)は、サーバー管理者がその箱庭を自由に改築できてしまう。やりたい放題なので、使っているキャラクターの性能を変えたり、キャラの姿を変えたり、ゲームのルールから変えてしまったり。『本来銃撃戦メインのゲームで、有志作成のメイドインワリオのミニゲームが遊べる』なんて言えば雰囲気は伝わるだろうか。
そんな自由な風土の中で出来上がったのがインムサーバーである。何を思ったかは知らんが、サーバーの管理人はインムの箱庭を用意してしまった。ただこれは意外にもストイックな空間で、ゲームプレイに関する大きな手入れはマップの追加くらいしか無かった。そのマップもネタに走っているわけでなく通常プレーの延長といった感じ。一般的なカスタムサーバーと遜色ない空間だったのだ。
ただ一つ、saysoundという機能が付いている点を除いて。

③インム語録の海
このsaysound、知ってる人からすると何を勿体ぶってるんだと言われてしまうだろう。別にインム独自の文化でもないが、インムとのシナジーはマジで害悪だった。
saysoundとはチャットにインム語録を意味する文字列を入力することで、サーバー上の接続者全員にその音声が自動再生される機能である。
例えば [ikisugi] と入力して送信すると、サーバー全員(最大32人)の鼓膜に聞き覚えのあるヤジュセンボイスが届けられる。
この機能は参加している32人全員に、平等に、その機会が与えられた。
ん~ありがたい。

そもそもインムなんて知らん頃にこんな感じのお上品なサーバーに迷い込んだのだが、「サーバー名の"INM"ってなんだろう?調べてみるか…」とか思ってしまったのが運の尽き。気が付けば語録を覚えて対応する文字列も覚え、脳の容量の半分くらいを持ってかれてしまった。半分どころじゃないかもしれない。
それから耳からクソみたいな情報(文字通り排泄音も再生できる)しか入ってこん語録の海に身投げして長い時を過ごす。
プレイ時間で計るのはアレだが、恐らく実プレイ時間で1500hくらいインムのドブに浸かっていた。超健常者向けゲーム代表のモンハンに3000h溶かすのとインム音声の濁流で1500h溶かすのと、どっちが人間的か考えてみてほしい。

④聴覚異常者養成場
このインム音声源泉掛け流しシステムのお陰で一時期身内の声が思い出せないこともあったし、自分の声も正しく認識できなくなっていた。生身の人間の発する声がインム語録ではないという事実に対して疑念が生じていた。

ところでこのインムサーバー、色々なゲームでインムの輪を広げているのだが、ゲーム毎でsaysoundを使っても多重再生された際の挙動が異なる。
自分が愛していた Team Fortress 2 というゲームでは、ある程度音声が重なっていくとクソうるせえのは当然で、何故かガビガビと音割れし始める。そして限界を超えるとガビガビした音が断片的にしか聞こえないような状況になる。
この状況が非常に心地よく、情報量の多さに圧倒されて、自分だけじゃなくゲーム側も限界に達しているんだなぁという感覚。
世界一幸せな音割れ体験。
勿論インスタントな幸福にはリスクがある。普通に耳がおかしくなる。お陰で耳鳴りが悪化して永遠に高域周波数の何かが聞こえるようになった。インムからの贈り物か?悪質インマーの電磁波攻撃かもしれん。
どっちにしろ、身体にインムが刻まれたヤベー奴ってことを何時でも自覚できる便利機能が身に付いた。

⑤インムとの付き合い方
大失敗した。程よく距離を取っておくべきだった。
「インムいいよねインム俺も好き!」
というようなピュアな心で楽しむもので、そこに日常や快を求めてはいけなかった。脳にインム受容体が形成され、四六時中貪るようになる。
結局、最底辺のミームを食べたが最後、その後モグラ系大物Youtuberを食べたり愛知県岩倉市の糖質マスコットを食べたり、平気でしょうもないコンテンツを拾い食いする癖がついた。食べたモノで身体はできるので、健やかな自我がデトックスで体外に排出され、純度の高いゴミに仕上がっていった。

⑥今
今でこそ同年代インマーが減ってきたのと自分にゴミを食わせる時間が無くなって落ち着いたが、数年後には薄汚い老人ホームにぶち込まれてインムのイの字も知らん若造にsandstormなど聞かされる日々が待ってるだろう。若き日の記憶を刺激するためにインム語録を復唱させられる第二の人生、あまりにも輝かしい。

「インムやってたのに大成功しました、年収9999万」みたいなルートに入っていたら紙媒体で出すつもりだったのに。結局インムやって落ちぶれたマイノリティの中の一般人に落ち着いてるところが一番虚しい。

⑦明日

『インムに人生ぶっ壊された、誰か助けてくれ』

そう願って手を伸ばした先にあるのもまたインターネットミームなので凄い

⑧好きなsaysoundランキング
1. simamusi
2. sikomi
3. mesyo
4. iiwaiiwa
5. kobosuna

以上

いつでもお待ちしております