「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。(第2回)

「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
の感想を書きます。

1位 文章はシンプルに

タイトルを見たときは信じがたかったですが
(丁寧に書いた方が良い場合もあるはずなので)
読んでみると、変でなかったです。

なくても意味が通じる言葉を削る

P. 18

とのことで、「本当に無駄な」言葉を削るとのことです。
例として示されている
「新型コロナウイルスというものは」→「新型コロナウイルスは」 も秀逸で分かりやすいです。

ただ、その後に書いてある「削りやすい言葉の候補」は、初心者にはやや危険かと感じました。
削りやすい言葉として、1番目に接続詞を、2番目に主語を紹介していますが、どちらも省略の推奨は危険かと思います。

接続詞では逆接の「しかし」も削りやすい言葉として紹介していますが、なれ無いうちは逆接は書いた方が良いと思います。文意が逆転するのに逆接を置いてない文章は読みづらくなりがちです。

また、主語の省略もかなり危険です。主語が省略されているときは、読者が主語を想像して読みますが「多くの読者がどの様な主語を想像するか」を予想するのは難しく、失敗する人が多いです。

好ましい一文の長さを数字で具体的に紹介しています。(具体的な数字は本書でご確認ください)
適切な長さの判断は難しいと思いますが、頑張って具体的な数字を書いているあたりは評価できます。
本書は、基本的に文を短くすることを勧めていて、その方法には「不要語を削除する」と「文を分ける」があります。分ける方に関しては井上ひさし氏の

分けて分けて分けて、単純にして、それをつないでいけばいいんです。それが基本です。

P.22

という文を引用し紹介しています。
私はあまり賛同できません。関連することはまとめた方が良いことも多いと思います。
井上ひさし氏が得意なTVの劇などに適した書き方ではないでしょうか。

ワンセンテンス・ワンメッセージの推奨もあります。一つの文(センテンス)には、1個のメッセージしか入れない)ということですが,これもあまり賛同できません。P.24, 25に例に示されている「良い例」は文章よりは箇条書きに近くなっており,適切な感じはしません。

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