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2024-03-21 12の秘密

●LEAF 0899 12の秘密

カンブリアンゲーム(ニューイヤーカンブリアン2024)

人間は洋の東西を問わず「12」という数字に支配されている。

年月、時間において、1年は12ヶ月、1日は24時間( =12時間×2)で午前、午後それぞれ12時間、1時間は60分(12×5)、1分は60秒(12×5)といった具合で、12がベースになっている。実は1年が12ヶ月なのは、暦を知る上での重要な「月」の動きに関連しており、月が地球を1年間にほぼ12回転することからきている。古代の人々は自然を観察する中で、こうした事象を認識し、「12」という数字に自然に特別な意識を持つようになった。即ち、古代において、天体の運行を観察する中で、1年を12の月に分けることが行われ、この12がそれ以外の生活のいろいろな場面で使われるようになったと考えられている。1日が午前、午後それぞれ12時間になっているのは、古代エジプトの時計が日時計であり、1日を昼と夜の12時間に分けたことからきている。

新約聖書では、キリストによって特別の伝道の使命を与えられた12人の使徒がいる。ペテロ、アンデレ、ヤコブ(大ヤコブ)、ヨハネ、ピリポ、バルトロマイ、トマス、マタイ、ヤコブ(小ヤコブ)、タダイ、シモン、ユダ(『新約聖書』マタイ伝第十章)。最後のユダ(イスカリオテのユダ)はイエスを裏切ったので後に十二使徒から外され、替わりにマッテヤが入る。なお、12という数は、神の民であるユダヤ人は12の部族からなるとされていたので、それを反映していると言われている。


音楽では曲集が12の曲で構成される場合が多いです。そういえば、2011年に「ドリトル」でプログラミングして制作したアルバム『Palindrome』もサブタイトルが「二声の回文的カノンによる12の変奏」です。

私の大好きなクロード・ドビュッシーの作曲した「ピアノのための前奏曲( Préludes)」は、12+12=24 という構成になっています。

Book 1:
00:00 - 1. デルフィの舞姫
03:33 - 2. ヴェール(帆)
07:59 - 3. 野を渡る風
10:05 - 4. 夕べの大気に漂う音と香り
13:59 - 5. アナカプリの丘
17:30 - 6. 雪の上の足跡
21:49 - 7. 西風の見たもの
24:59 - 8. 亜麻色の髪の乙女
28:06 - 9. とだえたセレナード
30:32 - 10. 沈める寺
37:52 - 11. パックの踊り
40:26 - 12. ミンストレル
Book 2:
42:46 - 1.
46:12 - 2. 枯葉
50:02 - 3. ヴィーノの門
53:07 - 4. 妖精たちはあでやかな踊り子
56:18 - 5. ヒース
59:21 - 6. 奇人ラヴィーヌ将軍
1:01:51 - 7. 月の光が降り注ぐテラス
1:06:16 - 8. 水の精
1:09:37 - 9. ピクウィック殿をたたえて
1:11:58 - 10. カノープ
1:15:06 - 11. 交代する三度
1:17:47 - 12. 花火

最晩年のピアノ曲、「ピアノのための12の練習曲(Douze Études pour piano)」も 6+6=12 の構成になっています。

Book 1
00:00 I -五本の指のための練習
03:07 II - 三度のための練習曲
06:47 III - 四度のための練習曲
11:42 IV - 六度のための練習曲
15:32 V - オクターヴのための練習曲
18:26 VI - 八本の指のための練習曲
Book 2
20:04 VII - 半音階のための練習曲
22:15 VIII - 装飾音のための練習曲
27:19 IX - 反復音のための練習曲
30:24 X - 対比的な響きのための練習曲
36:06 XI - 組み合わされたアルペッジョのための練習曲
40:34 XII - 和音のための練習曲


オクターブは12個の音で構成される。例えばピアノの場合、黒鍵と白鍵を合わせて12枚の鍵盤が1オクターブに含まれる。長音階短音階はそれら12個の音を基音にして構成される。従って調性の数はこれら12音を基音に長音階と短音階があるので合計で24個ある。なお、このような調性を無視してすべての音を平等に扱う音楽を十二音音楽という。

1オクターブはなぜ12音なのかの説明は、なかなか難しい。


十二音技法は、西洋音楽の12音律におけるオクターヴ内の12の音高ピッチクラス)(平均律には限定されない)を均等に使用することにより、調の束縛を離れようとする技法である。十二音技法による音楽を一般に十二音音楽と呼ぶ。一般に無調の音楽の一つとされるが、十二音技法を用いることにより一種の調にも似た統一感が得られるので、パウル・ヒンデミットのように十二音技法を一種の調であると主張する専門家もいる。この技法の原型は、ヨーゼフ・マティアス・ハウアー1919年に著作で発表した「トローペ」と呼ばれる音列技法である。その他ではロシアのニコライ・オブーホフがシェーンベルクより5年前(1916年)に発表したピアノ曲「インヴォカシオン」IとIIで十二音技法の曲を作っている。さらに遡ると、ウェーベルンが作曲した作品11の「チェロとピアノのための3つの小品」(1914年)が原型であるという説もあり、これが現在最有力となっている。

トータル・セリエリズム(Total serialism)は、音高だけでなく、音価・強弱・アタック・音色なども厳格に音列技法によって統治する作曲法である。日本語で「総音列技法」「総音列音楽」とも言う。トータル・セリエリズムは、ヘンリー・カウエルなど何人かの作曲家が予言していた手法であったが、ルネ・レイボヴィッツ十二音技法の音高操作の欠陥を指摘してから、飛躍的にトータル・セリエリズムへの期待が高まった。そして、オリヴィエ・メシアンが「4つのリズムのエチュード」の第2曲「音価と強度のモード」(1949年)でその可能性を編み出した。

現代音楽は色々の調性の試行錯誤だったことがわかります。


私がやっているような「プログラムを書いて楽曲を生成」すれば、トータル・セリエリズに近いようなものを簡単に作ることができる。

2012年に制作したアルバム「One​-​Liner​-​Music」は、1行140文字以内でどの程度までの音楽を生成できるかを実験したアルバムです。

最初のトラック「ピ​ア​ノ​の​た​め​の​響」では、音程(12音階)・音量・発音タイミング・休符の長さをランダムにしてみました。

System.RandomSeed=20120825
v.Random(40)
t.Random(4)
[(24)
  'n(Random(60,84)) n(Random(60,84))'
   [(Random(8,20))r]
]


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