見出し画像

2024-02-29 天王星の環

●LEAF 0694 天王星の環

カンブリアンゲーム(ニューイヤーカンブリアン2024)

天王星(Uranus)は、太陽系第7惑星である。太陽系の惑星の中で木星土星に次いで3番目に大きく、木星・土星・海王星に次いで4番目に重い。1781年3月13日、イギリス天文学者ウィリアム・ハーシェルにより発見された。

天王星は、おそらく太陽系で最も奇妙な惑星だ。この氷の巨大惑星は、ある時点から横倒しになり、そのまま横向きに自転している。そして、十数本の環が周りを取り囲み、27個の衛星が周囲を回っている。人類が天王星を間近で観察したのは1986年に惑星探査機ボイジャー2号が接近したときの1回だけで、科学者たちはこのミルキーブルーの惑星について、少数の興味深い事実以外ほとんど何も知らない。しかし今、そんな状況が変わろうとしている。

NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の画像が一段と強化されて2023年12月18日に公開された。氷のように青い天王星の姿を驚くほど詳細に見ることができる。その画像には、これまで撮影困難だった環や、大気の嵐、そして27個あるとされる衛星のほとんどが写っている。

27個あるとされる天王星の衛星だが、2023年に28個目の衛星が発見された。


惑星と言えば、イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストの作曲した管弦楽曲惑星』が有名だ。この組曲は7つの楽章から成り、それぞれにローマ神話に登場する神々にも相当する惑星の名が付けられている。
この作品は惑星を題材としているが、天文学ではなく占星術から着想を得たものである。地球が含まれないのはこのためである。西欧ではヘレニズム期より惑星は神々と結び付けられ、この思想はルネサンス期に錬金術と結びついて、宇宙と自然の対応を説く自然哲学へと発展した。この作品は、日本語では「惑星」と訳されてはいるが、実際の意味合いは「運星」に近い。それぞれの曲の副題は、かつては「…の神」と訳されていたが、近年では本来の意味に則して「…をもたらす者」という表記が広まりつつある。かねてよりホルストは、作曲家アーノルド・バックスの兄弟で著述家のクリフォード・バックスから占星術の手解きを受けており、この作品の構想にあたり、占星術における惑星とローマ神話の対応を研究している。

作曲時期は1914年から1916年。当初は『惑星』としてではなく『7つの管弦楽曲』として作曲が開始された。これはアルノルト・シェーンベルクの『5つの管弦楽曲』に着想を得たものといわれている。まず「海王星」以外の6曲はピアノ・デュオのために、「海王星」はオルガンのために作曲された。

天王星は第6曲。原題は「Uranus, the Magician」で、次のような構成になっている。

  • Allegro - Lento - Allegro - Largo

スケルツォに近い曲。主に6拍子で、デュカスの『魔法使いの弟子』に影響を受けたといわれる。また、冒頭の印象的な4音(下譜面を参照。G, Es, A, H)は、ホルストの名前(Gustav Holst)を表していると言われ、曲中にも執拗なまでに取り入れられている。

オーケストラ版の全曲を聴いてみましょう。

こちらは、カラヤンが指揮するベルリンフィルの録音。

パイプオルガン版の「惑星」もいいですね。

「惑星」といえば、何と言ってもシンセサイザーの冨田勲でしょう。『惑星』は、冨田勲シンセサイザー音楽としての4作目のアルバム。日本では1976年12月20日に発売された。
本作品は「宇宙3部作」の第1作にあたる。原曲にはないストーリー性が与えられており、無線通信音声の付加、「天王星」と「海王星」との重ね合わせ、最初と最後にオルゴールで鳴らされる「木星」第4主題などの構成上の工夫も見られる。ただし、「天王星」と「海王星」との重ね合わせなどの工夫は、当時音楽メディアとして主流であったLPレコードでの収録時間の限界(約54分)という制約から、時間内に収めるために、やむをえず行われたという側面もある。1977年2月19日付けのビルボード(クラシカル・チャート)及び同月28日のキャッシュボックスでそれぞれ1位にランキングされた。

冨田勲の「惑星」には様々なバージョンがあります。

1976年のLPレコード。

1976年の4チャンネルステレオ版というのもあります。

Remaster版。

2011年の「Ultimate Edition」。


ホルストが「惑星」の着想を得たというアルノルト・シェーンベルクの『5つの管弦楽曲』。この作品は、ベルクの『管弦楽のための3つの小品』や、ヴェーベルンの『管弦楽のための6つの小品』、ホルスト組曲『惑星』などに影響を与えた。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?