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2024-03-20 バリ島のガムラン

●LEAF 0890 バリ島のガムラン

カンブリアンゲーム(ニューイヤーカンブリアン2024)

インドネシアのバリ島はガムランで有名だ。バリ島の祭礼や儀礼には、必ず舞踊が伴う。そうした舞踏・音楽芸能についていえば、舞踊芸術のケチャレゴンバロン・ダンス、憑依舞踊のサンヒャン・ドゥダリ、そして、これらの伴奏にも使われるガムランやジュゴグ(竹のガムラン)がよく知られている。

私が初めてガムランを聴いたのは、1968年(昭43)11月29日に国立劇場で開催された「アジア民俗芸能祭」だったと思う。昭和43年は、明治百年記念の芸術祭イベントがたくさんあった年だったのですが、「アジア民俗芸能祭」は文化庁が主催したもので、東京国立劇場で4日間にわたり開催されました。

日本の伝統的な音楽や芸能をめぐる歴史の中で、1960 年代~70 年代という時代は非常にエネルギー溢れる時代であった。 国の政策としては、1968 年に文部省の外局として文化庁が設置され、以後、文化庁は国内文化の振興・文化財の保護とともに海外との芸術交流事業を行う日本の窓口の一つとなった。特に民俗芸能とアジアの伝統芸能の交流がこの時期に盛んに行われ、例えば、文化庁系列では、同年「第 1 回アジア民族芸能祭」を開催、また1977 年より「日本民謡まつり」を継続的に開催しており、これらは新たな時代の幕開けとして好評を博した。

1960 ~ 70 年代のアジアの伝統芸能との出会い :民俗芸能公演と音楽教育の視点から

私は招待券を申し込んだようで、この11月29日の招待券(Bプログラム)は芸術祭執行委員会(NHKかもしれない)から居住先へ郵送されてきたものです。

アジア民俗芸能祭 招待券

この頃、現代音楽と邦楽にすっかり魅了されていた私は民俗音楽にも興味を持つようになり、小泉文夫さんが解説するNHK-FMの「世界の民俗音楽」も毎週聞いていました。そんなこともあって「アジア民俗芸能祭」は、生で民俗音楽が聞ける絶好の機会だと考え、招待券を申し込んだのだと思います。
このプログラムで解説文を書いているのは、日本で初めて東洋音楽を研究した田辺尚雄さん。プログラムにはその要約のような内容が載っています。

アジア民俗芸能祭 プログラム

プログラムはどれも興味深いものだったのですが、私が最も感動したのが「インドネシア・ガメラン音楽舞踏団」の演奏だったです。

B プログラム

この時、初めてガムランの音を聞いたのですが、以来、ガムランが大好きになり、50年後に音楽プログラミングを始めた時(実験音楽工房)にもガムランを素材にした曲をいくつか書いています。

ガムランインドネシア語: gamelan)は、東南アジアインドネシアで行われている大・中・小のさまざまな銅鑼や鍵盤打楽器による合奏の民族音楽の総称である。広義では、インドネシア周辺のマレーシアフィリピン南部スールー諸島などの地域の類似の音楽をも含める場合がある。欧米や日本などでは、ガムラン音楽 (Gamelan music) とも呼ばれる。


ガムランは二極対立的なインドネシアの宇宙観を反映した音楽構造をもっている。例えば、AのパートとBのパートを組み合わせると、Cという本来の旋律が浮かび上がる。このガムランの基本的な演奏技法をコテカン(kotekan)といい、ほぼすべての楽器に及んでいる。

1968年に国立劇場で開催された「アジア民俗芸能祭」の50年後の2018年に試してみたのが、コテカンのパターンで音楽を作る実験です。

サンシとポロスの32拍のリズムパターンを定義する方法を考えてみました。

// Kotekan
Str S_H="10100100100100100100100100100100"
Str S_L="01001001001001001010010010010010"
Str P_H="00010010010010010001001001001001"
Str P_L="10100100100100100100100100100100"

この32拍の4つのパートの音列を作り、これを4回繰り返したフレーズを作る。このフレーズを異なる音列と速度で8つ旋律ができるようにし、これを各々異なる楽器の組み合わせで演奏させてみる。

// KOTEKAN No.1 

System.RandomSeed=(2018-1)
Array SC=("c","e","f","g","b")
Str S_H="10100100100100100100100100100100"
Str S_L="01001001001001001010010010010010"
Str P_H="00010010010010010001001001001001"
Str P_L="10100100100100100100100100100100"
Int i Int Gm_1 Int Gm_2

[8
 #M1="l16 o6" #M2="l16 o5" #M3="l16 o5" #M4="l16 o4"
 i=1
 [32
  IF (MID(S_H,i,1)="1") {#W=SC(Random(SizeOf(SC)))} ELSE {#W="r"} #M1=#M1+#W
  IF (MID(S_L,i,1)="1") {#W=SC(Random(SizeOf(SC)))} ELSE {#W="r"} #M2=#M2+#W
  IF (MID(P_H,i,1)="1") {#W=SC(Random(SizeOf(SC)))} ELSE {#W="r"} #M3=#M3+#W
  IF (MID(P_L,i,1)="1") {#W=SC(Random(SizeOf(SC)))} ELSE {#W="r"} #M4=#M4+#W
  i++
 ]
 Gm_1=RandomSelect(10,12,13,14) Gm_2=RandomSelect(10,12,13,14)
 Tempo=RandomSelect(30,45,60,75,90)
 TR=1 @(Gm_1) P(64-48) v.Random(40) q(200) [4 #M1] "r4"
 TR=2 @(Gm_1) P(64+16) v.Random(40) q(200) [4 #M2] "r4"
 TR=3 @(Gm_2) P(64-16) v.Random(40) q(200) [4 #M3] "r4"
 TR=4 @(Gm_2) P(64+48) v.Random(40) q(200) [4 #M4] "r4
] 

8つ旋律に合わせて変化する美しい海辺の画像は、夜光虫で有名な「三瀬海岸」とその周辺の海岸です。

サクラに曲の投稿用の掲示板があるので、「KOTEKAN No.1」を投稿してみました。

KOTEKAN No.1

MIDIファイルの再生や共有ができる「Picotune(ピコチューン)」というサイトがあります。「KOTEKAN No.1」のMIDIデータを投稿してみました。


「KOTEKAN No.1」は、曲を制作した2018年から4年後の2022年に開催した「K×I×Y 三人展 vol.3 時の覚醒」のインスタレーション用の曲にも使いました。

00:00 時の断片 1964
04:06 夢は心の中に
09:05 戌の舞
11:22 吉野の山
13:19 秋月春風
15:00 KOTEKAN
19:49 SoundScape 2021
22:11 三声の賛歌
25:28 ニッチマン unlimited


バリ島はアジアの有名な観光地。一度は行ってみたかったです。


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