2024-01-21 ヒルカラ
●LEAF 0292 ヒルカラ
カンブリアンゲーム(ニューイヤーカンブリアン2024)
尺八古典本曲「雲井獅子」は、獅子物の一種。九州地方、とくに博多の一朝軒で盛んに吹かれていた。本曲の中では外曲とされる。午前中は修行や法要などで儀礼的な曲しか吹くことが許されず、お昼過ぎからしか吹かれなかったことからヒルカラの曲ともいわれる。
琴古流の雲井獅子は3種類あり、①初代琴古が目黒獅子から雲井調へ移調した曲と言い伝えられるもの。②同流竹友社の一朝軒雲井獅子は初代川瀬順輔が博多一朝軒に伝来していた曲を琴古流へ移入したもの。そして、③栄獅子を初代琴古が雲井調に移した雲井獅子(雲井栄獅子、双調獅子)である。
次回の「佳興の会 邦楽ライブ」では、竹友社の楽譜で演奏したいと思っています。
竹友社の始源は今から約130年前の初代川瀬順輔の時代に遡ります。初代川瀬順輔は今の山形県、羽前水野藩の士族川瀬賢造の長男として明治2年10月10日に生まれました。17歳の時、虚無僧の門付けに感激して入門し、その後21歳の時に上京して二代荒木古童(竹翁)に習い、一度帰郷しましたが尺八家として生きていくべく明治26年に再び上京し、東京音楽学校教授であった上原六四郎師にも師事しました。
明治35年東京に道場を開き、上原師から学んだ点符式楽譜を基とする新たな楽譜(これが現在の竹友社の楽譜に繋がります)を刊行し、これにより竹友社の組織が確固たるものとなりました。
羽前水野藩は幕末の山形藩主。初代川瀬順輔は山形と所縁があります。
古典本曲(琴古流) 演奏:山澤昭彦