2024-04-02 M1
●LEAF 1034 M1
カンブリアンゲーム(ニューイヤーカンブリアン2024)
M1は、1988年5月発売。61鍵。PCM音源と独立2系統ステレオ・デジタル・エフェクター、8トラックの内蔵シーケンサーを搭載している。鍵盤は、ヤマハからOEM供給を受けたFS鍵盤をコルグのシンセサイザーで初めて採用した。最大同時発音数16音。マルチティンバー 8トラック 波形容量 4MB(16bitサンプリング) 定価248,000円。普及価格帯に現れた完全なPCM音源としては最初期の製品であり、出音のリアルな響きに数多くのミュージシャンが驚愕した。数式の計算のみで出音を生成するFM音源よりも音色変化の幅に乏しいが、生音の再現に優れ、音色作成が容易であることから、1990年代初頭までにはFM音源が中心であったシンセサイザーの勢力図を完全に塗り替えた。
音源部はPCM音源を採用し、その仕組みは実際に録音した生楽器の音をROMに収録し、各音程に割り当てる仕組みである。これによって従来のシンセサイザーが苦手とした複雑な倍音変化を克服し、非常にリアルな楽器音を再現することができた。同時期にはローランドD-50など音源の一部にPCM音源を使った製品もあったが、収録された音の質と量ではM1が圧倒していた。拡張スロットも波形専用とプログラム等が利用出来る専用スロットが、各1つずつ装備されている。収録された音には楽器音の他に「Lore」、「Universe」といった従来のシンセサイザーにはなかった独創的な非現実音も含まれていたほか、「Piano 16'」は本物のピアノとはひと味違った鋭いアタックと抜けの良さにより多用され、「M1ピアノ」と呼ばれるほどの個性を確立した。
KORG Legacy Collection DIGITAL EDITION は、2005年発売。M1EXをソフトウェア・シンセサイザーとしてシミュレート。その他、ベクトル・シンセシスシステムのソフトウェア音源WAVESTATIONや、マルチエフェクト・プラグインのMDE-Xを含んだパッケージとなっている。波形だけでなく、プリセットのライブラリや当時別売りオプションだった波形/ライブラリも網羅するボリュームで、音色管理やエディット、ブラウズや音色検索など、PCならではの使い勝手も特徴。現在はKORG Legacy Collectionのダウンロード版の1つとしてラインナップされている。
iM1 は、2015年発売。iPad向けにM1をソフトウェア・シンセサイザーとしてシミュレートしたアプリ。フィルターやエフェクトがM1よりも強化されているほか、画面内のコントローラーをなぞって演奏できる「カオシレーター・モード」や、アプリ内課金による拡張ライブラリも備えている。
ソフトシンセの「M1」には、トータルで3,000を超える膨大なプリセット・サウンドが内蔵されている。 3,000とうのは、プログラム(パッチ)の音色の数で、これを組み合わせたコンビネーションの音色も内蔵されているから、これも数えると3,000の倍の6,000近くになるのではないかと思う。 この膨大な数の音色は、工場出荷時に本体に内蔵されている音色に、別売されていたROMカードの音色を加えたものだ。ソフトシンセの「M1」用に新たに追加された音色もある。
まずは、このYouTubeのビデオを見ていただきたい。
「M1」の上に、ROMカードがセットされていると思う。これが発売されていたROMカードで、カードの数は全部で21種類あった。各カードには100種類(0~99)のプログラム(パッチ)と、これを組み合わせたコンビネーションプログラムのデータが入っている。ROMカードの値段は、1枚が1万円前後だったような気がする。
「M1」には、後継機種にあたる「Tシリーズ」というのがあって、このシリーズには全モデルに3.5インチ2HDフロッピーディスクドライブが付いていた。
この「Tシリーズ」用にFDで販売されていた11種類のFDに入ったパッチデータも、ソフトシンセの「M1」の方には内蔵されている。 工場出荷時に本体に格納されていたパッチデータは、CARD-1の方に入っていて、100種類ある音色(プログラム)は次のようなものだ。
これがどんな音なのかは、下記のページで聴くことができます。ページの下の方にあるコンビネーションの音色も聴いてみてください。
Preset Prog with demo
確かに、どれもすばらしい音がする。「D-50」の比ではないです。特に、0番のパッチ「Universe」や、1番のパッチ「Piano 16'」の音に惚れ込んでしまい、思わず「M1」を買ってしまった方も多いのではないかと思う。私には、当時はちょっと手が出せなかったですねー。
素晴らしい音色パッチは、今でも有料で販売されています。
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