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2024-03-09 友達

●LEAF 0783 友達

カンブリアンゲーム(ニューイヤーカンブリアン2024)

1970年(昭45)9月26日、「NHK鶴岡放送劇団」の定期公演「友達」が鶴岡市体育館で開催された。「NHK鶴岡放送劇団」は、元々はローカルラジオ番組を制作するための声優の団体だったと思うのですが、当時は地方の劇団とは思えないような作品を上演していて、鶴岡放送局のスタジオを稽古場にしていました。毎年秋に芸術祭参加の定期公演をや行っていたのですが、この年に上演されたのが阿部公房作の「友達」です。この戯曲は、1967年に青年座により初演(紀伊國屋ホール)されました。

われわれは被害者であるだけでなく加害者でもありうる。そして、被害者であるか加害者であるかということを区別するものはない。“友達”の主人公にしても、被害者でもあるが、また、ちん入者たちにとっては加害者でもありうるわけです。だからといって、僕は絶望してるわけじゃない。人間の連帯という、すでに回復しえないものを回復しようとするのは絶望的だということを指摘したいんです。連帯とか隣人愛とかいいながら仲間割れしている現状を告発したいんです。

安部公房「談話記事 戯曲三本がことしの舞台へ」

青年座が初演した時の演出は成瀬昌彦、音楽は猪俣猛です。

安部公房の傑作戯曲「友達」は、いまでも色々の劇団の公演があります。


当時の「NHK鶴岡放送劇団」のプログラム、どれも凝った作りで「友達」のプログラムもとてもお洒落。プログラムには、デザイナーのクレジットも入っています。

私は鶴岡に戻って2年目でしたが、スタッフとして劇団のお手伝いをしていました。この年の公演「友達」では、効果を担当しています。

自分でオープンリールのデッキを持っていなかったので、父親が持っていたSONYのポータブルな機材を使ったような気もしますが、昔のラジオドラマのように現場で生の音(効果音)を作った気もします。下手でヴァイブを即興で演奏したのは、ひょっとしてこの「友達」だったかもしれません。 まだ、文化会館がなかった時代、会場は体育館だったので音響設備も十分ではなかったと思います。そういえば、効果音用にマイクが欲しいと言った記憶があります。 楽器は、たぶん楽器屋さんから借りたような気がするのですが、はっきりとした記憶がない。

当時、ヴィブラフォンはジャズでも盛んに使われていて、ジャズ喫茶で青春を過ごした私も、このクールな音を一度は演奏してみたかったんだと思います。

1948年にアルバムデビューしたミルト・ジャクソンは、ハンプトンが齎したヴァイブラフォンの知名度を、ゆったりしたビブラートを使った独特の音色と雰囲気によってジャズのメイン・インストルメンツとして確立させた。1952年に参加したMJQ(モダンジャズクァルテット)での演奏は、世界中に今も多くのファンを持つ。また彼の演奏スタイルは後のヴィブラフォン奏者に多大な影響を残す。大きなヘッドを持つ独特のマレットを使った音色はジャズヴァイブの代名詞とされている。1961年にアルバムデビューしたゲイリー・バートンは4本のマレットを使ったジャズヴァイブ奏法の創始者とされる。1967年よりジャズ&ロックの演奏で人気を博し、1970年代からはチック・コリア(p)とのデュエットや当時新人だったパット・メセニー(g)の自己のバンドへの起用など、コンテンポラリーなジャズヴァイブの開拓で知られる。1972年にコリアと録音した『クリスタル・サイレンス』の演奏はジャズに限らず現在でも世界中のマレット奏者に影響を与えている。


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