【インタビュー】“ロック界のインディ・ジョーンズ”ドン・バーンスティン 2007

2007年のインタビュー。

世界のハード・ロック・カフェにはさまざまなロック・ミュージシャンの楽器やコスチュームなどのメモラビリアが展示されていますが、それを調達してくるのがドン・バーンスティンでした。DVD『ハード・ロック・トレジャーズ』発売に際して彼が来日して行われたのがこのインタビューです。
バーンスティン氏は2009年4月23日に亡くなってしまいましたが、“ロック界のインディ・ジョーンズ”の異名を取った彼に話を伺って、非常に多くのことを学ぶことが出来ました。

ロックに熱い思いを持った人で、楽しいインタビューでした。

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●日本に来るのはこれが何回目ですか?

もう6回目かな。ハード・ロック・カフェ(以下HRC)で仕事するようになってからはこれが2回目だ。

●ミュージシャンは高価なギターを何故HRCに寄付するのでしょうか?

彼らも何百本というギターを持っているから、1本ぐらい寄付してもいいと思ってくれるんじゃないかな。もちろんなかなか手放してくれない人もいるけど、それは交渉次第だ。

●あなたも苦労して入手したギターをよくHRCに手渡しますね。私だったら自分でキープしたくなるに決まっています!

幸いギターのコレクターではないからね。私は『シンプソンズ』関連のメモラビリアを集めているんだ。一部屋全部が『シンプソンズ』グッズで埋まっている。台本やグッズ、原作者のマット・グローニングが描いたヴィンス・ニールのイラストもヴィンス本人にもらったし...ロック業界の界隈では、私が『シンプソンズ』コレクターだということはけっこう知られてるよ。昨日東京でも、見かけたことのないグッズを山ほど買い込んだばかりだ。人というのは、たいてい何かを集めているものなんだよ。HRCのために私が獲得したギターやメモラビリアはHRCにちゃんと納入するけど、アーティストと親しくなったことで、私個人に何かをプレゼントしてくれることもある。チープ・トリックのリック・ニールセンはチェッカーボード柄のギターに「ギターのレッスンをありがとう」と書いてクリスマスにプレゼントしてくれたし、マイケル・アンソニーは自分のホットソースのプロモーションに使ったチリ型ベースをくれた。ヴェルヴェット・リヴォルヴァーのみんなは私の50歳の誕生日プレゼントに全員がサインしたレスポールをくれたり、『ハード・ロック・トレジャーズ』でも見ることが出来るけど、ダイムバッグ・ダレルは亡くなる直前にギターを一本くれたよ。だからHRCのために入手したギターを横からくすねることはしないけど、私個人がもらったものは特別な価値を持つものだし、大事に保管している。金を出して集めるのはおもちゃだけどね(笑)。

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