【インタビュー】トレヴァー・ラビンが語るフィル・ライノット、ゲイリー・ムーア、マイケル・ジャクソン、ジャック・ブルース、ジミー・ベイン 2017

初出は2017年、ヤマハサイト。貴重な証言だと思います。

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2017年4月、アンダーソン・ラビン・ウェイクマン(ARW)がジャパン・ツアーを行う。
元イエスのジョン・アンダーソン(ヴォーカル)、トレヴァー・ラビン(ギター)、リック・ウェイクマン(キーボード)による新プロジェクトの日本初上陸。“本家”イエスが2016年11月に来日公演を行ってわずか半年後のニアミス・ツアーということもあり、日本のロック・ファンの間で大きな話題を呼んでいる。
ARW来日に先駆けて、音楽雑誌『プレイヤー』2017年4月号(3月2日発売)ではトレヴァーへのインタビュー記事を掲載。日本公演の展望、使用ギター、ロック殿堂入り、2015年に亡くなったクリス・スクワイアとの思い出などについて語ってもらっている(筆者<山崎>がインタビュー)。
ページ数の関係で、トレヴァーの談話のすべてを誌面に掲載することが出来なかったが、今は亡き盟友ミュージシャン達との未公開エピソードを、本記事で掲載したい。『プレイヤー』誌の記事と併せて読むことで、トレヴァーのミュージシャンシップと人柄をより深く感じることが出来るだろう。
ちなみにRabinは本来レイビンと発音されるが、本記事では通常の日本表記に従ってラビンと書く。
 

●マイケル・ジャクソン
(2009年6月25日 没)

ニューヨークでTV番組『デヴィッド・レターマン・ショー』に出演したんだ(1994年)。収録が早朝の5時とかだったんで、僕は昼間寝ていた。そのとき電話がかかってきて、「もしもし、マイケル・ジャクソンです」と言われたんだ。きっとローディーが冗談でかけてきたと思って「せっかく眠っていたのに起こすなよ!」と不機嫌に言ったら、「ごめんね、申し訳ない!」と謝られた。どうも様子が違うと思って、しばらく話をして、ようやくマイケル本人だと気付いたんだ。
スタジオでは確か3曲でプレイしたんだ。そのひとつが「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」だった。 マイケルは具体的にどんなギター・プレイを弾いて欲しいか指示しないけど、「自由に弾いてみて欲しい」と言って、いろいろ弾いていると「それだ!もう1回弾いてみてくれ」と言うんだ。あの曲ですごく速いシンセのフレーズがあって、僕が「プログラミングよりもギターで弾いた方が良い」と提案したのを覚えている。実際に弾いてみせたら、すごく喜んでくれて、それが最終トラックに収録されたよ。
あと覚えているのは、スタジオのモニターの音量がとてつもなくでかいことだった。耳をつんざくほどだったね。

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