【インタビュー】ドクター・ジョン 2013/生ける伝説が語るニューオリンズ今昔物語

ニューオリンズ・ミュージックの伝説、ドクター・ジョンが2013年9月から10月にかけて、 来日公演を行った。72歳という大ベテランの彼だが、新編成のバック・バンドを従え、日替わりセット・リストのライヴを披露。聴く者を暖かく包み込むファンキーでソウルフルなサウンドで魅せてくれた。スタンダード「アイコ・アイコ」、『ザ・バンド/ラスト・ワルツ』でもおなじみ「サッチ・ア・ナイト」などの名曲も演奏され、東京ミッドタウンをミシシッピの湿地帯にしてしまった。
大物ミュージシャン、しかもヴードゥーの呪術師という肩書きも持つドクター・ジョンを前にして、筆者(山崎)も身構えてしまったが、いざインタビューが始まると、その語り口は優しく穏やかなものだった。彼の言葉を通じて、ニューオリンズへと旅立とう。

●ニューオリンズというとジャズやブルース、ケイジャン・ミュージックやザディコなど、”音楽の都”というイメージがあります。歓楽街バーボン・ストリートではバンドが酒場で演奏して、年の一度のマルディグラではパレードで踊って...そんな固定観念的イメージは、ニューオリンズを過剰にロマンチックに思い描いているのでしょうか?

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