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求む My familyヒストリー(文献編)

先祖調べに関するnoteで書かせて貰った内容から、文献を調べるってどうやってやるの?と思われている方もいらっしゃると思い文献編です。

最初に意識していただきたい事が1つ。

土地の資料を調べる場合、お勧めするのは市史や、県史になります。
例として、私の地元は静岡県静岡市になりますので、ストレートに考えれば
①静岡県史
②静岡市史
この2つが思い浮かびます。

しかし、これは現在の市町村の括りになりますので。
古い郷土資料を読む場合は、合併前の市町村の括りになります。

静岡市ですが、祖父母の土地は「元・清水市」です。
「現・静岡市清水区」になります。
もっと言うならば、元・清水市ですが。
元・小島村で、元・小河内村もあるのです。

最初は、現在の郷土史を調べる事が多いとは思いますが。
調べが進んでいくと、古い郷土史に手を出す事になると思います。
その際は、今と違う地名である事が多く。
まずは、各年代で調べたい地域が何と呼ばれていたのか。
何年に、編入されたのかも調べておくと良いと思います。

さて、”うんちく”はさておき。
郷土史という物は、意外と高価です。
一冊3000~5000円の定価が付いている事が多いです。
しかも、各年代を事細かに調べてあるので、8冊とか10冊になっていて。
先祖調べには、強力な味方である「資料編」という物を合わせると、幾らお金が有っても足りない!となってしまうのが痛い所です。

この市史の〇巻だけ、何度も読んで調べたい!
そう思う物が見つかるまでは、図書館で借りる。
または『デジタルアーカイブ』や『デジタルコレクション』と言われる
図書館が所持する文献(古文書含む)を、デジタル処理をし。
個人のパソコンから見られる様にしたものを活用すると良いでしょう。

例えば、我が故郷静岡を例にしてご紹介します。

こちらが、静岡県立図書館のデジタルアーカイブです。
図書館では見られない、古文書関係もあります。
古文書は、県史を作成した際に収集した資料とのこと。

ふじのくにアーカイブ/静岡県立図書館 ※リンク貼ってあります
私はこちらで、高祖父の兄宅を見つけました。
明治19年式戸籍で、駿府城の近くに住んで居た事は分かりました。
しかしながら、それ以上は分かっていませんでした。

そこで「ふじのくにアーカイブ」を調べて見た所、明治期の地図があり。
戸籍にあった住所を地図で調べると、お宅発見。
しかも「木挽職」とあり、木挽をしていたのが分かりました。

その後、親戚の高齢者から「鐵五郎さんは、3人の母に出ていてな」と謎な情報を得ました。この鐵五郎さんは、上記の木挽職であった高祖父兄の息子さんです。

この話をしてくれた方は、痴呆が入って、これ以上の情報を引き出せず。高祖父兄と、息子の鐵五郎さんについての新情報になり得ませんでした。

情報がリンクせず、気持ち悪く。
ネット検索を掛けて見ることにしました、すると3人の母という小説があったこと。ドラマ化されていたこと。その中の登場人物に、確かに鐵五郎さんがいらっしゃること。このくらいの情報を得る事ができました。

ただ、3人の母という小説は既に絶版なのか見つけられず。
なんか残念な気持ちになっていた時、調べに使ったのが。
国立国会図書館デジタルコレクションです。

国立国会図書館という場所は、国内で出版された本が総て収められています。出版した場合は、必ず国立国会図書館に本を収める決まりになっているそうです。

この国立国会図書館の書籍をデジタル化した書籍が読めるのが、このデジタルコレクションです。利用者登録をすると、尚いっそ多くの本を閲覧出来ます。

ここのアーカイブは、タイトルだけではなく本文も検索対象になります。
そこで「宮城鐵五郎」と検索したところ、何とヒットしました。

「まじですか?」手が震えました。

ただし、デジタルで読めるのは著作権が無くなった古い本が殆どです。
利用者登録をしないと見られない物は、どう違うのか?というと。
多くの方が寄稿したり、研究文を載せたりしている物が利用者登録しないと読めない様です。

要するに、本そのものの出版日から著作権保持期間を起算すると「既に著作権は失効している」と思われるが。著作権に関する保持年数の計算方が過去に何度か変わっている関係で、一部の著作者の著作権が切れていない可能性を含む物(グレーゾーン)を利用者登録した人間に公開されているのでは無いだろうか?という感じを受けました。実際は分かりません。

話を元に戻します。

国立国会図書館デジタルコレクションでは、小説3人の母も無事ヒットし。
全文を読む事が出来ました。

この、3人の母はノンフェクションで、登場人物も総て実在の人物。
ということで、鐵五郎さんは山仕事のまとめ役をされていたようです。

父であり、高祖父兄が木挽職だったようですが、息子の鐵五郎さんも同じ職に就いたのでしょう。親戚の高齢者の話では、高祖父兄は1人で山梨の下部温泉に行ってしまったと聞いたのですが。

小説の中で、鐵五郎さんが山仕事で大怪我をした際。
下部温泉から、温泉を持って来て治療に使ったという話もあり。
嫁様や、息子達の年齢や名前も記載があり。
その後の子孫の様子も分かったと言う点では、非常に有意義でした。

こうやって調べて行くと、意外と分からない物が浮き出てきたりするのです。ですから、是非とも先祖調べする場合は文献調査を大事にしていただきたいと思っています。

余談ですが、地域によっては村の戸籍を丸々記載しているような郷土資料もあります。そのおかげで、私は父母母母の実家の明治19年式戸籍より古い情報を入手しました。明治19年に既に死亡していた3人のご先祖様の情報を得る事が出来てホクホクでした。

手間暇かけて、調べる価値はあると断言して終了にしたいと思います。

皆様の調べが、捗りますように。