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海からの便り  (樹)

朝起きてみると、快晴、まさに雲ひとつない


(気持ちいいな、、、)


そう思いながら、なんとなく海岸へ



家から徒歩一分で砂浜です、良くここには来る



あ、なんか言われるな・・・という予感

わかるんですよね、そういうの


案の定です、砂浜の空気が違う


なんとなく、ポケットに手を突っ込むと、ガサって・・・・


あれ?何も入れてなかったはずなんだけど・・・と思い、引っ張りだしてみると、一枚の袋


笑いが出ましたね


(あー、はいはい、拾いますよ、拾えばいいんでしょ)と、苦笑いしながら砂浜でシーグラスや貝殻などなどの、心の琴線に触れたものを小一時間拾い集めた


最近はね、逆らいません、素直なもんです(笑)



何やらせるんだよ、まったく・・・と思いながら、家に帰るかと思って数歩引き返したら、足元が妙に気になった


よく見るとね、ほら、石笛?って言うんですか?

穴が空いた自然石があるでしょう?


それが砂からぴょこんと顔をのぞかせてるんですよ


何気なく手を伸ばして拾おうとすると、びくともしない、動かない



普通ならそこで諦めるところなんでしょうが、なんでかな?掘り出さねばって思ってしまい、近くに転がってた木の枝で掘り出してみると、これがまた


デカイ・・・


しかも穴だらけなんですよ


ひとつ一つの穴で、音が出て、それで和音でも奏でられるなら、これはもう、無限の音階を奏でられるってくらいの穴で覆われてるんですよ


「これは、無限笛だな・・・」



そう思うと、どこからか声が響く


「はい、お使いください」と



こういうときはね、その言葉を鵜呑みにしてはいけないんですよ


必ず裏や表や上下と、無限の意味が隠されてます



大体、笛一つで何ができるかって話です、そうでしょ?



先生やコーチはね、答えをズバリ教えない、ヒントを出して、考えさせて、自分で答えを出させるものです


ああしろ、こうしろ、と直接何かを指示する存在は、疑ったほうがいいですね



時間が過ぎて、何かのときに、はっと思い出すんですよ


「ああ、あのときの無限笛は、こういう意味だったのか・・・」と



笛の素材、見つかった場所、穴の数・・・いろんな意味があるんでしょうけど、それを自分で気づくことに意味がある



そういうことを経て気づくとね、その気付いた時に


「ああ、間違っていなかったんだ」と、励まされるんですよ、それが本当にありがたい



今ね、ウチの神棚の一番前に鎮座してます


役に立つやら、立たぬやら、それはわかりませんが



私の心の支えが一つ増えたということは、碓かなようです



笛の中から



「がんばれ」



そういう声が、聞こえてくるんですよ


(樹)


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