見出し画像

2023年4月改訂について【お気持ち表明注意】

内容について

制限改訂に対するお気持ち表明です。

挨拶抜きでいきなりいきます。ネタバレやめて!って人は今すぐブラウザバックしてyugioh.jpへどうぞ。

禁止カード

無制限→禁止:《スプライト・エルフ》

残念でもないし当然。蘇生効果とリンク先への対象耐性、なにより召喚条件の緩さによってあらゆるデッキに採用されています。レベル2が絡まないデッキと絡むデッキのパワー差を明確に作り上げているカードのため一発禁止ということでしょう。


制限カード

無制限→制限:《剣神官ムドラ》、《古尖兵ケルベク》

妥当でしょう。ケルベクは5枚落としのパワーが明らかにオーバースペックであり、かつ手札にあっても腐らない誘発であること。ムドラはフリチェで対面の墓地否定と自分のリソース回復が可能。どちらも存在していいカードではないですね。


準制限→制限:《ティアラメンツ・ハゥフニス》

まあ理解できます。
このカードの存在によりティアラメンツ側は後攻0ターン目からノーリスクで展開することが(博打とはいえ)可能だったため、された側の理不尽感は相当なもんです。
ただ納得できないのが、ケルベクを規制した上でハゥフニスを規制した点。ケルベクアギドなしで沼地+ティアラを落とすなんて不可能です。普通にやりすぎだと思います。


無制限→制限:《ティアラメンツ・メイルゥ》

このカードを規制したことを恥じてほしいです。
単純に手数となるシェイレーンや手札誘発であるハゥフニスと違って、このカードは上の効果だけみれば《ドラゴンメイド・ラドリー》とまったく一緒なわけですから、規制された理由は明確に下の効果です。つまり、ティアラメンツのデザインが根本的に間違っているとKONAMIが認めた形になるわけです。なんでやねん。
「共通効果がぶっ壊れてるから規制する」というやり方が通るならふわんだりぃずとか全員規制されてもおかしくないと思うんですけどね。


無制限→制限:《スプライト・ブルー》

やり過ぎじゃないですか?
スプライト系デッキはエルフ禁止でただでさえ壊滅しているのにこの仕打ち。ふつうにスプライト使ってた人がかわいそうだと思います。
規制された理由を考えるなら、相手がレベル2を通常召喚した時点でこのカードがあることを相手に警戒させ妨害を打つことを半ば強制する点でしょう。このカードの特殊召喚に成功することはつまり《スプライト・レッド》が出てモンスター無効を一回構えられることが確定するわけですからね。


無制限→制限:《深淵の獣ルベリオン》

まあ当然っちゃ当然ですね。
素引きでマグナムートにアクセスする最強カード。
しかもカオスルーラーとの相性があまりにもよく、これが墓地に落ちた時点で《烙印の獣》を持ってきて一妨害が確定します。都合良くレベル8なのでアサルトなどの2チューナーと10シンクロできるのも壊れポイント。こいつに限った話ではないですが、せめて制約くらいつけてほしかったですね。
ただ、カオスルーラーではなくこちらを規制したこと自体は個人的によくやったという気持ちです。


無制限→制限:《深淵の獣ドルイドヴルム》《深淵の獣バルドレイク》

いやここまでしろとは言ってません
確かに存在するだけで光闇属性の墓地利用テーマを否定するカードですが、ここまで規制するならじゃあ何で産んだんだよって話です。スプライトもティアラメンツもそうですけどね。特にバルドレイクの追加は本当に理由がわからなくなりました。
ちなみにこいつらは【深淵スプライト】でも1枚採用で十分な場合が多いのでこの規制は完全にお気持ち表明だと思います。かけるならサロニールかけなよ。


無制限→制限:《スキルドレイン》

正直これもお気持ち表明だと思います。
前環境では主に【神碑】が採用、たまに【ラビュリンス】でも採用されるのを見ました。しかしながら、これ1枚でゲームエンドするテーマの方が現代では少ないですし、【神碑】が打つ場合も自分のフギンの効果が使えなくなる裏目があるため脳死で強かったカードとも言いがたいです。
とはいえ個人的には規制したこと自体は評価したいですね。永続罠は抑止力としての必要悪ではない、というメッセージだと思います。


禁止→制限:《焔征竜-ブラスター》

良いと思います。というか早く征竜全部返してください。

禁止→制限《グローアップ・バルブ》

そりゃ《レボリューション・シンクロン》出すなら返しても良いですよね。でも絶対ろくなコトにならないと思います。


純制限カード

制限→準制限《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》《鎖龍蛇-スカルデット》《星守の騎士プトレマイオス》

こいつらはまあ1枚も2枚も変わらないので別に良いんですが、エンシェントフェアリーはいつか再収監される気がします。KONAMIはどうしてもシンクロに天下を取らせたいんでしょうね。


制限→準制限《転生炎獣ガゼル》《BF-隠れ蓑のスチーム》《雷鳥龍-サンダー・ドラゴン》《天底の使徒》《魔導書の審判》

良いと思います。


無制限→準制限《神碑の泉》

やっとか、という感想ですね。
結局の所全ての神碑魔法は実質泉サーチであるので泉にアクセス自体は出来るんですが、《命削りの宝札》や《強欲で謙虚な壺》などと併用しづらくなったと思います。じゃあこれで【神碑】が環境から消えるかというとそんなことはないでしょうね。
個人的には《神碑の穂先》にもなにかしらかけて欲しかったです。


制限解除

制限解除:《オルフェゴール・ガラテア》《閃刀姫-カガリ》《鬼ガエル》《八咫烏》《呪われしエルドランド》

まあどれも文句は無いでしょう。
【閃刀姫】や【エルドリッチ】はビーステッドやイシズが実質消滅したことでやっと生存権を得ましたね。エルドはスキドレの制限がやや痛いですが。
《鬼ガエル》に関しても【スプライト】が壊滅状態なので許してもいいという判断でしょうね。妥当だと思います。


総評

KONAMIからのお気持ち表明

感想としてはこれに尽きます。
なんというか、感情で規制した感が強いです。
今回の内容は【スプライト】、【ティアラメンツ】、【現世と冥界の逆転】、【深淵の獣】、これらをすべて徹底的に規制し、逆に過去の環境テーマのキーパーツを解除する制限改訂です。焼け野原。

緩和はともかく、規制の方法はあまりにも雑です。
ケルベク、アギド、メイルゥ、ハゥフニス、ルベリオンの制限までは理解出来ますが、ビーステッド二種とブルーの制限化に関しては予想外だった人も多いんじゃないでしょうか?【深淵の獣】と【スプライト】を絶対に環境から排除したいという意思を感じます。

これはつまるところ、2022年の遊戯王は無かったことにするから、みんな帰ってきてくれ~という公式からのお気持ち表明なわけです。

どうしてこうなってしまったのか

わかりません
なにがわからないって、【スプライト】も【ティアラメンツ】も【深淵の獣】もコンセプト通りのことしかしてないのにここまで叩き潰されていることです。イシズはテーマコンセプト関係なく犯罪者だからアウト。

この中でも【ティアラメンツ】は(強いかはともかく)リペア可能なんですが、【スプライト】と【深淵の獣】はほんとうに壊滅です。【リチュアスプライト】や【深淵スプライト】などはリペア不可能でしょう。組んだ人達の気持ちを考えると泣けてきます。

嬉しい人、悲しい人

好きなテーマのカードが解除された人は嬉しいでしょうし、【深淵の獣】とイシズ関連がガッツリ規制されたことで、これまで表に出ることの無かった過去のテーマデッキが環境に顔を出す可能性があること自体は良いことだと思います。

一方で、2022年の遊戯王を真面目にやってきた人にとってはこれ以上無い最悪のクソ改訂です。

POTE以降、遊戯王はプレイヤーに一つの選択を迫りました。【スプライト】や【ティアラメンツ】などの強力なテーマを乱発し、これらに対し度重なる強化も行いました。制約がほとんどない故に【深淵の獣】や【クシャトリラ】、【ティアラメンツ】などは同じデッキに組み込むことができ、単純なカードパワーの差で他のカード群を文字通り過去のカードにしてきました。遊戯王プレイヤーは、これに対して「インフレを受け入れて新しい環境を楽しむ」か「アホくさいから遊戯王をやめる」かのどちらかを選ぶことになりました。2022年に遊戯王をやっていた人間は当然前者です。

そういった経緯を踏まえて、めちゃくちゃ口を悪くして言うなら今回の改訂は、「インフレを受け入れて2022年の遊戯王を遊んだ」人達を蔑ろにして「遊戯王をやめた」人達に擦り寄る内容です。

言ってしまえば、2022年に発売されたカード、パックを買った消費者への背信行為だと僕は思います。

これに対してどう思うかは、どちら側の人間だったのかで変わるでしょうね。インフレは過ちだったことを認めたと肯定的にとるか、裏切られたととるか。
あなたはどちら側でしょう?

少なくとも僕は、2023年も同じ事をするんじゃないの?と邪推してしまいます。

なんか忘れてね?

なんか忘れてませんか?そう、【クシャトリラ】、【超重武者】、【ピュアリィ】です。
【超重武者】はエルフの禁止がそこそこにダメージですが、他の2テーマは本当に無規制です。これらのテーマは【深淵スプライト】や【イシズティアラメンツ】と普通に渡り合えるテーマだったのにも関わらずです。

これは僕個人の感想ですが、「2022年の精算をする!というのであれば、この中で少なくとも【クシャトリラ】は規制をすべき」です。正味【ピュアリィ】と【超重武者】はギリギリ2023年だからセーフっていうのもどうかと思いますけどね。
特に【超重武者】は公式の嫌いなワンキルギミックで結果を残していたこともあって、ノータッチなのが不可解でなりません。

なので、今回の制限改定に関しての僕の総評は「環境上位を規制するにしてはあまりにもオーバーキルで、お気持ち表明の割には規制が足りてない、主張の一貫性に欠ける改定」です。
評価できる点はあれど、良改訂だなんて口が裂けても言えません。

4月以降のティアラメンツについて

さて、ネガティブな話はここまでにしましょう。
4月以降もティアラメンツを使うつもりがあるのなら、何らかのリペア手段を考えなければなりません。そのためにも、まずはティアラメンツが受けた規制と新環境の考察を行いましょう。

ティアラメンツが受けた規制、残された価値

【イシズティアラメンツ】からは、ムドラ、ケルベク、ハゥフニス、メイルゥが制限になり、エクストラからはスプライト・エルフが禁止になりました。

これにより、「ハゥフニスを打つ機会がほぼなくなり、打ったとしてもかなりの確率で何も起きない」ことが目に見えて多くなりました。
同時にケルベクが制限になったことで、「メインギミックでありながら手札誘発でもある」カードが少なくなり、特にマッチ戦1本目の後攻が厳しくなった印象です。

そしてなによりも、ケルベク、メイルゥ、ハゥフニスが1枚になったことでスクリームは誘発しないわ、墓地を肥やしても本当に何も起きないことが頻発します。
こうなるとティアラメンツは相手ターンに展開できるかどうかも怪しくなるので、Gの受けの良さにも疑問が生じるようになりました。

そんな中でも、ティアラメンツにはまだ強みが残っています。
サリーク、スクリームが無規制であるため、うまく展開さえできるなら以前と変わらず《冥王結界波》や《拮抗勝負》で積まない強固な盤面が作れる
《ティアラメンツ・クシャトリラ》が無規制であるので、ラヴァゴーレムや球体などを受けてもまだ戦える。
展開力による後手捲り性能が高い。
この3点は再現性が低くなったものの、いまだに健在です。
ティアラメンツを使うという選択肢をとるなら、前期に引き続きこれらを活かして戦っていくことが重要になりそうです。

新環境の想定

まだなんとも言えないところもありますが、少なからず【クシャトリラ】、【ピュアリィ】、【超重武者】あたりは相変わらずメタゲームに存在すると思われます。
それぞれいいとこ悪いとこありますが、これらのデッキに共通する特徴は、先行を取ったら相手が返せない超強固な盤面を作ることです。

それに加えて、【竜剣士】、【勇者シンクロ】などの先行ぶん回し系デッキや、【神碑】、【ラビュリンス】などの罠で戦うデッキ、【エクソシスター】などの誘発を積めるミッドレンジ系デッキなどがその一つ下につける印象があります。

新規テーマで注意すべきなのは【VS】ですが、これはどちらかと言えばミッドレンジ系のデッキという印象で、一旦【エクソシスター】などと同列においておきます。

さて、こういった環境となると、手札誘発が強い環境になると予想します。
というのも、トップメタと思われる【ピュアリィ】が《冥王結界波》や《拮抗勝負》に耐性があること、ピュアリィに有効なディレイや怪獣が【超重武者】等にあまり有効でないことが理由です。
つまり、環境的に通りが良い捲り札が存在しません
しかも、いずれのデッキも誘発耐性がそこまで優れているわけではありません。
そうなると、一本目のメインデッキに複数の手札誘発を搭載し相手の展開を許さないことが重要になってくると予想できるわけです。

以前はティアラメンツもハゥフニスやティアクシャを起動してルルカロスやグラファ、ミドラーシュを立てることで後手でも抗うことが出来ましたが、今後はそうはいきません。これに頼らず後攻から手数で捲るか、あるいはシナジーのない手札誘発を採用するかしなければなりません。

よって、今後のティアラメンツに求められる内容は
・複数の手札誘発を受けても妨害を残せるか?
・誘発を積むか、後手捲りの手数を稼げるか?

この2つを満たせるかが重要になると考えています。
これを踏まえた上で、以下にリペアプランを示しておきます。

プラン1:勇者ギミック

旅路の効果で手札のサリーク、スクリーム、イシズなどを落とせることと、アラメシアにアクセスするカードが豊富なこと、勇者ギミックが捲りと妨害ができる点が優秀です。
以前までは《アラメシアの儀》の制約が気になる場面も多かったのですが、メイルゥが制限になった今はその制約もほぼ無視できます。(というか最早通常召喚したいモンスターがいない)
召喚権なしでモンスターを複数展開できる点もクルヌギアスに繋がりやすく高評価です。
問題はメインデッキに素引きが嫌なカードが増えること、かなり枠をとること、勇者だけではデッキを掘らないことです。

プラン2:P.U.N.K

個人的に一番しっくりきてます。

セアミン1枚からカオスルーラーと真血公で9枚デッキを掘れます。
フォクシーが手札を効果で捨てれる点も相性がいいですし、オーガナンバーや緊急テレポートも採用できますし、誘発受けもそこそこ良いです。
また、フェンリル、ティアクシャとセアミンで10シンクロができます。
問題はエクストラの枠を結構とることと、後手の貫通力に欠ける点。また、素引きがゴミなカードは少ないですが勇者と同じくらいメインの枠をとることです。

プラン3:カルテシア

カルテシア+共通効果持ちティアラメンツでグランギニョルを出しながらグラファかルルカロスが立ちます。カルテシアは気炎で持ってこれるのでそれなりに安定はしますし、相手ターンにカルテシアとティアラが落ちた場合にギニョルを融合できるのも評価できます。

問題はカルテシアはデッキを一切掘ってはくれない点。最低限の妨害は立ちますが、2枚初動でこの展開(ルルカロス+ギニョル)なら特別ティアラメンツである必要は特にない気がします。他のテーマの2枚初動でもっといっぱい妨害がつくれます。

カルテシアにしか出来ないこととして、ギニョルでアプカローネを落としてシャドールークを持ってくるというプランがありますが、これもやっぱり別にティアラメンツじゃなくてもできるんですよね。
こうなるといっそ【シャドール】に寄せた方が強いかもしれません。

プラン4:《宣告者の巫女》

一番メインデッキの枠をとらない選択肢です。そのため各種誘発を入れる枠ができます。
ただ、副葬と同じでこいつはアドの前借りです。本来シェイレーンやメイルゥなどで落としたいカードを妥協して落としている形になるので、出力は落ちますし誘発受けも悪くなります。
メリットとしてはレベル4とシンクロしてバロネスを作れたりします。しかし大きなデメリットもあり、後攻で出すこいつは壊滅的に弱いです。

ほんとにティアラメンツまだやれる?

ここまで言っといてなんですが、新環境でやってくのはちょっと厳しいと個人的に思います。
ティアラメンツはもともとメタをされる側のデッキであり、強みを押し付ける側のデッキだったのですが、今回の改訂でそれも変わりそうです。

前述の通り、ハゥフニスとケルベクの減少でメインギミックに誘発を組み込んでいるという強みを失い、「後手でもワンチャンあるデッキ」ではなくなってしまいました。
そのうえで墓地肥やしの当たりが減ったことにより「Gの受けの良さ」も失っています。

これらは上記のどのリペアプランをとっても改善できるものではありません

となると、先行でティアラメンツよりも強い盤面が作れて、後攻でティアラメンツよりも捲り力のあるデッキがあるならそちらを使った方が丸いです。
それこそ【勇者シンクロ】とかね。

次環境でティアラメンツを触るつもりなら、自分は環境外デッキを使っているという認識を持った方が良さそうです。

とりあえず、クシャトリラはよ消して。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?