ティアラメンツ・メイルゥ逝去
はじめに
追悼-ティアラメンツ・メイルゥ
2023年8月21日 14:00 マスターデュエルの新制限が発表されました。
メイルゥ、逝去。
今回は彼女の生き様を語ろうと思います。
メイルゥの役割
【ティアラメンツ】において、メイルゥは重要な役割を担っていました。単純に箇条書きにしてみても…
・レイノハートが無いときの召喚権を使った準初動
・共通効果による融合回数の確保
・キトカロスから出すことで墓地アドをとる動き
・スプライトエルフや、スプライトスプリンドとの噛み合い
このように、彼女にしかできないこと、彼女がいたからこそできたことが本当にたくさんありました。
これをうけたうえで、彼女が消えた後ティアラメンツがどうなるのか少し考えてみましょう。
メイルゥ不在の影響
事故率の上昇
言うまでもありませんね。
レイノハート以外での準初動的役割を担っていたのはもちろん、融合というギミックがモンスターを二体以上要求する以上、その素材となるモンスターの数が2から0になるというのは大問題です。
冷静に考えて、これからはデッキの中に落としたら融合できるモンスターが4枚しか入っていないんです。
これからはハゥフニスやケルベクの効果でメイルゥが落ちることもありませんし、シェイレーンなどで手札のメイルゥを落とすことも出来ません。仮にハゥフニスなどが墓地に落ちたとしても、それと融合する素材がないなんてことも当然増えます。
こういったことから、単純に共通効果持ちモンスターの数が減るということは、ティアラメンツにおいてはそのまま事故率の上昇に繋がります。
融合機会の損失
あったりまえですが、共通効果持ちが一体消えたということは、1ターンに融合出来る回数が一回減ったということです。
これ、事故率以上の問題です。
たとえばビーステッドなどを受けて融合が一回中止になった場合、今まではまだ二回融合が出来たのでキトカロスを出した後にルルカロスまで出力できましたが、これからはキトカロスで止まらざるを得なくなります。
ビーステッドを受けなかったとしても、これまでは追加でカレイドハートを置いておいたり、ガルーラを立ててリンク素材にしたりできていたのが不可能になったわけです。こういうことが出来なくなるので、単純に上ぶれたときの最大値が低下します。
後攻においても融合回数の減少は響いてきます。
キトカロスを出して墓地を増やして、カレイドハートで捲ってルルカロスで蓋をするような動きもこれからは出来ません。
先にドロゴンを立てておいて~なども余裕が無くてできません。
ということで、これからはビーステッド、屋敷わらし、墓穴の指名者、ムドラケルドウなどの融合を止めるカードの受けがかなり悪くなります。
キトカロスから出すモンスターいなくなっちゃった!
いなくなっちゃいました。
よくあるのがレイノハート通常召喚からキトカロスを出して、キトカロスの効果でメイルゥを出す動き。
この動きが強いのは、まずメイルゥの3枚落としとキトカロスの5枚落としで8枚墓地を増やせること。
単純にサリークやスクリーム、下級ティアラ(あとケルベクとか)が落ちる確率が上がりますし、シラユキなどが落ちたときにコスト確保にもなっていました。
そして後述するスプライトリンクモンスターに繋がること。
メイルゥのレベルが2のため、もう一体なにか出すだけでエルフやスプリンドが立ちます。これが本当に強かったです。詳しくは後々説明します。
じゃあこれからキトカロスで何を出すのよ?って話になりますね。
何出すんでしょうね??既存のカードで代用になるモンスターは全く存在しません。キトカロスから出して3枚落としできるモンスターもいませんし、レベル2もいません。
メイルゥが消えるということは、そういうことです。
スプライトエルフ、スプリンドが出なくなった
これも大問題です。
まずスプライトエルフですが、リンク先にいるルルカロスなどに対象耐性を付けるのは勿論のこと、墓地のメイルゥを相手ターンに蘇生できるようになるため捲り札などで突然フィールドのティアラメンツが消えたときにも罠カードやスクリームの発動条件を満たすことができました。
それができなくなったため、ティアラメンツは(なんか相手ターンに突然出せるティアラメンツモンスターの新規が来ない限りは)《皆既日食の書》なり、《心変わり》などをいままでよりも重く受けるようになります。
他にも《宣告者の神巫》を蘇生して《フルール・ド・バロネス》を作ったりという動きがこれからは出来なくなります。
次にスプライトスプリンドですが、ビーステッドなどで融合が止められた際やキトカロス→メイルゥでなんにも落ちなかった時に無理矢理融合に繋げるギミックとして重宝されていました。
こいつに関しては出なくなったどころの話ではなく、そもそもメイルゥを落とせなくなったのでティアラメンツからはお役御免です。
というわけで、メイルゥ亡き後のティアラメンツはスプライトリンクモンスターを出すことも活用することも出来なくなります。
ということは、本来レベル2を擁するテーマなら誰でも使えるはずの汎用リンクであるエルフ及びスプリンドがティアラメンツだけ使用禁止になったということです。ひど。
結局ティアラメンツはどうなるのか
失ったものはあまりにも大きいです。こんな言い方は良くないですが、ハゥフニス禁止のほうが幾許かマシです。
事故りやすく、(アギド禁止ケルベク制限もあって)落ちが微妙になりやすくなり、ビーステッドや各種誘発をかなり重く受けるようになって、展開の最大値が大幅に減少しました。先行の妨害数も、後攻のキル性能もがっつり減少しています。
そもそもこれまでやってきた基本的な展開ができなくなってしまったことで、根本的なデッキコンセプトから見直す必要があるかも知れません。
キトカロスが生きているとはいえ、あまりにも既存の歴史から外れたルートを辿っているため、これからのティアラメンツがどうなるのかは予測しきれません。
ただひとつだけ言えることは、ティアラメンツはまだ死んでいません。なぜならキトカロスはまだ生きているからです。
とにかくキトカロスさえ出すことが出来れば、デッキから足りないカードをサーチできますし、罠カードで最低限の妨害はできます。
そしてティアラメンツには一切制約がない故の拡張性があります。既存の型からは大きく逸脱するかも知れませんが、もう終わったと考えるのは早計です。
ここからは、ティアラメンツに使えそうなギミックを少しだけ紹介します。
勇者ギミック
既にちょっと流行気味ですが、勇者ギミックはそこそこに相性が良いです。
《運命の旅路》によって手札のカードを墓地に送ることが可能なため、手札にあるサリークやケルベクなどを墓地に送ってティアラメンツの動きに繋げることが可能です。
水遣いがティアラで落ちれば後からでも勇者ギミックに触れるほか、単純に勇者のギミックだけでもグリフォンライダーの妨害やドラコバックの捲り性能があるのでギミック単体で見ても優秀です。
P.U.N.K.ギミック
《No-P.U.N.K.セアミン》1枚から手札を墓地へ送りながらカオスルーラーを立てることができます。MDでは既に60GSの主要ギミックとして有名ですが、単純にティアラメンツに繋げるパーツとして採用するのもアリだと思います。
問題はこいつらが墓地に落ちても何も起きない事です。引いたとき専用のカードなので、落としの出力は下がることに留意しましょう。
クシャトリラ
ティアクシャはやくしてフェンリルやユニコーンは召喚権も使わずに単体スペックとしても最強クラスで、事故率などをまったく考慮しないのであれば最もパワーのある選択です。
もしティアラメンツクシャトリラが実装されたなら最も相性の良いテーマになるでしょう。
ティアクシャが来るから耐える?
半分嘘です。
もしこのまま《ティアラメンツ・クシャトリラ》が実装されたなら、キトカロスから出せるモンスターとしてもフェンリルからサーチできるカードとしても優秀ですし、デッキに入らない理由はないレベルのカードです。
しかしメイルゥが抜けた穴を埋めることは出来ません。
レベル2ではないのでスプライトリンクに繋がらないし、デッキから落ちても融合するわけではなく、サリークで墓地に送っても融合出来ません。盤面に出した後に有効活用できるかも疑問です。
ティアクシャがきても、融合回数は減ったままだし、スプライトギミックはもう使えません。
メイルゥの代用なんて、他の誰にもできないのです。
さいごに
メイルゥの死には目に見える以上のダメージがあります。それだけ分かって貰えたらこの記事を書いた価値があるというものです。
こんな規制してもティアラメンツまだ生きてるやん!とかいうのは勘弁してください。誰だって生を望む権利はあると思います。
今回はこのへんで。黙祷。
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