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上京して見えたCAM HALLの在り方

私の地元である愛知県岡崎市にある
ライブハウスCAM HALL

このライブハウスは30年続く歴史あるライブハウスとなりつつあります。
細かな歴史については割愛させて頂く。

まず最初にこのCAM HALLというのは、
全国的にみても希有なライブハウスであることを伝えたい。
そしてその理由だけでも岡崎市、バンドマン、ファンが守るべき価値がある場所であるという事を知ってほしい。

外からみたら何処にでもあるようなライブハウスなのだが、
その中身は
ライブハウスであり養成所であり、ホールスタジオを完備した練習スタジオであり、レコーディングスタジオ、そしてインディーズレーベルなのだ。
そしてそれを動かすための人員が必要最低限常駐しており、それらの環境が一ヶ所に集約されている。
故にメジャーレーベルへと何組も送り出せている。

これだけでも他に無い環境だ。

更に養成所という点では、
バンドマンはここでライブをし、ローカルで閉鎖的な環境だからこそ、上下関係を尊重しつつ、仲間意識が自然と育まれ、とにかく岡崎のバンドマンは仲がいい。

僕らの世代は毎日のように他バンドと飲んでは音楽話に花を咲かせていた。

キッズは憧れるべき先輩に憧れ、先輩らは後輩らを育てる、そう言ったことが自然と行われてきた。
当然音楽性はバラバラだ、それぞれを尊重しつつそれぞれにあった見解を自然と共有している。

そこにはライブハウスという立場だけの存在ではなく、
インディーズレーベルも経営しているからこその視点での活動を学ぶことが出来る。
実際にCDにして売るために何をするのか、どんな曲を書くのか、音源の場合はどんな音作りにするべきなのか。

当然誰にでも与えられる環境ではない。

CAM HALLで活動する上でオーナーの信用を勝ち取る必要がある。
名前を覚えてもらい、音楽を認めてもらい、アドバイスをもらい、磨いていく。
普通ならそこまでがライブハウスとの関係だろう。
が、上記のようにレーベルが存在している故にそこにとどまらないのだ。

活動し様々な信頼を得る上で一つのゴールがあるといっていい。
最低限の音楽性と信用があれば、CDを全国流通できるかもしれないというチャンスが全員ではなくとも与えられるのだ。

そういえばぬるいと思われるかもしれないが、
実際は閉鎖的だからこそ、仲が良くとも他バンドを自然とライバルとして認識する。
限られた数のバンドの中で自然と競争のような状態が生まれるのだ。
今のCAMバンドはわからないが、私らの世代はとにかく沸々と嫉妬や怒りのようなものが渦巻きつつも認めあっていたように思える。

なんで俺らはCDだせねぇんだ、あいつらより俺らのが絶対いいだろ!!!
あのライブハウスにはもうついていけねぇ!
なんて愚痴は私含めそこら辺から漏れていた。

今思えば甘えていたし、それこそぬるいなと思う。
が、それほどに熱量が高かったともいえる。
打ち上げで他バンド同士の喧嘩が起きたと思えば、
隣では悔し泣き。
そんなことが当たり前だったのだ。

そして、あの場所でレコーディングを行えることが一つのステータスのように感じる時すらあったかもしれない。

とにかく、多分それは私だけでなく、あのライブハウスを利用していたバンドマンの多くが感じていたように思える。
歴代のオーナーはこの環境を作り上げ、存続させてきたのだ。
だからこそ岡崎市という辺境の地から、
いくつもの全国級のバンドを生み出せてこれたのだろう。

私は今上京しており、メジャー、インディーズ、音楽事務所、ライブハウス、様々な第一線の場所に絶えず出入りしている状態にあると思う。

そこでこのライブハウスの話をすると、
知っている人は知っているのだよね。
え!?CAM HALL出身なんだ!!あそこは優秀なバンドが多い。と誉めていただけるのだ。

こんなに嬉しいことがあるだろうかと思う。
そして東京という音楽とライブハウスが溢れかえる土地で岡崎のCAM HALLは凄いと話が出る事がどんなに特別なことか。

そしてこの環境は東京のどこを探してもなかなか見つからないと言うこと。
関東のアーティストにこの話をすると、
なんなのその環境!羨ましすぎるんだけど!
と言われるのが割りと当たり前の反応になっている。

岡崎という辺境で、
全国に通用するバンドの文化を構築してきているのだ。
しかし、ライブハウスはこの数年どこも立て続けに潰れていってしまってる。
CAM HALLも当然経営できてはいても苦しい状態にあるというのは聞いている。

さらには今はしばらく続いた近隣とのトラブルにおいて
解決に至らず貴重な休日である日曜日のライブイベントが行えなくなったという。

利用するバンドマンやCAMを愛するファンはそれらの問題をなんとか解消しようと努力してくれている。
が、
その理由は隣接するアミューズメント施設、風俗施設との駐車場に関するトラブルだということを、あえて伝えておく。

こんなにも大切で価値ある環境と文化が、
そんなことで失われる可能性があるのだ。

人頼みは嫌いだが、岡崎市よ。
何をしている。

文化の重要さを認識しなさい。
失くなってからでは遅いのだ。
何十年も多くの人に支えられてきた場所を守りなさい。

無くしたら私は岡崎市を許さない。

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音楽家 音楽やクリエイティブにおいての思想を零していきます。
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