バイオミメティクス、バイオミミクリー。自然に学んだテクノロジーで地球環境問題解決 #虫技術

昆虫すごいぜ!

虫の優れた機能に技術の突破口があります。

・ご存知の通り、20世紀は「石油の科学」であり、

・そこに依存した結果、その資源は枯渇しています。

代わって、21世紀に大きく羽ばたいているのが、

・「バイオミメティクス」や「バイオミミクリー」という名前の科学。

・“生物模倣技術”と訳されることが多いのですが、聞いたことがあるでしょうか?

人間が一番偉いというのは全くの思い込みで、

・昆虫などの小さな生物は、人間には全く真似できない優れた機能や体の構造を持っているのです。

・長い年月を経て、進化したこれらの生物の特性を模倣して、技術開発やものづくりに生かすというのが、「バイオミミクリー 」や「バイオミメティックス 」。

・日本を始め、世界各国で競い合うようにその技術開発が進んでいます。

日本ではすでに、独自に「生物を模倣して技術開発」に役立てている様々な例があります。

1989年、開発当時、世界最速の記録を打ち立てた
新幹線500系。
・意外なことに、速く走らせることはそれほど難しくなくても、その際に生じる騒音を少なくするのが大きな問題だった。

そこで、JR西日本の技術開発者が目を付けたのが、趣味のバードウォッチング。

・羽の音が全くせず、最も静かに飛ぶフクロウを研究すると、他の鳥にはないギザギザがあって、これが空気をうまく逃がして抵抗を少なくする。

・その羽の形をパンタグラフに応用したところ、騒音を30%もカットすることができた、ということなのです。

           

           

           

生物の独自の機能を
研究した結果から生まれている
・「蚊の針を模倣した、赤ちゃんもいたくない注射針」

・「抵抗力が少ないサメ肌の水着」

・「壁や天井を自由自在に歩けるヤモリの足の裏の構造を再現した、ヤモリテープ」~接着剤なしでツルツルのガラスに貼り付きます。

・「さらに光を反射しない機能を持つ蛾(ガ)の目の構造を模倣した反射防止フィルム=モスアイ・フィルムをスマホやパソコンの表示画面に仕様」

と、どれもおなじみになっている技術が、生物の独自の機能を研究した結果から生まれているのです。

特に、子供の頃から「カブトムシ」をペットで飼うようなお国柄のニッポンは、その研究熱心さでは群を抜いていると言われています。

           

           

世界が注目する「生物模倣技術」
・七色に光り輝くタマムシを応用した金属というのがあります。

・タマムシは、実は色素を持っていないのに、あのきれいな色を出しているのです。

・その秘密は、皮膚にナノレベルの層がくっついていること。

その層が反射することで、赤や緑、紫と色を発色しているのです。

・これに注目したのが新潟県燕市の「中野科学」。

やかんから半導体まで、様々な金属の表面処理を行う会社です。

・中野科学は、ステンレスを酸化させることでタマムシと同じような膜を加工。

・そうすることで塗料を使わずに、ステンレスにきれいな光沢を与えることに成功したのです。

・塗料を使っていないので有害物質は一切ナシ。

剥がれたり錆びたりすることもない。

そして何といっても、何も混ざっていないのでそのまま再利用が可能。

この持続可能な技術、というのがとても評価されて、ロンドンオリンピックでキラキラと輝いていたモニュメントには、この技術が採用されているのです。

           

           

エチゼンクラゲのチップを
山火事の跡地に撒くと
そして、まもなく実用化の段階にまでやってきているのが、「エチゼンクラゲのチップ」。

・あの大量発生したエチゼンクラゲは、9割が水分。

・つまり、そもそもが“保水性”という機能が物凄い。

・そこで愛媛大学名誉教授の江崎次男(えざきつぎお)先生が、クラゲを乾燥させてチップにして、山火事の跡地にまいたところ、

・1年で植物が、他の土地の倍の大きさに成長という、素晴らしい結果が得られたそうです。

エチゼンクラゲというと、日本海のイメージですが、クラゲの大量発生はそれだけではありません。

・今は、原発の代わりにフル稼働している火力発電所の周辺で、海が温かくなったせいで、エチゼンクラゲとは種類が違いますが、別のクラゲが大量発生。

・先生はこのクラゲを利用して、チップを生産するシステムを構築している最中だと言います。

           

           

シルクの研究
そしてもうひとつ、目覚ましい研究成果が得られているのが、シルクの研究。

・実は蚕だけではなくて、3分の1の昆虫が何らかのシルクを作る構造を持っているのです。

・言ってみれば、クモの糸もシルクと同じタンパク質。

・東京農大の研究室では、このシルクの特性が様々な製品へと技術転嫁できないか、研究を進めています。

・シルクには、“紫外線を遮へいする”特性があることから「UV化粧品」の開発。

・“油を吸着する”特性があることから「ダイエット食品」へ。

その応用は尽きることがありません。

・これからの課題としては、研究する学問の場と、産業界がどう力を合わせていくか、という点。

・ドイツではすでにこの「生物模倣技術」の開発に、国が3000億円補助しているそうですが、日本は10億円単位程度とまだまだ。

2020年東京では、こうした日本の技術が披露されるような場があるといいのではないかと思いますが、どうでしょうか。
引用元⇒虫に学ぶ新たな技術の可能性 ~昆虫や小さな生物の機能を生かしたモノ作りはいま! 【ひでたけのやじうま好奇心】

           

           

35億年に及ぶ試行錯誤を
繰り返した結果、
・大自然はくっついて重力に逆らう方法や

・糖質を使用して1世紀もの乾燥に耐える方法など、様々な発明品を作り出してきた。

・そうした自然のシステムからヒントを得て考案された科学技術は意外なほど多い。

・バイオミメティクス(biomimetics)とは、生体のもつ優れた機能や形状を模倣し技術開発やものづくりに生かすという言葉です。

自然を参考に生み出された10の科学技術を見ていきます。

           

           

           

1. マジックテープ / ゴボウの実
1941年、スイスの電気技師ジョルジュ・デ・メストラルは犬を連れてアルプスに狩りに出かけた。

そして帰宅してみると服や犬の毛皮に野生ゴボウの実が張り付いているのを発見する。

この植物は通過する生き物に張り付いて、種を遠くまで運んでいた。

・これを顕微鏡で覗き込んだメストラルは、単純な作りのフックが繊維や毛皮の輪に引っかかっていることを発見する。

・このヒントを得てから10年後、様々な素材で無数の実験を経た末に、マジックテープという新型のファスナーの特許が生み出された。

           

           

           

2. ゲッコーシール / ヤモリ
・ヤモリが重力に逆らい壁に張り付いていられるヒミツは、指先のシーティーという極小の毛にある。

・ここに極小スケールでしか効かない、ファンデルワールス力が働き、張り付くことができるのだ。

・これは接着剤がなくともぴったりと張り付き、しかも剥がすこともできるという優れものだ。

・近年では、シリコンを使ってシーティーを模倣することに成功し、様々なヤモリ技術が開発されてきた。

・切り立ったガラスの壁を登れるガジェットや自重の数百倍もの重量の物体を持ち上げるロボットなどがその一例である。

・また宇宙で修理を行うロボットもある。

・これはLEMUR(Limbed Excursion Mechanical Utility Robot = 四肢移動式メカニカル・ユーティリティ・ロボット)といい、国際宇宙ステーションの保守管理を担当する。

・その姿もヤモリそっくりだ。

           

           

           

3. 風力発電タービン / クジラの尾びれ
ボストンの土産物屋で、フランク・フィッシュという生物学者はザトウクジラの像の尾びれにコブが並んでいることに気がつき、像の製作者のミスに違いないと想像した。

尾びれの後ろの縁ではなく、前側に突起が並んでいたからだ。

しかし、それは制作者の間違えではなかった。

・尾びれの前にあるコブの列は小さな渦を作り、水中で尾びれを素早く動かせるよう助ける。

・これがザトウクジラが驚くほど機敏な理由だ。

・この”小コブ効果”を研究したフィッシュは風力発電のタービンにコブの列を加えることで、ドラッグとノイズを減らし、効率を上げられることを発見した。

・ちなみにクジラは新型タービンブレードの形状のヒントを与えただけでなく、それを制作するカナダの会社の名前にまでなった。

ホエールパワー・コーポレーションのことだ。

           

           

           

4. サメ肌 / サメ
・NASAが開発した船のドラッグ低減コーティングは、サメの皮に並ぶ極小の鱗を参考にして生み出された。

・これは1987年開催のヨットレースのアメリカズ・カップで星条旗号が優勝する原動力となった。

・その効果は不公平という批判が浮上するほど絶大なもので、一時的にだが使用が禁止されてしまった。

・鱗は常に動いているため、船体への微生物の付着を防ぎ、防汚剤の使用も減らすことができる。

           

           

           

5. 新幹線 / カワセミ
・高速鉄道がトンネルから脱出する際、フロントノーズが加えた空気圧によって轟音が発生する。

・1990年代、日本の技術者である仲津英治はカワセミが水の中に飛び込むとき、ほとんど飛沫を上げないことを発見した。

・カワセミのくちばしを参考にして設計された新幹線は、走行時の騒音を軽減するのみならず、空力特性を高め、パワーの効率化を図ることで、一層の高速化が実現されている。

           

           

           

6. ドローン / カエデの種の飛行
・プロペラのような形のカエデの種は回転しながら落下することで、遠くまで移動することができる。

・ロッキード・マーティン社はこのデザインを取り入れて、シングルロータードローン”サマライ”を開発した。

・そのシンプルな機体には可動部分が2ヶ所しかなく、容易に小型化することができた。

・このプロジェクトを引き継いだのが米国防高等研究計画局(DARPA)で、狭い空間向けの偵察ドローン開発を行っている。

           

           

           

7. あしながロボット / チーター
・山の中や火星などのデコボコした地面など、車輪では進めない場所も、足なら探索を続けることができる。

・DARPAが開発した4本足のロボットはチーターをモデルとしており、戦場に物資を迅速に輸送することを目的としている。

・他方、NASAではATHLETE(All-Terrain Hex-Legged Extra-Terrestrial Explorer = 全地形用六足式地球外探査機)の開発を進めている。

・ATHLETEは各足の先端に車輪を装備しており、なだらかな地形ではこれで走行する。しかし障害物などに阻まれると、これをヒョイっと跨いでしまう。

           

           

           

8. ハイブマインド送電網 / ミツバチ
・ミツバチは誰に命令されるでもなく、本能に従ってその役割を果たす。

・その判断は、巣の中にいる場所と周囲の仲間が何をしているかという単純な要因に基づいている。

・アメリカのリジェン・エナジー社は”スワーム(群れ)ロジック”というものを採用し、送電網の効率改善を図った。

・電力を管理する中央集権システムの代わりに、各地域に制御装置を設置し、通信回線を通してそれぞれの電力需要を判断させるのだ。

           

           

           

9. 糖衣ワクチン / クマムシ
・クマムシは水中に生息する8本足のずんぐりとした小さな生物である。

・水のない環境では乾燥して、100年以上も生存するというとんでもない能力を発揮する。

・これを可能にするのが、DNAとタンパク質などの分子機構を糖質によってコーティングするメカニズムだ。

・ここに着想を得たのが、アメリカ、バイオマトリカ社やイギリス、ノヴァ・ラボラトリーズ社などのバイオテクノロジー企業である。

・彼らは生体ワクチンにクマムシの生態を応用し、砂糖のフィルムでワクチンを包むという方法を開発した。

・こうして冷凍することなく生きたワクチンを6ヶ月保管することが可能となった。

           

           

           

10. 蟻塚ビル / シロアリ
・アフリカのシロアリは、昼には40度、夜には2度という寒暖の差が激しい環境において、温度をほぼ一定に保つ巧みなデザインの蟻塚を作る。

・その受動的な冷却システムは上部と側面に開いたいくつもの通気口によって機能する。

・地下の部屋から通気口を通して届く風が熱い空気を追い出してくれるのだが、シロアリはさらに通気口を塞いだり、開いたりすることで空気の流れをコントロールしたりもする。

・建築家のミック・ピアースはジンバブエのオフィスビル、イーストゲートセンターにこれを真似た構造を取り入れた。

・ビルの屋上には煙突が並んでおり、地下から冷たい空気が流れ込むと同時に暖かい空気が上から逃げるようになっている。

・こうしてエアコンなしでも快適な温度が保たれ、同じサイズの従来型ビルに比べて、エネルギー使用量を10分の1に減らすことに成功した。
引用元⇒自然を参考に作られた10の科学技術(バイオミメティックス)

           

           

           

生物のデザインは、アイデアの宝庫
・生体のもつ優れた機能や形状を模倣し、工学・医療分野に応用すること。
⇒https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0804/feature02/index.shtml

・ハスの葉の撥水効果、サメ肌の流体抵抗の低減効果、ヤモリの指の粘着力などが材料開発などで実用化されている。

・「独創的な手法やアイデアをもたらしてくれる。」と、材料科学者は話す。

・バイオミメティクスは、素材、機械、医療、環境、エネルギー、交通システムなど多様な分野に貢献するものとして期待されているが、生物学と工学(材料、分子、機械、ロボットなど)や医学など異分野の技術・知見の連携が必須。

           

           

           

例)フナクイムシ → シールド工法
・シールド工法とは、地盤中にトンネルを構築する工法。

・1800年代初頭、イギリスのマーク・ブルネルは、フナクイムシが木を掘ると同時に木材の膨張からどのようにして身を守るのかを解明。

・その結果を応用し、トンネルを掘り進むシールド工法を発明。テムズ川の下を通るトンネルの工事を成功させた。

           

           

           

シャープ の 「生物模倣技術」
・シャープは、「イルカ」「アホウドリ」「トンボ」「ネコ」「アサギマダラ(蝶)」といった動物や昆虫を参考にした製品を送り出している。

・今回は、そのキーパーソンであるシャープ、ネイチャーテクノロジー推進プロジェクトチームのチーフ、大塚雅生氏に「生物模倣技術」を取り入れるきっかけから成果まで詳しく聞いた。
⇒http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1402/19/news098.html

・アホウドリの羽根を真似て作ったファンは、風効率を20%も効率を高めることに成功した。

           

           

           

カタツムリの殻に学ぶ汚れないタイル
・カタツムリの殻がいつも清潔に保たれている理由を研究したところ、薄い水の膜が油汚れをはじいていたことがわかったのです。
・これをタイルの製法に応用した。
⇒https://www.lixil.co.jp/lineup/tile/default.htm

           

           

           

オジギソウの動きに学ぶ高分子アクチュエーター
・アクチュエータとはエネルギーを動力に変える機器のこと。

・イオンの移動を利用して力を­発生する高分子アクチュエータは、オジギソウが葉をたたむのと同じ原理を使って開発さ­れた動力源です。

           

           

           

水陸両用ヘビ型ロボット – ACM-R5
ヘビと同じ形状を持つロボットは、地震などの災害時、危険ながれきの中や人が身動きを取れない場所で行う探索作業に適しています。また、水道配管や原子炉の点検などでも活用できるほか、小型化すれば内視鏡のように体内で外科手術を支援する医療用ロボットへの応用も考えられます。

           

           

           

Robojelly  ( クラゲ型ロボット )
・太陽光電池を搭載することで長期間の活動が可能なこのクラゲロボは、アメリカ海軍による監視装置として、2012年にアメリカのテキサス大学とバージニア工科大学によって設計された。

           

           

           

ホタルの光に学ぶ次世代ネットワーク
・蛍の点滅同期をヒントにした、無線「アドホック」ネットワークの効率化の研­究成果

           

           

           

トンボが2対の羽を別々に動かせることから発想を得ている。
– BionicOpter
・独フェスト社が開発した「BioniCopter」。操縦はスマートフォンアプリで行える。
⇒https://wired.jp/2013/04/04/robot-dragonfly/

           

           

           

モスアイ型 無反射フィルム
・蛾の目は、夜間に目に入った光が反射して外敵に自分の存在を知られないよう光を反射しない微細構造(無反射構造)をもっている。

・この構造を模倣したフィルムを液晶画面に貼付けることで、強い光源下や太陽光下でも見やすい画面を実現している。

           

           

           

フナムシから着想を得た、ポンプレス微量液体 輸送システム
・フナムシの脚の微小構造を応用したサイフォン型流路の作製
⇒http://www.ostec-tec.info/01-2/uploads/photos/83.pdf

           

           

           

フクロウの羽 → 新幹線の騒音問題 
(JR西日本)
・空気抵抗を少なくするために、パンタグラフを翼型へと改良。

・また、支柱側面の突起物が空力騒音を減らす。

・フクロウの風切羽には他の鳥にはないセレーションと呼ばれるギザギザがあり、これが空気をうまく逃がして抵抗を少なくする。

・それまでの騒音を30%もカット。
⇒http://www.7midori.org/katsudo/kouhou/kaze/meister/16/

           

           

           

カワセミの嘴 → 新幹線の騒音問題
・カワセミは高速で水中に飛び込んで魚を獲りますが、そのとき空気中と水中で1000倍もの抵抗差が生じている。

・にもかかわらず、水しぶきが極めて少ない。

・車体の断面を円形にした。それにより走行抵抗が30%減り、トンネル出口での騒音が解決、消費電力も15%減った。

           

           

           

モルフォ蝶 → 発色する新光学繊維
・光の屈折の違いで発色させるので、見る角度や光の強度によっても微妙に色も違う。

・ファッション用途としても使い方が広い「モルフォッテクス」の糸。

           

           

           

キリギリスの足裏 → トヨタのエンジン
・「キリギリス」の足裏は、六角形がタイル状に規則正しく配列された模様になっており、安定した動きができるようになっています。

・トヨタは、この構造を低摩擦材料としての実用化を目指し開発を続けています。

           

           

           

蚊の針 → 痛くない注射針
・ピンニックスライトは蚊の針をまねて、針の先を波打たせることにより痛みを低減。

・国内では2012年から発売が開始されており、調剤薬局などで購入可能。

           

           

           

ザトウクジラのヒレ → 回転翼
・ザトウクジラのヒレの形を応用した風力発電の回転翼の特許を取得しました。

・模型を使った実験から、前縁部分に小さなコブを真似たギザギザを付けた翼は、これまでの滑らかな翼と比較して、空気抵抗を32%減らし揚力を8%向上させることがわかりました。

・ヘリコプターやジェットエンジンの新しい回転翼、船や潜水艦の新しい舵、エアコンの新しいファンなどに役立てることができます。

           

           

           

アサギマダラの羽 → ムラの無いファン
・アサギマダラの特徴を扇風機のブレードに応用したところ、送風効率を低下させることなく圧力変動は65%減少し、半径方向の風速分布のムラが従来の1/40になった。
⇒https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1203E_S2A610C1000000/?df=2

引用元⇒「バイオミメティクス(生物模倣)」  生物から学ぶ先端技術。製品開発に応用

           

           

           

魚の群れのようにぶつからない車
数えきれないほどの魚が集まって群れになって泳ぎ、一斉に方向を変えていく光景を見たことがあるでしょう。

・魚たちは、どんなに集まってもぶつかることがありません。

この魚たちの行動は、

①離れたら近づく、

②近づきすぎたら離れる、

③中間の位置にあるときは同じ方向に向きをそろえるという3つの法則で成り立つと考えられています。

・この魚群の法則を使って、集団でも衝突しないで自由に動き回れるシステムが開発されています。

・日産自動車では「ぶつからない車」の実現に向けて、集団で走行するロボットカー「EPORO」を試験的に開発しました。

・センサーや通信機能によってお互いの状況や周囲の環境を把握し3つの法則にのっとって走行することで、魚の群れのように自由に変形可能な群れをつくり、ぶつからずに移動することに成功しています。

           

           

           

アワビの殻から軽くて丈夫でさびない材料
外はごつごつで、内側はキラキラしているアワビの殻。

・この殻は、陶器やレンガと同じセラミックスの仲間ですが、軽いのにとても硬くて丈夫。落としても、ハンマーでたたいてもなかなか割れません。

・こんなに丈夫なアワビの殻の秘密はキラキラの内側にありました。

・殻の内側は、厚さが1マイクロメートル以下という極めて薄いセラミックスの板が、何層にも重なり、よく伸びる接着剤で貼り合わされた状態になっています。

・強い力がかかって薄い板が何枚か壊れても、次の板との貼り合わせ面でヒビの進行方向がずれたり、軟らかい接着層がヒビが進むエネルギーを吸収したりして、途中でヒビが止まり殻自体が割れることがありません。

・現在、アワビと同じようにセラミックの板を何層にも重ね「軽くて、丈夫で、さびない」夢の材料をつくる研究が進められています。

・この材料が開発されれば、自動車やロケットといった製品をはじめ、人工骨といった医療分野まで、広く活用されるでしょう。

・また、陶器のように高温で焼き固める処理をしなくても硬いセラミックスをつくれるアワビに学べば、極めて効率良くセラミックスがつくれるようになるかもしれません。

・夢のセラミックス開発に向け、NASAなどでも研究開発が進められているアワビの殻。キラキラした光沢は構造色の一種でもある。

           

           

           

ライフスタイルまで考え直す自然に学んだテクノロジー
・自然に学んだテクノロジーは、私たちが直面する地球環境問題の解決策となるのでしょうか。

自然と共に豊かに暮らし続ける新しいライフスタイルを提案し、「自然のすごさ」に学ぶものづくりのトップランナーであり続けてきた石田秀輝さんに、お話を伺いました。

石田秀輝(東北大学大学院環境科学研究科教授)

・1953 年岡山県生まれ。

・伊奈製陶株式会社(後に㈱INAX)を経て、2004年より現職。

・工学博士。

・専門は地質鉱物学をベースとした材料化学。

・自然のすごさを賢く活かす新しいものづくり「ネイチャーテクノロジー」を提唱し、国内外で積極的に活動している。

・ネイチャーテック研究会代表、アースウォッチ・ジャパン理事ほか。

           

           

           

Q.自然に学ぶテクノロジーのアイデアはどのように生まれるのでしょう?
A. 私は頭の中に、アイデアのもとになるような、これからのライフスタイルに必要な要素をたくさんストックするようにしています。

・分野を問わず広くアンテナを張り、これからのライフスタイルに活かせるものがないかいつも考えています。

・例えば、いま日本人の生活用水160億トンのうち40億トンが洗浄のために使われています。

・清潔さは日本人の美徳のひとつかもしれませんが、ちょっと使いすぎですね。

・そこで省資源でキレイ・快適を保つ暮らし方のためにどうしたらいいのかを考えました。

・自然のドアをノックしてマネができそうなものを探したのです。

・最初に思い付いたのは、いつでもピカピカしているゴキブリなどの甲虫類でした。

・でも、これらは分泌液を出して表面をきれいにしているためなかなかマネができません。

次に思いついたのがカタツムリでした。

・調べてみると、カタツムリの場合は分泌液ではなく、殻の構造によって常にきれいな状態を保っていたのです。

・これを応用すれば、少ない水で洗剤も使わずに清潔さを保つタイルなどがつくれそうだと。

・ちなみに、カタツムリなら何でもよいというわけではなく、私たちの研究では、日本産のマイマイをモデルにしました。

・このしくみは、外壁用タイルをはじめ、キッチンシンクやトイレの防汚技術に応用され、INAXの商品として販売されています。

・今開発中のものには、日本文理大学の小幡章教授との共同研究で進めているトンボの翅の形状に学んだ小型風力発電機があります。

・各家庭で発電できるような発電機はこれからのライフスタイルにきっと必要になるでしょう。

微風でも飛ぶことができるトンボのしくみに学べば、弱い風でも発電できる風力発電機ができるのではないかと考え、航空機の開発などを専門とする流体力学に詳しい小幡先生に相談。

・共同研究を進めると、トンボの翅の断面は凹凸の形状をしていて、そこに小さな渦ができることでトンボの揚力が支えられていることが分かりました。

・現在は、発電機の実用化に向けて研究を進めています。

           

           

           

Q.なぜ自然に学ぶものづくりをはじめたのですか?
A. きっかけは、企業に勤めていたころに、ものづくりと持続可能な社会を両立させるためには、どうすべきか悩んだことでした。

・持続可能性を考えると、循環型の社会を目指さなくてはなりません。

・循環システムについて勉強する中で、この地球は、地面の下から大気圏まで含めた大きな循環の中で、完璧に持続的な世界をつくっていることに気づきました。

・また、自然の中では、今の人間の技術では考えられないような小さなエネルギーでさまざまなことが行われています。

・自然は、「完璧な循環を最も小さなエネルギーで駆動させている」のです。

・この素晴らしいしくみで成り立つ自然に学び、デザインし直してテクノロジーとして取り入れることができれば、まったく新しいテクノロジーが生まれるのではないかと考えました。

・そしてもうひとつ、現代テクノロジーは産業革命以降、自然と決別することで発展し、さまざまな問題を生み出してきたことに気づいたからです。

・人類は地下資源を使い、自然界にないものすらつくりだし、思いがけない問題を引き起こしてきました。

・この地下資源型のテクノロジーを全否定するわけではありません。

・しかし、本当に必要なものは何なのか、今改めて考え直してもいいのではないかと。

・そして、地下資源に頼らない、自然と共存する新しいテクノロジーの出番が来るのではないかと思ったためです。

・今の環境問題を踏まえてものづくりを考えるためには、自然に学ぶ姿勢が避けて通れませんでした。

           

           

           

▲新しいテクノロジーへのアプローチは2つの道がある。

Q.テクノロジーが変われば循環型の持続可能な社会につながるのでしょうか?
A. 自然に学び小さなエネルギーで駆動する商品をつくっても、「エコだからいくらでも使っていい」という考えでは、消費量が拡大し、いつまでたっても持続可能な社会にはつながりません。

・実際日本では、あらゆる商品がエコ化し、エネルギー性能は格段に上がったにもかかわらず、家庭部門の環境負荷は増加が続いています。

・私はこれを「エコ・ジレンマ」と呼んでいますが、これを解消し、次世代へと豊かな暮らしを伝えていくためには、ライフスタイルそのものを変えていく必要があります。

・しかし、私たちはこれまでに獲得してきた「豊かな暮らし」を捨てることはできません。

・新たなライスタイルを考えるには、暮らしの中の「豊かさ」の意味を今一度考える必要がありました。

そこで、2004年から社会調査を行い、20代から60代の男女を対象に暮らしに何を求めるのかを尋ねたところ、回答の上位は

・「利便性(22%)」、

・「自然(20%)」、

・「楽しさ(19%)」となり、

「利便性」と「自然」が同程度に求められていることが分かったのです。

・ここでいう「自然」は、大自然の中で過ごすようなものだけを指すのではなく、日常の中でふれあう身近な自然や、自然からもたらされる恵み、生活に活かされている自然素材なども含まれていると考えています。

・真の循環型社会を目指すこれからの暮らしには、人と地球両方のことを考え、心豊かに暮らせるようなライフルタイルが必要なのです。

・そのライフスタイルに向けて、単に自然や生物を模倣するだけでなく、自然の完璧な循環をお手本に、暮らしまで変えていくような新しいテクノロジーを、私は「ネイチャー・テクノロジー」と呼んでいます。

           

           

           

Q.新たなライフスタイルをつくるために、大切なものはなんでしょうか?
A. 人と地球、両方のことを考えながら、自然をお手本にライフスタイルをデザインしていくために重要なのは「自然観」だと考えています。

・地下資源に支えられた近代テクノロジーは、「自然は人間より下にあり、人間はそれを自由に使うことができる」という自然支配を基盤としたヨーロッパの考えのもとに発展してきました。

しかし、日本人にとって、自然は下になどはありません。

・古くから、自然を畏れ、敬い、神の宿るものとして崇めながら、自然と寄り添い共存してきました。

・この日本人が持つ「自然観」をテクノロジーに移し変えたものが、ネイチャー・テクノロジーなのです。

・ライフスタイルまで含めた自然に学ぶデザインというのは、高い自然観と技術力を持つ日本人だからこそできる分野だと思います。

現代社会はさまざまな問題を抱えています。

・2030年ごろには、エネルギーや資源の価格は高騰し、今ほどふんだんに使うことはできなくなるでしょう。

・しかし、そんな厳しい制約下でも、ネイチャー・テクノロジーのシステムを使えば、豊かに楽しく暮らす方法を考えることができます。

・例えば、小さな発電用の風車が各家庭の軒下で回り、

・醤油や砂糖のように蓄えた電気をお隣に借りに行ったり、

・エアコンなしでも快適な家になっていたり、

・省スペースでお手軽・簡単な家庭菜園ができるようになれば、

・新鮮で安心安全な食材が手に入り、冷蔵庫も小さくていい、そんな素敵なライフスタイルを描くことができるのです。

東日本大震災を経て、私たちは変わっていけると確信しました。

・高い自然観を持った日本人が、この新しい一歩を踏み出し、世界に発信していく義務を負っているのです。

           

           

           

石田秀輝さんが研究・開発に携わった自然に学んだテクノロジー
カタツムリの殻で汚れないタイル

雨の季節によく見かけるカタツムリ。

じめじめした場所にいるのに、殻はいつもキレイです。

これは一体なぜなのでしょう。

・殻の表面構造の解析を進めていくと、数百ナノメートルという、とてつもなく細かい溝が殻表面に広がり、常にその溝に水がたまるしくみになっていることが分かりました。

・水がたまっている殻に油をたらすと、水と油は反発し合う性質なので弾かれて、流れ落ちるときに汚れも一緒に落ちていくのです。

・この技術を応用して、いつでもキレイな外壁タイルや、シンクやトイレの材料がつくられています。

           

           

           

土のすき間を活かしたタイルでエアコンいらず!
・電気を使わなくてもいつでも快適な温度を保つ部屋、それを実現したのは土でした。

・土には、4~8ナノメートルほどの小さなすき間があります。

・土を使い、このすき間がある構造を取り入れた材料で家の壁や床をつくると、小さなすき間が、湿度の高いときは湿気を吸い取り、低いときは吐き出すことで、快適な湿度を保ってくれるのです。

・また、土をつくる粘土鉱物そのものにも数ナノメートルの穴があるものがあり、これを最大限利用することで化学物質などの臭いを吸収することが可能です。

・伝統的な土蔵もこのしくみを利用しています。

・この土のタイルも商品化され、暮らしの中に取り入れられています。

           

           

           

滑空名人トンボに学んだ小型風力発電機
最近、再生可能エネルギーとして期待が高まる風力発電。

・しかしこれまでのものは、風車が強風に耐えられえない、微風では回らずに発電できないといった技術的な問題点がありました。

そこで着目したのはトンボ。

・強風時でも無風状態でも飛べるトンボの翅は、航空機の翼とは違い薄板を凹凸に折り曲げたようなものです。

・この構造を詳しく調べてみると、凹凸が小さな渦を生み出し、外側の空気を速やかに流すことで安定した飛翔を可能にしていることが分かりました。

・この技術を風車に応用して実験したところ、微風でも回り、台風にも耐え、かつおおむね一定回転を維持できる風車を、なんとケント紙1枚でつくることができました。

・強風・微風時にも回るだけでなく、小型で安全、軽量、安価と、従来製品の多くの弱点を克服しています。

・「トンボ風車」が各家庭の軒先で回る日も遠くないかもしれません。
引用元⇒生きものを手本に社会を変える“ネイチャー・テクノロジー”

この辺りの情報については、下記記事も参照ください。

           

プラスチックの削減。マイクロプラスチックとは?
世界のプラスチック問題への解決策の調査
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世界各地のごみ、リサイクル、環境教育などの
エコ事情やありがたい取り組み方の調査分析
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