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14歳の栞

「14歳の栞」を観てきた。観れてよかった。

実際の中学2年生のドキュメンタリー。多感な時期、なんていう言葉でまとめて欲しくないほどいろいろなものが詰まっている時期。小学校や高校と比べると中学校は純粋に楽しく過ごせなかったので、受け止めきれるのか...?と観るのを躊躇ったが観て良かった。本当に。

中学2年生としていろいろな作品で描かれがちな、とんでもない出来事や事件にハラハラドキドキ…なんてことは一切無く、誰もが経験した何でもない中学2年生の姿を観ることができる。

中学生活を単純に「楽しかった」や「充実していた」と自分が言い切れない要因である心の未熟さ、それに対するひとりひとりの気持ちや考えが詰まっていて痛いほど心に突き刺さった。もうなかなか味わえない感覚。

もちろん眩しいくらいの青春も描かれている。本当に儚く尊い。観に来ていていた大人が笑っちゃうくらいに。

中学生は何事も純粋に真正面から受け止めている、という当たり前の事を思い知らされる。というか思い出させられる。怖いくらいに。

「学校が、世界のすべてだった頃」というキャッチコピーが全てを表していると思った。逃げ場が無いとも言えてしまう。各々がどう過ごすか、どう立ち回るかに悩まされている。周りの目を痛いほど気にしながら。

今となってはもう少し引いて(というか逃げて)考えることができてしまう。大人になったとか、客観視できるようになったとかそれっぽい表現ができてしまいそうだが、14歳の自分に話しても納得してはもらえないだろう。きっとそういうことじゃない。


21歳の今、観ることができてよかった。高校生の自分では受け止めきれない気がするし、もっと大人になると懐かしいみたいな気持ちが勝ってしまう気がする。そんなことを言いつつ、内容が内容なのでサブスクで配信とかDVD発売みたいなことはされないと思うが10年後20年後に見返して感想の変化を楽しみたいとも思った。

隣の人はめちゃくちゃ泣いてた。僕はまだ泣けなかった。


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