調布市のIE終了対応は無能なのか?

IEサポート終了に関する記事がバズってるっぽい

“インターネットエクスプローラー”今月16日でサポート終了…約27年の歴史に幕 業務システムの更新など対応に追われる企業や行政機関も… | TBS NEWS DIG
記事中で調布市が対応に苦労している様が報じられていますが、特に以下の部分が大人気なようです
>調布市デジタル行政推進課 戸島佑穂主任
>「最初の感想として何で今、急にというのが正直なところではありました。期間の調整や費用面の調整に苦慮しているところです」

Twitterの反応

このノートを書いてる6/17 21時現在、Twitterでエゴサすると調布市の対応を非難するTweetがポンポン見つかります。
主に「全然急じゃない」「前から告知されていた」「調布市職員は無能」といった感じの内容です。
エゴサで見えるうち体感9割以上は批判的なもので、人によっては個人名挙げて好き放題叩かれているのを見て
これそんなに酷いことやってるか……?と疑問に思いnoteを書き始めました

調布市の対応内容

調布市が実際にIEサポート終了に向けてどのような対応をしてきたのか。記事から読み取れる内容を見てみると

  1. 調布市は、会計や勤怠管理などの業務にIEを使っている

  2. 去年5月にサポートの終了が発表されたが、まだ半分ほどしかシステムを更新できていない

  3. 年度内にはすべてのシステムを更新する予定


2からわかるとおり、半分ほどはシステム更新できてます。
いやいやサポート終了したのに終わってねーじゃん!ってなるかもしれませんが、1のとおりいわゆる市民サービスのためのシステムではなく庁内システムのことなのでしょうから、年度内までになんとかなれば耐えられるのでしょう。最悪、一時しのぎで手管理するとかね

そして現在システム更新に着手できているということは、2022年度予算でシステム更新費用の予算を取れていた可能性が高いです。
調布市が公開している予算概要、うち市政経営の概要pdfからそれらしい項目を探してみました。この文脈なら庁内OAシステム管理費がそれっぽいでしょう。記事中にあったデジタル行政推進課って記載もあるしね

2020年度予算が15万円
2021年度予算が約5万円
2022年度予算が約500万円

対前年100倍の予算しっかり取ってますね!外部の人間なので断言はできませんが、これがIEサポート終了対応のための費用なんじゃないでしょうか。

つまり調布市デジタル行政推進課の対応として想像されるのは、
2021年5月IEサポート終了の報せをキャッチして庁内システム更新の必要性に気づき、
更新費用の見積もりや上役への根回しを行って2022年度予算を勝ち取り、
早くとも予算が議会で確定した2022年3月24日以降にベンダーと正式契約を結んでシステム更新対応を開始し、
費用のやりくりや庁内の調整等しつつ遅くとも6月15日(記事公開日)までに半分ほどはシステム更新終わらせた
といった流れになります。

これ、そんなに無能かなあ???
私にはちゃんと仕事してるように見えるんですが

「IEのサポート終了自体は何年も前から予告されていたからもっと早く対応できたはず」という論調も見かけましたが、
これだけ議会と市民が注視してる予算案のなかで、「いつかは使えなくなるけど、とりあえず現時点では使えてる庁内システムの更新費用」なんて取りに行くの相当厳しいのは想像に難くないです。
調布市で500万あったら子供の一時預かり事業の補助金を倍にできるみたいですよ。それ押しのけて予算取れないでしょう

殴りかかる前に一歩立ち止まって考える人間でありたい

まあ批判する気持ちもわかる。「何で今、急に」なんて書き方されたら誤解しちゃうよね。面白おかしく狙った書き方している記事の方も悪いと思います。
ただパッと自分には理解できないようなことが起きていた時、安易に「当事者が無能だから」「怠惰だから」「邪悪だから」そうなったのだと決めつけて殴りかかるのはよくないですよね。
殴りたくなっても殴りかかる前に一度落ち着いて、自分の認識に誤りはないか、当事者の視点に立ってみたら別の見え方はしないか、悪意でなく善意を仮定してストーリーが成り立たないかなどなど、立ち止まってよく考える人間でありたいと思っています。
まあ私も未熟なので、立ち止まれなかったり立ち止まっても結局殴ったりも多いんですが。そういう心持ちではいたいと願います

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