山奥ニート日記04/03−小屋の住人が決まった

13時くらいに、部屋をノックされた。

その2時間くらい前から眠りからは醒めていたけど、ずっと布団の中だった。

よいしょと寝床から這い出ると、立っていたのは知らない人。

これはよくあることで、すぐにお客さんだとわかった。

陽が高い時に呼び出されるのは、大抵の場合そんなに嫌じゃない。

むしろ、このまま何もなければ昨日と同じく一日中ひきこもってしまいそうだったので、気分を変えるきっかけになってありがたいくらいだ。

住む人を募集していた、畑の小屋が気になるということだった。

ちょうど他の共生舎住人が畑に軽トラで行くようだったので、一緒に乗っていく。

道中で、タツと呼んでと自己紹介される。旅慣れている雰囲気があった。

畑に到着して、小屋を簡単に案内する。気に入ってくれたし、僕もタツさんのことをいいなと思ったので、そのまま住んでもらうことに決めた。

これで畑の小屋に住む人は決まったわけだけど、畑は使ってない土地が多すぎるので、そっちに自分で小屋を建てる人が現れたらいいなと思う。

共生舎に戻ったあとは、タツさんとは別のお客さんが買ってくれた缶ビールをいただいた。外に出て、緑の葉が出始めた桜を見ながら飲んだ。

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それでも、この頃のなんとなくのだるさを払拭することができず、日中は何もしなかった。リビングにいたももこさんとあっちゃんに「最近なんかだるいよね」と聞いたら同意してくれたので、共生舎全体がそういう感じなのかもしれない。リビングにいる人も少ない。原因は気圧か、気温か、何なんだろう。5日に集落の食事会があるので、それを待っている気分なのかも、とあっちゃんは自説を言った。

ツイッターで個人ブロガーの人からDMでインタビューがしたいと連絡があったので、快諾する。他人と話したら気分が変わるかもしれない。

何となく点けていたテレビで、安住アナウンサーが長澤まさみから「おばさんっぽい」と言われていた。それに対して安住さんは「距離を縮めようとすると、中性的にならざるを得ない」と答えていて、含蓄があるなと思った。男性が旧来の男性的なやり方で親しくなろうとすると、ハラスメントになりかねない。僕自身、男らしい距離の詰め方は苦手だ。

誰かと一緒に金曜ロードショーや探偵ナイトスクープを見られるのは幸せなことだ。僕はニートで、曜日とは無関係なように思われるけど、これがあるから金曜日は少し楽しみだ。

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