人が急に倒れたら・・・

こんにちは!


今回は「家族が倒れて心臓が止まってしまった時の対処法」について書いていきます!


皆さんは大事な人っていますか?家族でも友人でも恋人でもいいですが、その大事な人が急に倒れ、反応がなくなったら、どうしますか?仮にそういう人がいなくても、外を歩いている時に、急にそういう場面に居合わせたら・・・。


そういった、できれば起こってほしくはなくても、起こり得る場面の対処法についてです。


いきなり人が倒れた!誰しも、びっくりすると思いますし、怖くなってしまうと思います。そういった場面では、できる限り心を落ち着かせ、周囲の安全を確認します。倒れた場所が車通りの多い道路とかであれば、ひかれないように安全な場所に移動させる必要があります。また、座った状態で意識を失っているのは倒れたら危険ですし、頭に血液が届きにくいので、優しく横にしてあげましょう。


その上で、呼びかけて反応をみましょう。反応があれば、最悪の状態=心臓の止まっている状態ではありません。仰向けは喉が詰まりやすいので、服をゆるめて、横向きにして寝かせてあげて、助けを呼んでください。すぐに救急車も呼びましょう。


もし、反応がなければ・・・。やっぱりその時にも、すぐに助けを呼びましょう!助けを呼ぶのは非常に大事です。


緊急事態では一人ではできることが限られていますし、心臓が止まった場合には、有効な治療を一刻も早くやることが大事です。1秒治療が遅れるごとに、息を吹き返す確率や、元気に社会復帰する確率はどんどん下がっていきます。少しでも早くAED(後で説明します)を持ってきてもらう、救急隊に来てもらう、病院に運ぶなどしなければならないのです。


助けを呼ぶ際には、AEDを持ってきてもらうこと、救急車を呼んでもらうことを頼みましょう。AED(Automated External Defibrillator)とは、自動対外式除細動器のことです。人が心停止になった時、心臓がブルブルと震えて、全く血液を体に送れていない、という状態のことがあります。心室細動、という不整脈の一種ですが、それは電気ショックを与える(=除細動)ことで、心臓が正常に動き出すことがあります。この除細動も一刻も早く行うことが非常に大事です。


AEDは倒れた人に装着することで、除細動が必要かどうかも教えてくれる優れものですから、できるだけ、倒れてから短い時間でAEDを装着し、必要であれば除細動を行うことが大事です。やり方も自動音声が教えてくれますから、とにかく、電源をオンにして(開くと自動でオンになるものもあります)、装着すること、それだけを意識してください。


AEDは駅などには多くの場合置いてありますし、交番にもあることがあります。パチンコ中に突然倒れる人(興奮して?)も一定数いるので、パチンコ屋さんにも置いてあることがあります。


AEDも非常に重要ですが、それ以上に重要なのが胸骨圧迫です!心臓マッサージともいわれることがあります。心臓はポンプの役割で全身に血液を送り込んでいます。いかに胸骨圧迫(心臓マッサージ)で、心臓から血液を体に送り込めるか、それが命をつなぐことに直結します。


胸骨圧迫のポイントです。

① 正しい場所を押す
胸の真ん中を押してください。2つの乳首を結んだ線の真ん中を目安にします。正確には、押すのは胸骨の下半分です。胸の真ん中にあるのが胸骨です。その下半分ですが、気をつけるのは、胸骨の一番下には剣状突起という突起があり、それが折れると危険ですし、お腹の臓器を痛めるといけないので、下過ぎは注意です。
あとはピンポイントで押すためには、手を重ねて、手の付け根(掌底)で押すと良いと思います。

② 正しい深さで押す
しっかりと押して、心臓から血液を送り出さなければなりません。逆に押し過ぎれば内臓を傷つけてしまいます。では、どれくらいの深さが適切なのか?それは5-6cmです!
実際に測るのは難しいので、だいたいの感覚でやるしかないのですが、けっこう力が要ります。コツは、腕の角度を地面と直角にする、つまり、覆いかぶさるようにして、腕の力だけでなく、体重を使って押すことです。疲れてきて、しっかりした深さで押せないと意味がなくなってしまいますから、頑張ってください!

③ 正しい回数押す
効率よく血液を送り出せる回数も研究されており、1分間に100から120回とされています。1秒に2回程度ということですね。それより遅くても、速すぎてもいけません。遅いと、体に届く血液が少なくなってしまいますし、速すぎても、しっかり血液を送り出せないとされています。

④ しっかりと押したらしっかり戻す
心臓をポンプのようにして血液を送り出すため、しっかり押して血液を送り出し、しっかり戻して血液を満たすことが大事です。これを繰り返すことで、血液を体に届けることができるのです。


人工呼吸をしている姿をテレビや漫画などで見たことがあるかもしれません。できればやっても良いのですが、救急隊や病院でなければ胸骨圧迫さえすればいいとされています。


どういう時に胸骨圧迫をすればいいのか、ですが、反応ない人で、呼吸をしていなければ胸骨圧迫をしてください。たまに心臓が止まったばかりの人はゆっくりした、深い呼吸(死戦期呼吸といいます)をしていることもあります。胸の動きなどを見て、息をしているかを判断し、息をしていなければ胸骨圧迫です!


脈を見るのは難しいこともあり、見てもいいですが、わからなければ胸を押しちゃってください!心臓が動いてる人に間違えて胸骨圧迫してしまったら・・・、と思うかもしれませんが、そのせいで障害を生じることは稀であり、逆に心臓の止まった人に胸骨圧迫が遅れることの方が悪いとされています。


あとは救急隊が来てくれるか、体が動くなど、心臓が再び動き出したことがはっきりわかるまで、AEDを装着し、ひたすら胸骨圧迫をし続けます!


AEDは2分ごとに除細動が必要か判定しますので、その間は休憩できますが、だいたい10秒以内なので、2分押して、10秒休憩のシャトルランみたいになります。そういう意味でも、助けを呼ばないと、非常にきついことになります。AEDがなければ、休みなくひたすら胸骨圧迫です!


以上の流れをまとめると

1. 人が倒れたら、周りの安全を確保した上で反応をみる

2. 反応がなければ、助けを呼び、救急車、AEDを頼む

3. 呼吸の有無を確認し、なければ胸骨圧迫開始

4. AEDが届いたら、少しでも早く装着。以降はAEDの自動音声に従う

5. 救急隊が来るか、心臓が動き出すまで胸骨圧迫、AEDを続ける



もし、人が倒れたところに出くわしたら、この記事を思い出して、助けてあげていただきたいと思います。この内容はBLS(Basic Life Support)と呼ばれており、半日とかで学べるコースも各地で開催されていますから、是非調べてみてください(医療従事者向けのものが多いですが、市民向けに開催されているものもあります。今はコロナで開催できないことも多いですが)。

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