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夏休みにはいきません(FF14をやめるにあたって)

※『黄金のレガシー』を楽しみにされている方はここでブラウザバックしてください。気分を害された場合の責任は負いかねます。




 はじめまして。FF14を遊んでいる者です。
 ここ1年ほど、幾つかの疑問を胸の内に抱えながらもこれまで通りプレイを続け『黄金のレガシー』の新情報を拾い続けていました。
 しかし、先日6/14(金)に配信された第82回 FFXIV PLLを視聴して「今の運営とサービスに対してこれ以上料金を支払うべきではないな」という方向に気持ちが振り切れてしまいました。
 その選択に至った理由と、じゃあどうして欲しかったんだよという部分について触れていこうと思います。


筆者について

 2016年からFF14を遊んでいます。先ほど総プレイ時間を確認すると6,000時間ほどでした。
 主なコンテンツの踏破状況については、次元の狭間オメガ:デルタ編以降はすべて零式4層を終えています。
 禁断の地エウレカはバルデシオンアーセナルをクリア、セイブザクイーンは戦果記録帳コンプ、グンヒルド・ディルーブラム零式クリア。
 ヴァリアントダンジョンはシラディハ零式までクリアしましたが、システムそのものと報酬に魅力を感じることができずそれ以降触っていません。
 長期間の固定を組める環境ではないため絶シリーズは敬遠していましたが、今年に入って友人から声がかかり、都合もついたので絶アレキだけクリアしました。とても楽しかったです。
 オフイベやゲーム外のグッズ展開、他のFFシリーズなどにはあまり興味がありません。FF14を遊ぶ最大の目的は「友人と楽しく共通の時間を過ごす」ことであり、その点においては現時点でもこれからも一定の価値がありつづけるだろうと思っています。

何が不満か

 先に要点をまとめると『蒼天』『紅蓮』『漆黒』の期間が本当に楽しいゲームであったことに対し『暁月』の期間があまりに空虚であったこと、その乖離が『黄金』で修正されるとは現時点で思えないことが大きな理由です。
 仮にFF16など他タイトルの開発による影響があったとしても、ほぼ変わらない価格帯の拡張パッケージと月額料金が課されている以上、そんなことは知ったことではないというのが正直な気持ちです。
 以下に、どういった部分が「空虚」であると感じたのかを述べます。

①6.x期間における、エウレカ・ボズヤに並ぶ大規模バトルコンテンツの欠如

 それまでFF14を満喫していた私が、このゲームに対してはじめて「おや?」と思った点です。
『紅蓮のリベレーター』と『漆黒のヴィランズ』期間においては、リリース直後にメインストーリーを楽しんだあと、随時展開されるレイドコンテンツに加えてエウレカ・ボズヤ両エリアでの新たな冒険が用意され、その過程で光り輝く武器作りも進めることができ、クロニクルクエストや討滅戦も充実して、遊んでも遊んでも新しいモノとの出会いが尽きぬうちに次の拡張が発売されるという濃密なボリュームを享受できていました。
『暁月のフィナーレ』ではそれら大規模バトルコンテンツの実装が見送られ、その位置に収まったのは強いていうならヴァリアントダンジョンなのでしょうが、あらゆる面で開発コストをケチったのかな…と思わされる作りが目立ちました。
 水道零式のクリアを踏まえたうえで、フレンドたちと六根山に挑むかどうかという話し合いになり「ヴァリアントダンジョンに費やす時間で別のゲームをやりたい」という結論が出ました。しばらくの間おなじ4人で傀異化モンスターをしばきに行っていた思い出があります。
 仮に、何度も遊びたいと思わせる魅力的な報酬が設けられ、ヴァリアントダンジョン3種を零式までクリアしていたとしても、水道攻略にかけた時間と世に出ている攻略情報から見積もると、それでも拡張後半を遊んで過ごすためのバトルコンテンツとしてはかなりボリューム不足だと感じます。

『黄金のレガシー』では大規模バトルコンテンツが復活するという情報も既に発表されているので、この部分をあげつらえて次回拡張への不安とするのはズレているのかもしれませんが、長い長いナギが訪れると予め分かっている中でヴァリアントダンジョンを出してくる今の開発チームが満足な新コンテンツを出してくれるか考えると、あまり期待はできないなというのが個人的な思いです。

 なので、実際にリリースされた内容を確認してから、長く遊べそうだなと確証を得ることができれば拡張パッケージを購入して復帰すると思います。

②武器制作コンテンツの簡略化

 ①でも少し触れましたが、『紅蓮』と『漆黒』では拡張後半に実装される新しいコンテンツを遊びながら、並行して各ジョブの光る武器を作って育てる楽しみがありました。
 マンダヴィルウェポンが発表された時には「暁月はエウレカもボズヤも無いから、ヴァリアントダンジョンやニーアのアライアンスレイドを周回するのかな~」なんて友人達と話したりもしていましたが、いざ蓋を開けてみると全工程がトームストーン交換で済んでしまうという味気ないものでした。
 そのシステムについて、吉田氏はインタビューでこう発言しています。

――これまでのマンダウィルウェポンは、アラガントームストーンを使うことで、さまざまなコンテンツをプレイして強化を進められる形になっていましたが、最終強化も同じ方向性になるのでしょうか?

吉田 はい、今回のシリーズはそれを崩さないようにしています。これは過去の武器強化コンテンツの中で、どれぐらいのプレイヤーの方が何本の武器を作ったかというデータを見て決めました。ただ、今回の強化方法を「手抜きだ」とおっしゃる方もいて、難しいところですね……。昔の武器強化コンテンツのように凝ったことをやると嫌悪感を示す方もいれば、今回のような強化方法は物足りないと感じる方もいます。*ここはたぶん、相容れないだろうなと思っています。

*太字化筆者

https://www.famitsu.com/news/202309/19317318.html


「多くの人が」「通常プレイのついでに」作れる武器であることを目指したかったという旨の発言が各所で為されていますが、そのニーズは過去から一貫して既存のトークン武器が満たしているはずです。
 ルーチン化したプレイとは別枠で、特別な目的のために時間を費やすからこそ過去の武器制作クエストには価値があり、その成果として出来上がった武器(の外見)にもまた愛着が湧くのだと私は思います。
 武器制作に関わる一連の過程がハムスターの回し車に喩えられているのを目にしたことがありますが、マンダヴィルウェポンの場合はその車輪すら配られなかったという気持ちです。MWがあろうとなかろうと日々のルーレットは回しますし。
 また「相容れないだろうな」とプレイヤー側の性質のどちらかを取らなければいけなかったかのような主張になっていますが「様々なコンテンツをプレイヤーに遊ばせつつ、武器制作専用に新しいマイルストーンを設置する」という作業は決して不可能ではなかったはずです。ヴァリアントダンジョンやオルト・エウレカなど、活用できたはずのコンテンツはいくつか思い当たります。
 これは完全な邪推になりますが、武器制作専用のスクリプトを新たに構築するコストを惜しんだとか、コンテンツファインダーにキューを入れるプレイヤーの減少を恐れたんじゃないのかと疑ってしまいます。

 このように「プレイヤーが味わう新しいゲーム体験」と「その制作にかかる労力」の総量を想像してみたとき『紅蓮』『漆黒』に比べると『暁月』はとても物足りない拡張パッケージでした。
 『紅蓮』や『漆黒』のときと同じ体験ができるという確証があれば、私は今すぐにでも喜んで黄金のレガシーを購入します。しかし残念ながら、今日に至るまで発信された情報だけでは、その懸念を払拭することができません。
 頑張っている、忙しい、苦労しているとPLL等で吉田氏は発言されていますが、頑張った結果がこれなのであれば次回の拡張も同じような水準の開発規模になるんだろうなとしか思えません。

③キャラ成長システムの限界点

 『黄金のレガシー』では、ついにキャラクターのレベルキャップが3桁の大台に乗ります。これが他のゲームであればとうとうこんなところまで来てしまったなという思いに浸ることができるのでしょうが、FF14においては少し話が変わってきます。
 前提として、FF14のゲームシステムはキャラクターの育成と装備選びにはほとんど自由度がありません。一応マテリアによるステータスの微調整はできますが、出来上がった料理に醤油かけるか酢醤油かけるか程度の味変にしかなりません。
 決まったレベルで決まったスキルを習得し、ステージに課されるギミックをこなしながら、想定された最高効率のスキル回しをどれだけ綺麗になぞれるか減点方式で試されるゲームです。その構造自体を否定するつもりはありませんし、この形だからこそ遊んでいるプレイヤーも数多くいらっしゃるかと思います。

 ただしこの「予め定まった成長路線」に加えて「ホットバーの物理的なキャパシティ」「1GCDにつき2アビリティまでの制約」が存在しており、これらの組み合わせにより「私のキャラが強くなった」という確かな実感を得られる限界点をもう過ぎてしまっていると感じます。
 スキルアイコンの自動置き換えという機能を新しく実装されるようなので、ホットバーの限界については開発側も対策を打ち出そうと頑張っておられるようですが「既存のバフを押したら新要素のスキルが使える」という方向の調整ばかりでプレイフィールが容易に想像できてしまい、早く触ってみたいという気持ちにはなりませんでした。
 ジョブ調整の時期になると「触ってみなければわからないから」という論調になることもありますが、何千時間も愛着を持って触れてきたゲームとキャラクターです。スキルの説明文があればその動きや効果を推察できないはずがありません。

 またPLL等の発信の場では「既存スキルの上位互換」を新しいスキルですよとアピールされていることもありますが、個人的にはそれを新要素だと受け止めることができません。(多くの場合)スキル回しに影響は無く、ダメージの変化を確認する術には乏しく、モーションやエフェクトが派手になるくらいの恩恵しかありません。レイドに行くとエフェクトは切りますし、モーションを眺めるヒマもありません。
 リロードの概念が存在していた頃から機工士がお気に入りジョブでしたが『暁月』『黄金』を通じて新要素の半分以上を上位互換スキル(レイドで出番の少ない範囲攻撃スキルを含む)とクイーンの自動発動スキルに持っていかれて肩を落としました。上位互換スキルの習得は、新要素を入れてもらえたはずの機会の損失に等しいのではないかとさえ思ってしまいます。

 キャラクターの成長を形にする方法として、他ゲームでは「スキルツリーを枝分かれさせて自由度を生み出す」「既存スキルに個性的なパッシブ効果を付与する」「他のジョブが持つスキルを使えるようにしてビルドの幅を持たせる」などの手法が用いられていますが、FF14にそれらの要素を持ってくることは、ゲームシステムの面からも、醸成されたコミュニティの空気からも難しいことではあると思います。
 それでも「スキルアイコンの自動置き換え」という手段を実装するに至ったことは、現状の成長システムとして(予期できていた)一つの限界点がついに訪れたという意味でもあるはずです。できることならこのタイミングで将来の拡張性も確保した抜本的な改造を待望していました。この方向性だと、8.0はどうなるんでしょう。

④信頼できない情報発信

 『黄金のレガシー』にはお金を払えないという思いに至った最大の理由です。極端な話をすれば、不満な点が上に挙げた3つの項目だけであればまだゲームを続けていたと思います。

 直近のFF14に関わる話題として、最もホットなものはグラフィックアップデートとベンチマーク再リリースについての反響だと思います。先に言っておくと、私のキャラも別人のような顔になってしまいましたが、種族ポリゴン統一化による開発コスト削減の取り組みとしての結果であれば我慢して受け入れなければいけない程度の変化だと考えています。
 ただし、各所の情報を読んでいる限り、これはプレイヤーの満足度向上のために打ち出された施策であると受け止められてもおかしくない説明をされているので、フォーラムでたくさんの方が要望を書き込まれているのも無理はない話だと思います。

 問題は、これらの情報発信に際して運営側の尊大さ・不誠実さが伴っているのではないかという点です。
 グラフィックアップデートとベンチマークの再リリースに関する最新の告知にはこうあります。

① ベンチマークソフト更新日について
第81回プロデューサーレターLIVEでお伝えしておりました、5月30日(木)もしくは31日(金)から数日遅れとなり恐縮ですが、リリース日は2024年6月3日(月)とさせてください。
こちらは既に最終デバッグに入っているものの、最終ローラーチェックの初日に、動作についてのソフトウェアの不安定を誘発する不具合が見つかったため、こちらを修正して再度ローラーチェックを行っております。そのため予定よりも1日強の遅れが発生してしまいました。
また、6月1日(土)と2日(日)の両日は、開発チームが作業をしているビルの法定点検日と重なっており、全館完全停電になるため、リリース後になにか問題が発生した際のフォローが行えない状況です。できる限りリリースと同時にフルサポートをさせていただくため、週明けとなり恐縮ですが、リリース日を6月3日(月)とすることで対応したく存じます。

https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/topics/detail/f961c5f62fd4df8f4db3f03020d9606ba9581d65/

 ハウジング抽選システムの不具合が起きたころから、Lodestoneに掲載される告知文の中身がずいぶん胡乱になったと感じていましたが、今回は特に酷いものでした。
 ローラーチェックという聞き慣れない言葉がまず目につきますが、英語版Lodestoneの告知を見るとfinal reviewに訳されているので何を指した言葉であるかは概ね伝わります。
 その次の部分が、どうしても理解できません。ビルの法定点検の事情などはサービスを利用している我々プレイヤーにとってなんの関係もありませんし、前日になって突然告知されるものでもありませんから、プレイヤー向けのお知らせに盛り込む必要のない要素です。
 そもそもリリース直後からのフルサポートを予定しているのであれば、停電の直前に仮のリリース日を定めることすらしないのではないでしょうか。
「我々は作業したかったけど、ビルのせいでできません」と責任を他社にシャークしたい意図がなければ、この文面は取り除いてよいはずです。

 余談ではありますが「開発チームが作業をしているビル」がスクエニ本社の入る新宿イーストサイドスクエアを指しているのであれば、同じビルに入る商業テナントも同様に6月2日の停電・臨時休業告知を5月初頭には出されています。そちらを参照すると、6月1日土曜日の夜22:00までは通常営業されていました。Lodestoneの告知文と若干の齟齬があるように感じます。
 
 話をもとに戻すと、この段の最後は「新ベンチマークのリリースと同時にフルサポートしていきたい」という旨の文で締められていますが「フルサポート」という言葉もまた正体の分かりづらい表現です。万全のサポート体制を敷くという意味合いであることまでは分かりますが、この「フル」がおそらくプレイヤー個々人によって受け止め方が変わってしまう部分であり、新ベンチ公開後もフォーラムへの反響が止まらない最大の要因であると考えます。

「要望やバグ報告を出せばすぐに汲み取って、速やかに修正してベンチマークソフトを更新してもらえる」
「提出した要望は、『黄金のレガシー』リリースまでにすべて対応してもらえる」
「提出した要望はすぐに反映されないとしても、『黄金』リリース後順次改善してもらえる」
 いろいろな解釈ができますが「フル」という言葉を用いられた以上、受け取り手側が想像する最大限の形でプレイヤーにとって有益な対応をとってもらえると期待してしまう心理があると思います。

 少なくとも私は、発表後に行われるPLLのタイミングで「フルサポート」に値する動きが進んでいることが説明されるのだろうと思っていました。
 しかし約5時間に及ぶ配信の中で、このベンチマークやキャラクターグラフィックの調整に関する言及は一切ありませんでした。私はこの配信を見終わった時に「もうやめるか」という決心をしました。
 基調講演や過去のPLLでは、全種族の顔画像を用意してそれぞれ仔細に解説するなど、グラフィックアップデートがかなり力の入っていた取り組みであることを窺い知れました。ベンチマークの発表以前はあれほどまでに時間を割いてアピールしていた内容について、発売直前、最後の情報発信の場では一切言及しないということが、果たして正常な状態なのでしょうか。

 良い意味でも悪い意味でもユーザーの関心が高まっている部分でありながら、未だ我々は『黄金のレガシー』が始まった瞬間に自分のキャラクターがどのような顔をしているのか知らされないままでいます。
 
仮に新ベンチでのキャラクターグラフィックがそのままサービスに適用されるのだとしても、それならそうと説明するべきでした。そこに言及しないまま「予約してね」と促したり、草花のグラフィックについて何度も自賛している光景には、ある種の不気味さを感じました。

 そして私が真に危惧しているのは、今の開発体制ではこのようにプレイヤーにとって不利益な事象が、キャラクターグラフィック以外のあらゆる分野でも起こり得るのではないかという部分です。

 この傾向は、ベンチマークのリリースに起因してはじめて顕在化したものではないと考えています。最も顕著な例がパンデモニウム天獄編の時期に長期間発生していたデータセンタートラベルの障害と移動規制の件です。

 ゲームの性質上、人が多ければ多いほどスムーズにコンテンツが進行できるので、アクティブプレイヤーが一極集中することは容易に想像がつきます。それでもDC再編を決行して、結果的にプレイヤーが何ヶ月も不便な思いをしながら遊び続けなければいけない状態になっていたことへの対応は「ピークタイムを避けてご利用いただくなどのご協力をよろしくお願い申し上げます。」の一文だけで済まされていました。

 しかもこれらは、DC再編直後の煉獄編では起きていなかった事象です。Steamdbの同接推移を見ると、天獄編時期のアクティブ人口は煉獄編実装時期に比べて2割ほど減っています。一部プラットフォームのみの指標とはいえ、プレイヤーが減っているという事実も踏まえて考えると、なぜあれほど長い間DCトラベルに制限を課されていたのだろうと疑問でなりません。
 レイド勢プレイヤーたちの意識と行動が変わった程度でパンクするほどギリギリのキャパシティ設定だったのでしょうか。接続者数の公開されないプラットフォームのみで爆発的に人口が増加したのでしょうか。まったく想像がつきません。
 なんにせよ、これこそ吉田氏名義での説明が必要なタイミングだろうと当時から思っていましたが、Lodestoneにそうした告知が掲載されることはついぞありませんでした。

 こうした問題が起きること自体は仕方がないとしても、その対応に数ヶ月単位で時間をかけたり、要領を得ない説明のみで済まされたまま月額料金を支払い、あまつさえ仕上がりの不確かな拡張パッケージに前もって別途料金を支払うかと言われたら、さすがにもうNOです。

どうしてほしかったのか

 ここまで書いて、では自分はどんな説明が為されていればこのままプレイを続けていたのか考えてみます。とはいえ答えはシンプルです。

・パッケージ料金と月額料金に見合うと感じる(私の場合は『紅蓮』『漆黒』のような)ボリュームのゲームを遊ばせてほしい。
・一度打ち出した方針を、有耶無耶にしたりシレッと変えたりしないでほしい。プレイヤーにとってマイナスな事象が起こるときは、問題と真摯に向き合い、料金に見合うプレイ環境を維持するよう努めてほしい。

一度打ち出した方針を、有耶無耶にしたりシレッと変えたりしないでほしい。

 ここについては初めて言及しますが、FF14に関する情報を長年追いかけていると「前と言ってること変わってない?」と思うことが多いです。直近でいえば「遊びたい人だけ遊べばいいもの」といつかのPLLで言われていた事件屋クエストを、マンダヴィルウェポン制作の前提条件にしたのは驚きました。
 幸い私は履修していましたが、前提であると発表されてから慌てて始めるにはあまりに長すぎるクエストラインです。内容もかなり人を選ぶ部類ですし、ムービースキップでは避けられない際立った表現もあった気がします。

 サービス提供期間が長くなれば、一度定めた方針を曲げなければいけない時も少なからず訪れるとは思います。そういった事態が起きた際は、もう少しプレイヤーのことを慮ったケアにまで気を配ってほしいと感じます。

 というか、まさしくスクウェア・エニックス・グループのパーパスとバリューズが私の言いたいことをそのまま表現してくれているので、そちらを引用します。

スクウェア・エニックス・グループのパーパス
無限の想像力で、新しい世界を創り出そう。
スクウェア・エニックス・グループの従業員一人一人が「無限の想像力」を発揮して、より自由にかつ積極的に新しいコンテンツを生み出すこと。そして、一人でも多くのお客様にそのコンテンツの魅力を伝え、心に届けることで、お客様の日常に「新しい世界」が生み出され、やがてそれが「思い出」となることで、より豊かな人生を送ることに貢献したい、という想いが込められています。

スクウェア・エニックス・グループのバリューズ
心にまで届けよう
全力で挑戦しよう
すばやく先駆けよう
みんなで高め合おう
進化し続けよう
誠実であろう

https://www.jp.square-enix.com/company/ja/purpose_values/

 このバリューズが履行されていると感じられるゲームであれば、私は楽しく遊べると思います。

なぜここまで辞めなかったのか

 これだけ不満があるならば、もっと早く辞めておけよという意見もあるかと思います。今日までその決断に踏み切れなかった要因は、大きく分けて2つあります。

①8年間積み重ねてきたものを手放してしまう勿体なさ

 サンクコスト効果という言葉がありますが、FF14には長い時間と相応の金銭を費やしており、緩やかにつまらなくなってしまっても「辞めたらキャラやこれまで頑張った時間がムダになるなぁ」という思いのもとで辞め時を失って遊び続けていました。

②FF14を介して繋がっている友人たちの存在

 どちらかといえば、これがゲームを辞めなかった最大の理由です。8年間の冒険の中で数多くの人と新しく知り合い、中にはエオルゼアを飛び越えて現実の人間同士としての日常的な交流を持つまでに親密になった人たちもいます。こうした友人たちとの出会いはFF14が無ければ絶対に有り得なかったことで、FF14が私の人生を良い方向に変えてくれたゲームであることは紛れもない事実で、そこには本当に感謝しています。
 また、FF14を通じてしか交流を持たないものの、疎遠にはなりたくない大事な友人達も存在します。彼らとの交流が途絶える寂しさ、今後彼らからのゲームの誘いを断ってしまうことになる後ろめたさ、このネガティブな要因によってFF14を続けなくてはいけないという気持ちが保たれていたこともまた事実です。

総括

 結果的に私は少なからぬ不満を抱きながらもダラダラとプレイしていたことになりますが、客観的に見れば「サービスのクオリティを下げられたと感じているにも関わらず従来通りに金を支払い続けている客」であり、事業者からすればとても美味しい層の客だったと思います。もし同じようなプレイヤーが数多くいるとするのであれば、サービスの満足度を下げても収益はある程度維持されるという構図が出来上がります。

 つまり、このままの状態でいても楽しかったあの頃のゲーム体験はもう帰ってこないんじゃないかと思っています。好きだったゲームを好きなままでいるためには、楽しかったゲームが楽しいコンテンツを生み出し続けてくれることを願うのであれば、現状を変えたい、変わってほしいという意思を行動で示さなければいけないと感じました。

 開発に尽力してくださっている皆様、一緒に遊んでくださったエオルゼアの皆様、今まで本当にありがとうございました。楽しい楽しい8年間でした。
 私の冒険は一旦ここで終わります。
 夏休みにはいきません。


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