Acid Blood

元AC4のKarl Backmanを中心に結成されたUmeå(スウェーデン)発のフィメール・ボーカル・ハードコアバンド、Acid Blood。

2019年にドイツのJanML RecordsからLP(+デジタル)のみでリリースされたセルフタイトルの1stが、今年11月にアメリカのDead Beat Recordsよりボーナストラックを2曲追加してCDでリリースされた。
今回はCD版を準拠として紹介する。


Acid Bloodは上記の通り、紅一点のJojo Anderbygdをボーカルに据えたハードコアバンドである。女性ボーカルとはいえ極めて嗄れた歌声だが、時折女性らしいキュートさが垣間見える。
その彼女が、他のメンバーと共に血糊を頭から被りながらトップレスで写るアートワークは非常に強烈な印象を与える。


ただしAcid Bloodの特徴は女性ボーカルに限らず、The StoogesやMC5、AC/DCやMotörheadに影響を受けたようなロックンロール色の強いサウンドで、The HellacoptersやThe Hivesなど同じスウェーデン出身のバンドと共通する部分も多々感じる。


アルバムは自身のバンド名を冠した"Acid Blood"から始まる。
粗削りな演奏の楽器隊と、ひたすらガナり立てるボーカルが塊となって爆走する同曲は言うまでもなくバンドの代表曲だろう。

M4"Don't You Die"やM7"Wasted"のリフはThe Stooges、それもJames Williamson時代の非常にロウでパワフルなサウンドを彷彿させるし、M3"Bleeding Out"やM10"Running From A Bullet"には往年のハードロックバンドや上述のThe Hellacoptersから受け継いだ「ロック魂」に満ち溢れている。
M11"Waste No Time"ではJojo嬢がブルースハープを吹くパートもあり、LPでは最後の曲となるM14"Wartimes"も5分近くに及ぶ内容で、日本のthee michelle gun elephant同様パンクやガレージに加え"ブルーズ"も彼らにとって重要な要素であることが伺える。

ボーナストラックのM15"Dagger Eyes"とM16"Full Speed Ahead"は先述の"Wartimes"と併せて元々彼らの最初のEPに収録されていた曲。
特に後者はタイトル通りのファストナンバーで、彼らのハードコアバンドとしての神髄がここにはある。


下記にバンドの公式アカウントを掲載する。

Facebook
https://www.facebook.com/acidbloodumea

Instagram
https://www.instagram.com/acidbloodumea/

YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCRvg5w16_xYbtghZAKN1xNA


また下記にLPとCDの購入サイトを載せる。
JanML Records自体のサイトもあるが、日本から買う場合はBandcampを通じて取引すると分かり易いのでオススメ。
CDは現時点でレーベル直販から買うしかないが、海外サイトを通じて購入した経験が皆無に乏しい筆者でも分かり易かったので、心配は無用と思われる。

LP:JanML Records
https://janml.bandcamp.com/album/acid-blood

CD:Dead Beat Records
https://shop.dead-beat-records.com/collections/new-arrivals/products/acid-blood-s-t-cd-reissue-with-2-bonus-tracks


さらにサブスクでも聴くことができる。
まずは各サイトで視聴してみるのも良いだろう。

Apple Music
https://music.apple.com/jp/album/acid-blood/1536858844

Spotify
https://open.spotify.com/album/2PKTuYRVMnHCuNZKiXfO0h


最後に、日本屈指のパンクファンジンEl Zineにて同バンドのリーダーKarl Backmanによるコラム"Umeå Punk City"が連載中。
バンドの最新情報だけでなく、Umeåの音楽シーンについても様々な情報が得られるし、同バンドについて日本語で情報を掴めるのが恐らくこの連載以外にないと思われる。

筆者もEl Zineの同コラムを通じてAcid Bloodを知り、ジャケ買いに近い形でLPを購入している。パンクについてディープな情報が知りたいならば、El Zineを読む以外の選択肢は無いはずだ。

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