ギタリストの爪みがきVol.11
クラシックギターを販売してきて、常に思うことは「逆の立場に立った時のこと」つまり自分がお客さまの立場に立った時のことを考えています。
また、"クラシックギターのブランドの知名度”って確かに大切なんですが、別にそれほど知られていなくても良いのでは?と思う時もあります。
今回のお話は、私が就職をしてはじめて購入したギターのお話です。
働くようになったら、自分が稼いだお金で自分のギターを買いたい!と中学生位のころからずっと思い続けてきました。
念願がかなって、初めて購入したギターがDavid S Dailyさんというアメリカの方が製作されたギター(ラベル画像・同製作者)です。
当時は長年習っていた鈴木巌先生門下の先輩にアドバイスをもらいに行った記憶があります。そこで出会ったこのギターですが、製作者の名前も知らなければ、スケールなどサイズ感も詳しく聞いていない、それなのに「これにします!」と言って購入したギター。
覚えているのはケースの中が甘いチョコレートのにおいがしたこと。
今考えれば、何故?そのにおいがしたのか説明がつきませんが、
当時は勝手に”海外からくるギターは独特のにおいがするに違いない!”と思っていました。
ところでこのギターの購入のきっかけは、実際に弾いてみた時の"高音、中音、低音の分離の良さ”でした。
その前まで15才から使っていた松永仁一朗さんのギターは分離があまり良くなかった記憶があり、それと比べると驚くべきバランス感でした!(^^)!
結果としてそのギターはその後10年以上使いました。
その後現在の仕事に就いたところで、ふとこのギターの製作者は何者?という疑問が沸いたため調べたところ、クラシックギター奏者ならば恐らくほとんどの方がご存じの”サンバースト”という曲を作曲、演奏されているアメリカのアンドリュー・ヨークさんが愛用しているギターだと分かったのです。
私がDailyさんのギターを購入したのは偶然ですが、この事実を知り少し嬉しくなりました!(^^)!
有名なアーティストが使用しているから購入するか、購入した後で有名な方が使用しているかを知るか。いずれにしても”ギターを購入するときはその本質を見極めないといけない”ということは自身の体験から学びました。
ギター選びは難しい!と改めて思い直したところです。
(Arcangel アルカンヘル)