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マンドリン弾きが眠るとき その3

5月23日(日)オペラシティのコンサートホールで久しぶりの演奏をしてきました。昨年の第1回目の緊急事態宣言で練習ができなくなり1年延期していた「鈴木静一展」というチクルスコンサートの第5回目です。2年に一度一般公募で参加者を募って8回の練習を経て行ってきました。私はその個展オーケストラでコンマスという役割をやらせていただいております。開催中止や無観客開催の可能性もあったのですが、なんとかお客さんの前で弾くことができて、ほーーーっとしているところです。

コロナ禍で、私が私的に行っているマンドリンオーケストラの活動も制約を受けていまして、自由な活動はできていません。平常時では演奏会にかける合奏曲の練習に終始しているのですが、この1年はマンドリンソロの曲を弾く機会が多くなりました。故に、マンドリンという楽器の別の側面を味わうこともできています。

今までも合奏団体のなかでソリストとして独り弾きを行うこともありましたが、合奏の中では指揮者の合図で全員の音の流れを合わせることに集中せざるを得ず、自己の音楽表現というものを養ったり楽しんだりすることが後回しになりがちでした。楽器を弾くことは音楽を楽しむことなんです。当たり前のようなこのことを、この状況下で見つめることができました。音符を音に変換するという作業ではなく、一音一音自分が作った音がどんな響きで聴く人のどんな感情を呼び覚ますのか、それは作曲家の感情、心と重なるのか?そんなことを考えながら弾くマンドリン。楽器演奏は心の表現。テクニックだけでは表せられない「想い」が音になって人の心を打つ。そんなことを、これから楽器をやって見ようかなと思っている多くの人たちと話していきたいな…などと考えつつ。zzz… 
(tre-pick)