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シューゲイザーのすゝめ!

皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

サウンドクルー吉祥寺「音楽と吉祥寺」第6回目は、ジャズマスター好きのトーラスがお送りします。
今回は、私が愛してやまない音楽のジャンルの魅力についてお話いたします!これをきっかけに新しい音楽の出会いになっていただけたらと思います。

その名は、「シューゲイザー」です。

シューゲイザーに出会って以来、音楽や楽器選びの嗜好が180度変化しました(*´ω`)現在でも毎日必聴するほど愛しております(笑)


●シューゲイザーとは?

「シューゲイザー」とは、90年代初頭にイギリスで生まれた音楽ジャンルで、さまざまなエフェクターを用いた幻想的かつ浮遊感の漂うギターサウンドが特徴的です。

英語では「Shoegazer」と表記し、「Shoe(靴を)gazer(見つめる人)」という意味になります。演奏中に多くのエフェクターを使い分ける関係上、必然的に足元を見てしまいます。

的を射た命名ですね...( ̄▽ ̄;)

そんなシューゲイザーの代表的なバンド、my bloody valentine(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)をご紹介したいと思います。

名前からしてもどこか芸術家の香りがしますね。

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左から

ケヴィン・シールズ(ボーカル、ギター)
ビリンダ・ブッチャー(ボーカル、ギター)
デビ―・グッギ(ベース)
コルム・オキーソーグ(ドラム)

以上の4名からなるバンドです。

メンバーの1人であるケヴィン・シールズ(左端)が主立って作詞作曲をしています。
ケヴィン・シールズが手がける独特で特徴的なサウンドは多くの人々を魅了し、後世になって結成されるさまざまなシューゲイザーのバンドの基礎になっているのです。

後世のバンドたちに影響を与えるサウンドとは一体何なのでしょうか?

続いてはシューゲイザーのサウンドについて見ていきましょう!

●シューゲイザーのサウンドとは?

まずは、my bloody valentineの代表作の一つ「to here knows when」をご紹介します!

「百聞は一見に如かず」です!

す、すごい...!

そう、これがシューゲイザーのサウンドなのです!例えるならば、濃い霧が立ち込める山中で前後左右を見失い、迷子になる感覚...でしょうか?
私も初めて聴いたときは、その独特のサウンドに耳を疑いました。
メロディの後ろで鳴っているゴゴゴゴゴと歪んだ音は、エレキギターによって演奏されています。厚い壁のような音の質量感、そしてあらぬ方向に時空が歪むようなギターサウンドの不安定さ。これまでのポップスやロックには見られない幻想的なサウンドが醍醐味です。

しかし、これだけ特徴的なサウンドにも関わらず意外と聴きやすいのです!甘く囁くような歌声によるメロディ、シンプルにまとめられたドラムのリズムパターンなどなど…

気づけばすでにメロディを口ずさんでいることでしょう!!

●シューゲイザーの音作りとは?


シューゲイザーにおいて音作りは、「要」になります。わかりやすく3つの項目に分けて探ってみましょう。
あのサウンドがいかにして作られているのか必見です!


1,エレキギターについて

ケヴィン・シールズが主に使用しているエレキギターは「ジャズマスター」という形のエレキギターです。

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↑Fender JAZZMASTER

かっこいいですね!

「シューゲイザーと言えばこのギター」と言われるぼど定番の形です。

他にもDinosaur Jr.(ダイナソー・ジュニア)のJ・マスシスやNUMBER GIRL(ナンバーガール)の田渕ひさ子さんなどが使用しているエレキギターでもあり、ジャズマスターは90年代ロックの象徴となっております。

このギターの特徴である「フローティングトレモロ」という音を揺らす機能を常に使います。

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黄色の丸でかこった部分で音を揺らします。
この機能によって音程に微妙なずれが生まれ、サウンド全体の不安定さにつながるのです。隠し味的なスパイスと考えると良いでしょう。


2.調律(チューニング)について

エレキギターの調律(チューニング)も重要になっていきます。
通常エレキギターは「レギュラーチューニング」と言われる何も弦を押さえずに

6弦 E、5弦 A、4弦 D、3弦 G、2弦 B、1弦 E

の音で弦を調律するのですが、「to here knows when」ではとても変則的で、

6弦 E、5弦 B、4弦 E、3弦 E、2弦 B、1弦 E

の音で調律をします。

この変則的な調律によって、鳴らしたコードの響きが独特になるのです!
ちなみに、ケヴィン・シールズは演奏する楽曲によってそれ専用に調律したエレキギターを使い分けるので、1つのライブコンサートで何本もエレキギターを使用します。

その機材の多さに驚愕すること間違いなしです!


3.エフェクターについて

音作りの中でもエフェクターが必要不可欠となります。
数あるエフェクターの中でも基本となるエフェクターを2つ取り上げます。

①ファズなどの歪み系エフェクター

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↑ファズエフェクターで有名なelectro-harmonix社のBIG MUFF

歪み系エフェクターで音に重みを増やします。

②リバーブなどの空間系エフェクター

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↑幻想的なリバーブ効果が得られるWalrus Audio社のFATHOM

空間系エフェクターで音に厚みと広がりを持たせます。

これらのエフェクターを組み合わせることで重厚感ある音の壁を作り出すことができるのです!

さらに、エフェクターを組み合わせる順番、エフェクターの数、エフェクトをかける割合などなど...

他にも音作りがあるのですが、底なし沼のように深くなってしまうのでそれはまたの機会にしましょう。


●最後に

いかがでしたか?

今回は、エレキギターやエフェクターの音作りの視点からシューゲイザーについて触れてみました。

このようにシューゲイザーは、さまざまな要素が幾重にも重なって生まれる幾何学的な音楽なので、理論的にも楽しめる音楽ジャンルに感じます・・

シューゲイザーって興味深い! と思われたら、他のシューゲイザーのバンド、アーティストを聴いてみてください!

いくつかご紹介します。

定番、本格派から聴き始めたい方には、

・Slowdive(スロウダイヴ)
・Ringo Deathstarr(リンゴ・デススター)

日本のバンドから聴き始めたい方には、

・cruyff in the bedroom(クライフ・イン・ザ・ベッドルーム)
・死んだ僕の彼女

といったところでしょうか?
バンドごとに変わった切り口のサウンドが楽しめますよ♪

この話が、皆さまにとって新しい発見になっていただけたら幸いです。

それでは、また次回お会いいたしましょう(=゚ω゚)ノ

(トーラス)