ギタリストのつめみがき Vol.2
クラシックギターを弾ける!と他人に話をすると、かなりの確率で「この曲弾ける?」と言われるものの一つが、スペインのギタリストであり作曲家であったフランシスコ・タルレガが作曲した”アルハンブラ宮殿の思い出”という曲である。この曲は右手の親指、薬指、中指、人差し指という順番で弦をつま弾き演奏する。またこの順番を繰り返し繰り返し行う。
この奏法を”トレモロ奏法”というが、店頭でこの曲を演奏した時の30%ほどのお客さまから「一体どうやって弾いているんですか?」とか「CDで聴くと一人で演奏してないように思えるんですが」などの声を聞くことが多々ある。その都度これは「右手の親指、薬指、中指、人差し指の順番で弦をつま弾いてひき、それを繰り返すんですよ」と説明する。
この話を聞いたお客さまは「わかったようなわからないような表情をする」そこで、「百聞は一見に如かず・Seeing is believing」ということわざの通り、自身の演奏を動画でYou Tubeアップすることにした。でもただアップしただけでは面白みに欠ける、いや見ている人が分かりにくい!ということで、売場でこの話をしていたらあるスタッフが
「スローモーション動画にできますよ」と提案してくれた。そこで通常モード・スローモーション・の繰り返し動画を作成してみた。
それがこちら
いかがでしょうか?
自分でもこんな風に指を動かしているんだ!とか、指の動かし方をもう少し変えたほうが良いのでは?など技術向上のヒントにもなる。
まだまだ自分が知らない映像技術がたくさんあると思うが、別の形にも応用して、さらに楽しい動画を配信したい!などと思う次第である。
話は再び"アルハンブラの思い出”に戻る。世界遺産になっているアルハンブラ宮殿に行かれた方は当然ご存じかと思うが、訪れた観光客の中で宮殿内にギターを持ちこんでこの曲を弾いている人はまずいない。私も今から7年ほど前の2014年2月の大雪の中訪れたが(訪問した時のみ晴天。スペイン滞在6日間のほとんどが雪または雨(-_-;))でももし可能であれば弾いてみたい!と思っている人は多いのではないか?それほどこの”アルハンブラの思い出”という曲は大変魅力的な曲である。
そこで今度はトレモロって誰でも練習すれば弾けるの?というお話。
”トレモロという奏法”は右手の各指の長さ(人差し指、中指、薬指の長さの比率)により”それほど苦労しなくても弾ける人”と”かなり練習してもなかなか音の粒が揃わない人”に分かれるそうだ。とても衝撃的な事実であるが、周りのギターを弾いている人の指を観察してみていただきたい。またはご自分の指をまじまじと眺めていただきたい。
因みに、私アルカンヘルの指はこんな感じです!(^^)!もともとトレモロ奏法で苦労した覚えはあまりない。
私の指は"人差し指が薬指よりわずかだが短い”のが特徴。売場のあるギター担当スタッフに聞いたら”人差し指が薬指よりも長い”といわれた。残念ながらトレモロ奏法はやりにくいと言っていた。
でも、右手の角度を工夫する事により解決方法はいくらでもあると思う。決して悲観されることなくトレモロ奏法を楽しんでもらいたいと思う。そして、そのために世の中にはギターの先生がいる。ぜひともこの微妙な指の長さの話をギターを教えている先生にしてみて相談をしてほしい、というのが私の本音である。
一人でも多くの人が”アルハンブラの思い出”を弾けるようになれば、クラシックギターの魅力をさらに感じていただけるのではないだろうか。
(Arcangel アルカンヘル)