見出し画像

【読書感想文】恋には向かない職業 シリーズ

 金井桂先生の作品は某王子様がテニスをする作品の二次創作しか読んだことがなかったのですが(笑)、商業のご本の評判が良かったので購入!

恋には向かない職業 書影・あらすじ

アイドルグループ「D.BUG(ディーバグ)」のリーダー・頼(より)は元マネージャーの三倉(みくら)に秘めた想いを抱えていた。現場を離れた今でも、三倉が頼を特別に扱ってくれるのは仕事だからだとわかっている。だが、募る気持ちはとうとう溢れ出し……!? 優等生アイドルのトップシークレット・ラブ。


秘密には向かない職業(上) 書影・あらすじ

優等生アイドルのトップシークレット・ラブ、待望の第2弾!!アイドルグループ『D.BUG』のリーダー・頼と元マネージャーの三倉は秘密の恋人同士。社長公認の同棲も順調な中、ある日頼が有名演出家・尾上の舞台に抜擢される。頼に俳優としての素質を見いだした尾上と、尾上の舞台にのめり込んでいく頼。そんな二人の関係に、三倉は複雑な気持ちを抱えはじめ……。


秘密には向かない職業(上) 書影・あらすじ

尾上によって俳優としての才能を伸ばしていく頼を、複雑な思いで見守っていた三倉。だが、頼の身体に尾上からつけられた傷痕を見つけた途端、溢れた嫉妬と独占欲で頼を激しく抱いてしまう。一方、そんな三倉の隠された心中を知らない頼は、尾上の忠告に従い、舞台のためにしばらく家を出る決意をし……。


読後感想・レビュー(ネタバレあり)

 一冊ずつ書くとややこしくなるのでシリーズまとめて。

 冒頭に書いた通り、金井先生作品はものすごーーーく昔に二次創作同人誌しか読んだことがなかったので、「どんなもんかいな!」と思いつつ読んだのですが、すごくよかった。相変わらず作画もきれいで、ほどよく毒っぽさもあって、金井先生らしさが残ったまま商業でも描かれていてにこにこしました。嬉しい。

 まずもって、職業アイドルのキャラクターがウェリントンの黒縁眼鏡かけてるってのがとても新鮮に感じました。お顔で仕事してる職業のひとが眼鏡! しかもウェリントンの黒縁! 顔隠れるやんけ! でもそれがいい。

 頼くん(受け)は、プライベートではホニャホニャふんわりしてるけれど、お仕事モードのときはクールでキリッとしているギャップがかわいくていいなぁと思いました。性格的にも芯のあるかっこいいキャラクターなのですごく好感を持てます。ありがちな女々しい系の受けではなく、しっかり男の子! しているので、読んでて違和感がなかったです。三倉さん(攻め)は、年上で、おとなで、冷静な仕事ができるスパダリ! …と思いきや案外臆病でずるい大人だな、と思いました。好き。

 「アイドル」という、何千・何万のファンに愛されるキラキラしい存在が、好きな人にだけは素を見せる、というシチュエーションが最高だなと常々思っているのでアイドルものとか芸能ものは大好物です! 受け攻め両方芸能人でもいいし、どちらか一方は裏方もしくは一般人というのも夢があってよいですよね~。(あくまでも創作上での話ですけど)

 頼くんが一方的に押せ押せモードで猛烈アピールして、それに絆される三倉さんかな? と思って読み進めてみるとそんなことはなくて、三倉さんも最初から恋愛感情バリバリだった。むしろひとめ惚れですよね。だけど大人だし、担当アーティストだし、と一生懸命自制して深入りしないようにして誤魔化すけども、結局頼くんに

「三倉さんは俺にちゃんと答えてない 俺のことどう思っているのか 三倉さんはどうしたいのか正直な気持ち ごまかしたりなんかしたらゆるさない ここで今はっきりさせろ!」

 と詰め寄られて、

「側にいさせて欲しい 愛してる」

 と応える…! エンダァ…! 好きです。

 続編では、くっついてからのイチャイチャもたっぷりあるので満足。結ばれたカップルは永久にイチャイチャしててくれ! たのむ! めいっぱいイチャこいた翌日にあからさまに元気満々な頼くんかわいい。恋人同士になってから独占欲と嫉妬心剥き出しな三倉さん大人げなくて良い。続編ものによくある障害はハードなものじゃないので個人的に嬉しかったです。(あまりにきついことが起こるのはしんどいので苦手…)

 エッチシーンはそんなに多くなく、描写がきれいなので下品だったりいやらしい感じもないのでサラッと読めます。BL好きだけどそういうのはあんまり得意じゃないよ~って人にもおすすめです! 逆にえちえちなやつが読みてぇんだよ! って人にはちょっと物足りないかもです(笑)

 アイドルものなので、コンサートの表現がキラキラしてて、衣装も私服もおしゃれでかわいくって良かったです。アイドルものは良い。

 結論:アイドルものは良い!