読書メモ「秘闘」岡田晴恵 著

図書館へ予約した順番が回ってきて読んだ。気合の入った内容だった。注目点を箇条書きにした。
〇 元国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長 田代眞人氏 岡部氏と尾身氏に関して「彼らは引退はしていない、今も役所の肩書き背負って、厚労省と一緒にやっているだろう。僕にはあんな御用学者はできない。あいつらは学もなきゃ、ポリシーもない。だから、あんな無責任なことができるんだ」
「サイエンスもポリシーもないからだ!だから怖くも何ともないんだ!そうだろう?普通の神経して、論文読んで、ウイルス学が出来ていたら、こんな対策、やっていられるか!専門家会議でも分科会でもアドバイザリーボードでも、誰か一人くらいマトモな奴がいて、尻まくって、正論言って辞めるかと思ったら、誰も辞めない、言わない。無責任極まりない」
〇 2020/2月「37.5度以上の発熱4日以上」という縛りは、PCR検査の抑制のためであった。それについては、のちに尾身氏が「検査体制とのバランスを取った」と言っている。これは早期診断と早期の医療開始によって重症化と死亡を阻止するという、感染症の基本対処戦略を放棄していたことに他ならない。
〇 2020/2月私は「行政検査」というワードに、検査が増えない理由が集約されているように思っていた。専門家会議の押谷仁氏は、PCR検査の少ない理由を「我々のポリシーです」と明確に答えていた。
〇 2020/4月 「在日アメリカ大使館は、日本にいる米国人に対して『日本政府はPCR検査を広く実施しない方針をとっており、感染率を正確に評価することは困難だ』として帰国を促していた」
〇 2020/7月 厚労省はPCR検査のプール方式を認めなかった。
〇 2021/3月 尾身氏「岡田さん、ADEって何?僕はそんな細かなことはわかんない、知らないよ」田村大臣「厚労省でADEがわかる人がいない。わからないみたいです」
ADE(抗体依存性感染増強)ワクチンの後遺症。
〇 2021/5月 著者「先生、お願いします。まず、インド型変異ウイルスの検疫強化をしてください。それから五輪は無理です。集団形成はせめて延期にしてください。国内の人流が止まらなくなります。それを分科会で、内閣官房で、官房長官と総理に意見してください。ウイルス学としてはダメだと、その表明が大事です」
尾身氏「まあ、政治だからね、五輪は。時機を見てね。なんでも時機と頃合いがあるからね。君はね、女だから正論言えるのね、純粋に生きられるのね」
女だからーー。
〇 2021/7/31日 田村大臣から著者に電話「田村です。さっそくですが、やはり、もう、打つ手がない。デルタの感染力は水痘並みです。流行が止まらない、どうにもならないです」「感染者は増える一方で、打つ手なしです。分科会の先生方に大丈夫、大丈夫って言われてここまできたけれど、リスク評価が甘かった。人選を間違えた、人を替えたい」
〇 2021/9月 菅総理は辞任前に、遅れていた厚労省の事務次官と医政局長の人事を行った。医系官僚のトップであった「医政局長」に文系の官僚を選んだ。敢えて岡部氏や尾身氏のような医系の人間を外したのは、上がってきた情報とまるで異なる展開をし続けたコロナの感染拡大に憤慨した菅総理の最後の意思表示なのか・・。
ある厚労省の記者からは、内閣官房参与である岡部氏はこの頃既に、官邸を出禁となっていたと聞いた。
〇 2021/11月 私が闘ってきたこの2年は徒労だったのだろうか?感染者を減らすために強い意見を言うと非難され、人に指をさされ、うずくまった日々もあった。それでも、流行を抑え、人命と社会を守ることが役目であると、コロナ対策の基本を言い続けてきた。権力やマスコミから何を言われようと、SNSでどんなに叩かれようと、自分の意思は曲げなかった。このようにしか、私にはできなかった。

久し振りに読み応えのある本だった、岡田晴恵氏はテレビで納得出来るコメントを発信していて、コロナに対する注意点を教えてくれ勉強になった。「秘闘Ⅱ」を期待したい。
以上


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