2022/1/25日 衆院予算委員会 前原誠司議員質疑 一部文字起こし

前原議員:日銀は19日に、60の国、地域の通貨を使ってそれぞれの国の物価や貿易量を加味して算出した、つまりは、通貨の総合力を測るもの、いまや50年前と同じ位の総合力に落ちていると言ってもいいと思います。現下の円安も含めて伺いたいと思います。
実質実効為替レートで10%円安が進むと実質企業の〇〇〇〇や訪日観光の増加に伴い、実質国内総生産を年間0.8%ほど押し上げるとの試算を公表された。さて、総裁に伺いますけども、今コロナ禍ですよね、訪日観光ってほぼゼロですよね。それでもGDPはプラス0.8%になる認識ですか。

黒田総裁:ご案内の通りこの実効レートのレベルにつきましては、具体的にコメントすることは差し控えますけども、価格相場が経済信認のファンダメンタルを反映して安定的に推移することが重要だということはご案内の通りだと思います。
そこで、今ご質問の指摘の点は一定のモデルに即して計算したものですので、今、現在のですねコロナ禍によって外国の観光客が激減してる状況のもとで同じような効果が出るという風に考えていません、ただ、感染症が収束してですね、観光客も戻ってくるとなった場合にこういった効果があるということは確かだと思います。

前原議員:あのー、確認したいことご答弁頂きました。つまり、これはモデルでやってるんであって、実体の、今、観光客はほぼゼロということの前提ではない。
ということは0.8%プラスにならないということですね、マイナスかもしれない、ということです。
その上でですね、総裁に伺いますけども、携帯電話の大幅値下げの影響が縮小する2022年度の入ったところ、今年4月以降1%半ばまで、CPIというのは消費者物価指数でありますけれども、加速することは予想されます。昨年11月に厚労省が発表した賃金指数基準給与の対前年度同月比は0.3%ですので、CPIが年率1.5%になれば実質賃金はマイナス1.2%になるんです。
つまりはこの、先ほど階議員の質問に円安になっても大丈夫だみたいな答弁されていましたけども、先ほど申し上げたようにモデルは訪日観光客ほぼゼロだからモデルの0.8%というのはあてはまらないということ、そして今、CPIが低いのは携帯電話の値下げによって、剥落してるわけですね、元に戻ると1.5%程度になればですね、つまりは名目から実質を引いたものになると1.2%になる、実質賃金がマイナスになる。
ということになると国民はやっぱり円安によって金融緩和がもたらす円安によって、国民がどんどん貧しくなるということを表しているんじゃないですか。

黒田総裁:携帯電話通信料引き下げの効果が4月から剥落するということは、その通りであります。そうしたこともあって、4月以降の物価上昇率について、委員からの中央見通しは1.1%というふうに見ております。
特にこの物価上昇は為替の円安の効果というよりもほとんどが資源価格が世界的に上昇してるということによるものでありまして、こうした資源高による交易条件が物価の影響を受けること、一方で背後に世界的に経済活動の○○○○が進んで、じゅうだん大きく○○○していることもありますので、そういった内外規模の増加を背景に、日本経済も回復を続けていくということが想定されますので、物価面では一定の原料コスト上昇の価格転嫁が緩やかに進むとは予想していますけども、さきほど申し上げたような物価上昇率であり、実質賃金が一時的に○○○○○かかる○○ますけども、やや長い目で見た、やはり一人当たり実質賃金に雇用者数を掛けた実質雇用者所得はこれから消費の源泉ですので、それは緩やかな増加を続けて、そうしたもとで消費も緩やかに回復していくという姿を想定しています。そういう意味で国際的な資源価格の動向というものは十分注視する必要があると思いますが、現状ですね為替が大きく変動しているということはありませんので、○○の変動を大きく見る必要はないのではないかと思っています。

前原議員:いま、実質賃金に全体を掛けたものについては拡大しているというご説明ありました。裏返せば一人一人の実質賃金は目減りするということを認められた。
つまりは、それは総裁はマクロ経済を見ておられるかもしれないけども、国民一人一人は自分達の生活が基盤ですよ、自分達の生活が実質賃金は下がって行きますよということを放置される金融政策をとっていると、自ら認められたことになるんですよ。
このいわゆる金融緩和の拡大というのは、私、大問題だと思いますよ。そして、同時に需要が拡大すると世界経済が拡大する、だからこそインフレが各国で起こって、日本でもこれだけインフレが起きないと言われていたのに、携帯電話の剥落で1.1%、そして、年央には1.5%になると言われている。ま、インフレになっていく、各国はテーパリングや利上げだということで、これを本当にずっと、また原油価格も上がっていくかもしれませんね、そんな状況の中で、この間の会合で、今の異次元の金融緩和、つまり利上げをする積りはまったくないと言い切られて本当にいいんですか。
状況を見る中でこの金融政策は機動的に見直すということをおっしゃるべきではないですか。

黒田総裁:ご指摘の通りですね、欧米ではインフレがかなり進んでいます、米国の消費者物価の上昇率は7%に、ユーロ圏では5%程度まで高まっておりますし、そうした中で特に米国英国では二次的波及として予想物価上昇率、賃金上昇率は2%のインフレ目標と整合的な水準から上振れていくリスクが高いというふうに言われています。
一方、我が国の消費者物価の前年比は従来から申し上げている通り、足元0.5%で、確かに携帯通信量引き下げの下向け要因がなくなる、ということは事実なんですけども、他方でこの○○動向とか、○○○○先物はずうと下がっていくと見通しになっている。
一時的な要因とかエネルギーを除いたベースで見ますと消費者物価の上昇率はまだ0%程度になっていまして、さきほどらい申しましたように生産状況を除くベースで見ても1.1%と、もちろんあの従来のように下振れリスクしかないといことではなくて、上振れリスクもあり得るということは考えていますけども、その中でも中々2%になるとかですね、あるいはその予想物価上昇率に影響が出てくるとかいうような状況にまだ全然ないということからいって、欧米は確かに金融政策について正常化を探り始めておりますけども、残念ながら日本においては2%の物価目標に行かない、距離があるという状況が2023年度まで続きそうだということでありますので、やはり金融緩和は引き続き続けていく必要があるというふうに考えております。

前原議員:改めて見直す積りはないということは、国民に実質賃金はマイナスにするということを押し付けていると、そういう金融政策であるということは明確に申し上げておきたいと思います。

以上

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