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ドラッカーが勧めた方法ー年末年始に目標設定したあとに、「本当の強み」を知るためにやった方がいいこと

年末年始といえば、多くのビジネスパーソンは「来年の目標」を設定する。

ぼくの場合はというと、目標は、”気が向いたら”立てるぐらい。すごく短時間で。目標や計画を立ててもその通りに進んだ試しがないので、今はそこにあまり時間を使わない。一時的にテンションが上がるぐらいのメリットしか得られないからだ。


2019年の目標で達成できたのは、19個中1個だけ

でも、目標を立てる代わりに、振り返りはする。結構な時間をかけて。

今朝は、2019年の振り返りをした。今日明日で熱海にて、起業家が8人で集まって、半年に一回ペースでやる「自主合宿」が開催されるからだ。ぼくが主催で今年5月に初開催して、今回で2回目になる。

その合宿では各参加メンバーが、半年前に宣言した目標や計画に対する結果を振り返り、つぎの半年の目標と計画を発表する。

だからぼくも、発表する資料をつくる目的も兼ねて、振り返りをした。使うのは、Macの「メモ帳」と「Googleカレンダー」。記憶にたよると都合がいい振り返りになるので、まずは事実を掘り返す。

さかのぼってメモ帳を見ていると「■2019年の目標」というメモが見つかった。そこには19個の目標が書かれていた。

が、中身を開いて吹いたww

なぜなら、19個の目標のうち達成しているのは、たった1つだったからだ。しかも、「海外で1ヶ月以上過ごす」という、だれでも努力なしにできそうな簡単なやつだけ。この瞬間に、猛烈に今日からの合宿に行きたくなくなった(笑)。

が、それでも、次の瞬間、冷静になってこう思った。

「やっぱり、振り返りだけは裏切らない」

なぜなら、振り返りだけが、もっとも正確に自分のなすべきことと、なすべきでないことを教えてくれるからだ。


ほとんどの人は、強みと弱みを勘違いしている

経営学の父と言われているピーター・ドラッカーが、著書『プロフェッショナルの条件』の中で、こう書いている。

誰でも、自らの強みについてはよくわかっていると思っている。だが、たいていは間違っている。わかっているのは、せいぜい弱みである。それさえ間違っていることが多い。しかし何ごとかをなし遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。できないことによって何かを行うことなど、とうていできない。

ドラッカーは、世界で活躍する相当数の起業家やビジネスパーソンと出会った中で、成果をあげている人は必ず「強み」を使っている、という結論にいたっている。

ただそれと同時に、ここに書いているように、自分の強みと弱みに対する自己理解は、ほとんどの場合間違っている、とも書いている。


ドラッカーが激推しする、強みを正しく知る方法

では、どうすれば正しく自分のことを知れるのか。ドラッカーの考えはこう言っている。

強みを知る方法は一つしかない。フィードバック分析である。何かをすることを決めたならば、何を期待するかをただちに書きとめておく。九ヶ月後、一年後に、その期待と実際の結果を照合する。私自身、これを50年続けている。そのたびに驚かされている。これを行うならば、誰もが同じように驚かされることになる。こうして2、3年のうちに、自らの強みが明らかになる。自らについて知りうることのうち、この強みこそもっとも重要である。

目標を立てたらそれを書きとめておいて、あとで実際の結果と照らし合わせて検証する。今回ぼくがやった、「2019年の目標」のメモを引っ張り出してきて結果を検証したのは、この”フィードバック分析”を行うためだ。

ぼくは過去に何度もこれをやったことがある。そして、今朝もそうだったように、毎回驚かされる。先日は2014年で主催したある研修で書いた、「5年後の自分への手紙」なるものを見つけ、開封してこれまた見事に期待を裏切られた。


無意識に現実化されやすい分野が本当の強み

例えば、ぼくの場合は立てた数値目標の達成率は、ほとんど半分以下で終わる。でも、このフィードバック分析によって突きつけらる結果を何度も見るまでは、目標を達成することはむしろ得意な方だと思い込んでいた。まさに、ドラッカーがいう間違った自己理解だ。

逆に起業したころからの目標や計画のメモを見返すと、「いい商品をつくりたい」「おもしろい人とおもしろいことをしたい」「人の人生が変わるきっかけを作りたい」という表現が何度も出てくる。これらについては、そこまで目標化して、毎日そこに意識を向けていなくても現実が作れられる。

フィードバック分析が教えてくれるのは、目標を立ててその後”忘れていても”現実化されることは何か、に対する答えだ。この無意識で、努力しなくても、現実が作られる分野が、自分の「本当の強み」になる。

今回のわかった結果を踏まえて、2020年に弱みだから「やらないこと」を決める。そして本当の強みとなる分野に、よりエネルギーを注ぐ。もし、あなたが、年末年始のタイミングで目標設定をするなら、今日伝えた方法でまず「振り返り」からスタートできるといい。


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