なぜ、感動するサプライズはノリや気分ではなく「設計」されるべきなのか?

今日は、都内のホテルで「一人合宿」中。

ウェルカムドリンクとして、オリジナルブレンドティーが瓶のボトルで部屋に置いてあったんですが、これの香りがすごい。中身は烏龍茶なんだけど、いい意味で香りと味のギャップがあって気に入りました。


コンシェルジュに伝えてみる

そこでコンシェルジュに、別の依頼ごとをしたついでに電話で伝えてみました。追加でもらえるならもらいたいなと思って。

(前に会話があった上で)
やま:「それと、オリジナルブランドティーがすっごく美味しかったんです。これってウェルカムドリンクなんですかね?」
コン:「ありがとうございます。左様でございます。ただ、こちら●階の売店でお買い物いただけます
やま:「そうなんですね。わかりました、ありがとうございます」

ここまでは普通のやり取りですね。有料だけど美味しかったから帰りに買って帰ろうと思いました。

ただそこから数時間後・・・ドアノックが。

やま:「はい、なんでしょう?」
コン:「山田様、お休み中に失礼いたします。お昼間にお掃除の時間帯についてご連絡いただいた際に、オリジナルブレンドティーをお気に召されたと伺いまして」
やま:「はい、そうです、美味しかったです」
コン:「こちらお飲みいただいたお茶と、売店で売っている茶葉をお土産としてお持ちしましたので、もしよろしければお召し上がりください
やま:「ええ、本当ですか!ありがとうございます。すごい嬉しいです!!」

嬉しいサプライズで、感動しました。


このサプライズの体験について考えたことは2つ。

1. 有料と無料の「境界線」という下地をつくる

本来無料ではないものを、何でも「無料サービス」してしまうと、せっかくの気持ちなのに当たり前になってしまう。場合によっては、顧客の要望と期待値がどんどんあがっていき、ニーズを満たせてないときに”逆に”満足度を下げることになりかねない。だから、相手の気分を害さないかたちで「ここまでは無料でここからは有料になります」という境界線を伝えることは大事です。

2. 「言葉」で伝えた境界線と「行動」を合わせる

忘れたころにドアノックされて、プレゼントされたからすごく嬉しい気持ちになりました。これがコンシェルジュに電話したあとにすぐ持ってこられてたら、「結局こっちの要望は叶えてもらえる」という間違った期待をもってしまっていたかもしれない。期待値をつくる境界線をうまく伝えるためには、言葉だけでなく「行動」が相手にどんなメッセージを与えるか、を考えられた方がいいです。


サプライズというオチは前フリとセットで「設計」せよ

「サプライズで感動を生む」というと、プラスのことをすることに意識がいきがち。でも正しい境界線が伝わるように工夫しないと、いつの間にかサプライズ対応が当たり前の基準になり、「サービス過剰」に陥ってしまう可能性がある。それでは短期的に感動をつくり、長期的な不満足を生むことになってしまいます。

営業でも、飲食店の接客でも、デザイナーでも思いつきのサプライズ対応によって、本当の意味で大事にしたい「持続可能な顧客満足度」を失っていることが多くあります。つまり、仕事におけるサプライズはノリや気分でやらない方がいい。サプライズは”設計”されるべきです。お笑い芸人がオチに対して「前フリ」をしっかりつくるように、感動というオチに対して期待値の境界線を引くという「前フリ」の設計を大事にしたい。


自戒を込めて、ホテルよりお届けしました。


<おすすめnote>

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