■コラム07|CubeMicで打楽器の合奏を収音する

ドラムセットを中心にしたロックバンドやジャズバンドを見慣れているとつい忘れがちかもしれませんが、他の場面では、打楽器は打楽器同士で合奏する機会が多いものです。
打楽器同士の合奏をマイクロフォンを用いて収音する場合には楽器個々の音声を個別に収音するという事は難しく、工夫が必要です。
ひとつのマイクロフォンから複数の楽器の音声が収音されるのは、少し離れた場所から合奏を聴いているような雰囲気の録音結果を得る場合に向いています。しかしそれとは違って、より近くで聴いている時の様な種類の楽器ごとに独立した力強さを収音する事が求められる場合もあるでしょう。例えば複数の打楽器と電気・電子楽器などとのアンサンブルの場合などです。
そういった目的のためには、収音される音声が楽器ごとに高い独立性を保つために様々の工夫がされます。例えば「打楽器奏者同士がより離れて演奏する事でマイクロフォンに収音される音声の独立性を高める」とか「打楽器を時間差で多重録音する事で、同時に他の音が収音されないようにする」という方法がとられます。ですから、そういった特殊な場面でも問題なく良い演奏が出来る事も、一線の演奏家に求められる資質なのだという風に考えれていると思います。
しかし今後は、もしかしたらCubemicによる独立性の高い収音は、こういった場面にも役立てる事が出来るかもしれません。フレームドラムという事ではアラブ圏の音楽などはすぐにも該当しそうですし、より大きな音の楽器という事なら、ラテン音楽やブラジル音楽のアンサンブルもそのまま適用できそうです。
全ての打楽器がCubeMicでの収音の適正があるものではありませんが、親密で、またストレスのない打楽器合奏の録音が実現出来る場面が、これまでよりももっと増えると良いなと思います。

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